北部近郊…マンスフィールドとアーミッシュカントリー ★マンスフィールド ★マラバー農園とモヒカン川 ★アーミッシュカントリー ★ロスコ―歴史村 コロンバスの北部近郊をご案内しましょう。南部近郊は別の記事でご案内します。西部近郊は、主にデイトンのページでご案内します。 ===== ≪マンスフィールド≫ ===== コロンバスとクリーブランドの中間点に、マンスフィールドという人口5万人クラスの町があります。かつては、ウェスティングハウス社の家電部門など製造業で栄えた地域です。 セントラルオハイオといえばコロンバス中心の地域ですが、それと別にマンスフィールドを中心とした地域をミッドオハイオと呼ぶことがあります。その証拠が、ミッドオハイオ・スポーツカーコースというロードコース・タイプのレース場。もう一つあったオーバル(楕円)コースのレース場は2010年に閉鎖してしまいましたが、地元では「オハイオの自動車レースの首都」と自称していばっています。おまけに、市の公式愛称が「オハイオのファン(娯楽)センター」というのは少し過大広告気味ですが、コロンバスやクリーブランドの住民にとっては、そこそこ気の利いた日帰り行楽スポットです。
キングウッド・センターは、20世紀初頭に碍子(がいし)など鉄道や電車の架線用品を作って大儲けしたキングさんの庭園と大邸宅…子供がいなかったので財団に寄贈され、今は一般公開されています。 しかし、マンスフィールドで最も有名な建物は、オハイオ州立刑務所かもしれません。クリーブランドの有名な建築家が、ビクトリア風ゴシック、リチャードソン風ロマネスク、アン女王調の3様式を交えて設計し、1886年から24年がかりで完成させた荘厳な監獄です。
1990年までは現役でしたが、すし詰めで劣悪な環境を告発する囚人の集団訴訟が認められて用済みになった結果、これも今は一般公開されています。 映画のロケでもたびたび使われ、テレビでは特に幽霊ハンティングの番組で有名になったせいか、マンスフィールドの市内観光では、近隣のゴシック風お屋敷オークヒル・コッテージとセットにした「幽霊ツアー」が定番です。
リッチランド・カルーセルパークは、1930年代に開業した屋内メリーゴーランド…当時は全米初登場の手彫り回転木馬で、30頭のウマと、クマ、ダチョウ、ネコ、ウサギが4体ずつ、ほかにヤギ、シマウマ、ライオン、トラ、キリン、ギリシア神話に登場する半馬半魚の海馬、総計52体の木馬が回り続けています。80年前のメルヘンの世界にタイムスリップしてください。バイブルウォーク聖書博物館はキリスト教関連の蝋人形館ですから、信者でない方が興味本位で訪れるような観光スポットではありません。 お子様連れのスポーツなら、スノートレイルズ・スキー場。雪が降っても長いスロープのないセントラルオハイオでは貴重なスキー場ですが、標高差は90mで最長スロープも600mですから過度な期待は禁物(国道33号メアリーズ方面のマッドリバーマウンテン・スキー場も同規模)…タイヤのソリで遊ぶスノーチュービングのコースは充実しています。エクエストリアンバレー乗馬牧場の乗馬トレイルは、乗馬経験不要。お子様にはお子様サイズのウマで、家族そろって林野を散策することができます。 ===== ≪マラバー農場とモヒカン川≫ ===== 皆さんは、1942年公開の名画「カサブランカ」にイングリッド・バーグマンと主演したハンフリー・ボガートという往年のイケメン俳優をご存じですか?若い方には初めて聞く名前かもしれませんが、当時はスターの数も少なく、現代のトム・クルーズやディカプリオより有名な存在でした。
前置きが長くなりましたが、そのハンフリー・ボガートが1945年に新婚旅行で訪れたというのがマラバー農場州立公園。訪れる人は、まずボガート夫妻も泊まった邸宅のツアー。お子様は、農場で動物と触れ合ったり、荷馬車に乗ってウマに引かれたり、昔のダンスを見たり、怖いお話を聞いたり、季節によってはメープルシロップを採取したり…。ここでは、ハイキングなど定番の楽しみのほかに、エキストラな休日のスタイルが見つかるかもしれません。
モヒカン州立公園も同様です。州南東部のマリエッタでオハイオ川に注ぐマスキンガム川の支流モヒカン川のほとり。ウルフクリーク水車小屋は水車が回り、昔のままに製粉できるように修復されました。周囲には8軒の古い丸木小屋と製材所が移築され、開拓時代や南北戦争の歴史劇が再現されることもあります。 ===== ≪アーミッシュカントリー≫ =====
アーミッシュと呼ばれる人々をご存じですか?16世紀の宗教改革の中で生まれたキリスト教諸宗派の中でも特に質素な暮らしぶりを尊んできた一派で、18世紀初めに、ヨーロッパから宗教的に自由なペンシルバニアに逃れてきた人々の子孫です。今でも、カナダも含め北米に約25万人のアーミッシュがいるそうですが、うち16万人がオハイオ・ペンシルバニア・インディアナの3州に住んでいます。 電気など近代文明の助けを借りず自給自足の生活を続けていますから、見世物ではないのですが、われら俗世間に暮らす者にとっては、のどかな田園風景とともに疲れた心の癒しになります。 アーミッシュカントリー・バイウェー(国立景勝バイウェー)に行けば、アーミッシュの馬車に出会うかもしれません。コロンバス(ダブリン)から、アーミッシュカントリーの中心ミラーズバーグまでは90マイル弱ですが、田舎道なので往復の時間はたっぷり見てください。
アーミッシュの日常を見学するにはヨダーズ・アーミッシュホーム、お土産はグッギスバーグチーズ(工場見学と食事)や彫金細工のプレートなどをウェンデル・オーガスト・フォージでお求めになってはいかがでしょう。 ===== ≪ロスコ―歴史村≫ ===== ミラーズバーグの南には、19世紀にオハイオ川とエリー湖を結んでいたオハイオ‐エリー運河沿いにロスコ―歴史村があります。こちらは村おこしのため村民一体で昔返りした歴史村で、昔ながらにラバ(今はウマ)が引くキャナルボートに乗る45分のツアーもあります。コロンバス(ダブリン)からの道のりは80マイル弱ですが、順調なら車で1時間15分。 |