★ピスカ山周辺 ★ミッチェル山周辺 ★グランドファーザー・マウンテン周辺 ★ダニエル・ブーン ブルーリッジ・パークウェーは、ブルーリッジ山脈の稜線に沿って、ノースカロライナ州のグレートスモーキーマウンテンズ国立公園からバージニア州のシェナンドーア国立公園まで、全長は東京-青森(720km)間より長い755kmの観光道路です。ルーズベルト大統領のニューディール政策の一環で1935年に建設が始まりました。テネシー渓谷開発事業と同じく大恐慌後のアメリカ経済を立て直す公共事業だったのです。 トンネルが26本と橋が168本、さらに山腹に張り出した高架橋が6本。第二次世界大戦中も建設を続け1987年にようやく完成しました。国立公園局が管理しています。この記事では、取敢えずノースカロライナ州のパークウェーの見どころをご案内しましょう。
==================≪ピスカ山周辺≫================== アッシュビルまで来られたら、グレートスモーキーマウンテンズはすぐそこですから、チェロキーのインディアン・ビレッジやマギー・バレーのテーマパークにも足を伸ばしてください…詳細は「スモーキー山脈・e-ガイド」ご参照。
ブルーリッジ・パークウェーの南の起点はチェロキーです。スタートして最初のお勧め展望地点はウォーターロックノブ…このあたりはスモーキーマウンテンズの一部ですから、朝方には正にスモーキーな雲海が見れるでしょう。 ピスガ山の周辺には、目じりがつりあがった悪魔の顔にも似たデビルズ・コートハウス(悪魔の法廷)や地底のマグマだまりが固まったままの形で露出したルッキンググラス・ロック(鏡岩)など奇岩奇景を望む展望地点もあります。
=====≪ミッチェル山周辺≫===== アッシュビルから東に行くと、アパラチア山脈最高峰のミッチェル山があります。パークウェーから、山頂に車で上ることもできます。クラッギー・ガーデンズは、毎年6月半ばにパープルのつつじが咲くことで有名です。さらに行くとグラスマインの滝をはるかに望みます。クラブツリーの滝やリンビルの滝を見るなら、車から下りてハイキング。 =====≪グランドファーザー・マウンテン周辺≫=====
グランドファーザー・マウンテンでは、毎年7月に、全米各地から5万人が集まり、スコットランド伝統のお祭「ハイランド・ゲームズ」が行われます。 ノースカロライナのスコットランド系アメリカ人は、正確にいうと、スコットランドから一度北アイルランドに移住し、さらにアメリカに越して来たスコッチアイリッシュと呼ばれる人々の子孫が多数派です。 干ばつや重税を逃れ18世紀に移民してきた人々の一部はペンシルバニアに入植し、残りはシェナンドーア渓谷の「グレート・ワゴン・ロード」を幌馬車に揺られ、未開の奥地(Backcountry)だったアパラチア山麓地帯に住み着きました。さらに、テネシー渓谷からケンタッキーへ「荒野の道」を切り開き初期の西部開拓のリーダーシップを取ったのも、スコッチアイリッシュです。 ハイランド・ゲームズの正装は、もちろんタータンチェックでスカート状の民族衣装(注)キルト。丸太投げ、石投げ、ハンマー投げなど重いものを投げる力自慢の競技会で、バグパイプの楽隊やフォークダンスが会場を盛り上げます。 (注)裁縫のキルトは「Quilt」。発音もクィルトで特別な関係はありません。
グランドファーザー・マウンテンの周囲は険しくて、パークウェーも谷に張り出した380mのリンコーブ高架橋を通過します。52年のパークウェー建設史で最後に南北がつながった地点ですから、お見逃しなく…。
続いてパークウェーは、寄贈者の名前を残す二つの公園の中を抜けて北上します。ジュリアン・プライス記念公園はピクニックと魚釣りやカヌー、モーゼス・H・コーン記念公園は、夏はハイキングや乗馬、冬はカントリースキーという具合に、少し異なる趣向で楽しめます。パークウェー沿いにあるフラットトップ山荘はコーン夫妻のお屋敷でした。アッシュビルのフォークアートセンターの手で工芸品が展示されています。
さらにその先には、ブローイングロックの展望台、蒸気機関車に乗れる小遊園地トゥィーツィー鉄道やアウトレット・モールのタンガーアウトレッツ…グランドファーザーマウンテンの周辺は、アッシュビルにも負けない大観光スポットでスキー場も3ヶ所あります。 =====≪ダニエル・ブーン≫===== 北隣のブーンの町は、西部開拓の第一人者ダニエル・ブーンがケンタッキー探検に出発した地点です。ブーンは、この付近からワトーガ川を下り、イーストテネシー(⇒チェロキー・インディアンと西部の開拓者)経由カンバーランド・ギャップを越え、ケンタッキー(⇒元祖西部フロンティア)に入ったそうです。アパラチア州立大学のキャンパスには、ブーンの銅像があります。 |