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右の図はシカゴ市の暴力犯罪地図です。観光スポットは安全な場所が多いとはいえ、ダウンタウンのザ・ループなどには危険な地域も混在していますから、人通りの少ない裏道に入ってみようなどと思ってはいけません。シカゴ警察の対話型マップを見ると、市内西部の危険な地域は南に広がり、南部では最も危険だった地域の治安は改善したものの犯罪地帯の中心が南下しただけのようです。
シカゴ市民の民族構成 (2005〜07年の国勢調査局推定値をもとに作成) |
ところで、多民族国家アメリカの中でも、シカゴはマイノリティ(少数派)の民族が見事に入り混じった都市です。黒人とメキシカンが人口の55%を占め、白人の中でも全米各地を牛耳っている英国系やプロテスタントの白人がここでは少数派…宗教では、カトリックやギリシャ正教が幅を利かせています。
ドイツ系移民の人口密度(1872年) |
初期のシカゴに大挙してやってきたのは、ドイツ系移民です。特にビールの醸造で有名なミルウォーキーは「ドイツのアテネ」と呼ばれるドイツ人だらけの町でしたから、今でも、シカゴは北の方がドイツっぽいのかもしれません。
セントパトリックスデイのシカゴ川 |
同じ頃に運河工事の労働者としてやってきたのがアイルランド系で、市内南部のシカゴ川沿いに住み着き、その後は、シカゴの警察や消防を支えてきました。
シカゴは、3月17日のアイルランドのお祭セントパトリック・デーを盛大に祝うことでとりわけ有名です。この日、シカゴ川の川面はアイリッシュカラーのグリーン一色に染まります。
シカゴに移住してきた人々は、民族ごと、思い思いに地域を定めて住みつきました。このような地域はエスニックネイバーフッド(Ethnic Neighborhood)とかエスニックエンクレーブ(Ethnic Enclave)と呼ばれていますが、日本では「エスニックタウン」が通り言葉のようですね。エスニックタウンは各民族の出身国や都市の名前をとって、「○○タウン」、「リトル△△」などと名付けられています。
ビジネスとお遊びの中心…ショッピング、摩天楼(高層ビル)、大劇場、 観光名所。 |
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★ ノースサイド (リンカーンパーク・オールドタウン/レイクビュー・ノースセンター)劇場とバーやクラブがひしめくシカゴ一の歓楽街とカブズの球場。高級住宅地。全米最大のゲイコミュニティ。 |
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★ ファーノース (アップタウン/ノースリンカーン・ロジャーズパーク)カウンターカルチャー的でありながら落ち着いた町。湖畔のビーチ。活気あふれる移民の町。 |
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★ ウェストサイド (ローガンスクエア/ウェストタウン/ニアウェスト/ピルゼン)エスニックタウン。ダイブ・バー(普段着の酒場)。インディー系の文化の町。 |
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★ サウスサイド (ブリッジポート・チャイナタウン/ハイドパーク/ブロンズビルほか)1893年シカゴ万博。チャイナタウン。シカゴ黒人文化…本場ジャズとソウルフード。 |
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★ ファーノースウェスト…ポーランド系住民の町。 |
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★ ファーウェスト…シカゴでも特に危険な地域。 |
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★ サウスウェスト…食肉加工場で繁栄した地域。 |
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★ ファーサウスウェスト…アイルランド系住民の町。 |
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★ ファーサウスイースト…大工場地帯。 |
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シカゴ市近郊 |
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アーリントンハイツ…ミツワ・マーケットプレイスや日本人学校(全日校と補習校)があるシカゴの日本人の生活拠点。 |
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エバンストン…ノースウェスタン大学所在地。高級住宅地として有名だが、日本人に住みやすい地域もある。 |
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オークパーク…日本でも帝国ホテルなどを建てた建築家ライト設計の邸宅が居並ぶ町。作家ヘミングウェーの生家。 |
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ガーニー/ハンフリー/オーロラ・ジョリエット…幹線沿いの40マイル圏のコミュニティ。アウトレット・モールや行楽施設。 |