サザンイリノイ★リトルエジプト ★石炭の谷カーボンデール リトルエジプト
イリノイ州は文句なく「中西部」と割り切ってお考えの方が多いのではないでしょうか?生憎(あいにく)ですが、サザンイリノイは、かなり「南部」的な土地柄です。唯一の人口密集地域は、ミシシッピーの川向こうセントルイスの都市圏で「メトロイースト(Metro East)」と呼ばれる地域。「サザンイリノイの首都(The Capital of Southern Illinois)」を自認するカーボンデールでさえ周辺人口を合わせても4万5千人の小さな町で、地域ごとに、最寄りのお隣の州の都市(ミズーリ州ケープジラードやインディアナ州エバンズビルやケンタッキー州パドゥーカなど)と仲良くお付き合いしています。 ところで、サザンイリノイには、リトルエジプトという別称があります。「?」とお思いでしょうが、アメリカの「気候と自然」e-百科「北米の大地と地震」のページにありますように、大昔にメキシコ湾の入江がイリノイ州の南端まで切れ込んでいた時代があったのです。その証拠に、サザンイリノイ南部は今でもデルタ(三角州)地帯のような湿地帯…ミシシッピー川とオハイオ川の分岐点にある小さな町がカイロ(発音はケアロ)と名付けられたのも、そのせいです。リトルエジプトの語源については異説も存在しますが、いずれにしても地形から連想したものに相違ありません。少し上流にテーベ(ティーブズ=Thebes)という町もありますよ。 石炭の谷カーボンデール
さて、話は戻りますが、周囲を合わせても人口がたった4万5千人なのに「サザンイリノイの首都」と自称して威張っているカーボンデールは、直訳すれば「石炭(Carbon)の谷(Dale)」です。
日本の社会科では、アメリカの炭田はアパラチアとロッキーの二つの炭田と教えていますが、イリノイ州には太古の昔に大森林があったようで、サザンイリノイとセントラルイリノイの地下には石炭が眠っています(内陸東部炭田)。埋蔵量は内陸西部炭田と合わせると、熱量で中東の油田にも匹敵するそうですが、硫黄とアスファルトの含有率が高く今はアパラチア・ロッキー両炭田ほど生産されていないのです。 カーボンデールにはサザンイリノイ大学のカーボンデール校があり、日本人も含め東洋系の留学生を多数受け入れているためか、和食レストランも複数あります。南には、風光明媚なショーニー国立自然林(Shawnee National Forest)もありますから、日本から留学している皆さんも勉強の合間にじっくり自然を楽しむことができます。 |