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2006年7月(創刊号)8月(第2号)9月(第3号)10月(第4号)抜粋

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ハロウィーン(08年5月改稿)

「Trick or Treat?」…10月31日は準備OK?

 ハロウィーン はアイルランド生まれの行事です。キリスト教の万聖節(All Hallows' Day=諸聖人の日)の前の晩(eve)に行われることから、ハロウィーン(Halloween=Hallow+eve)と呼ばれるようになりました。アイルランドは、5世紀に聖パトリックが修道院を建てて以来カトリックの優等生となりましたが、それまでは10月31日が1年の終り…大晦日には死者の霊が家族を訪ねてくると人々は信じ、身を守るため仮面をかぶり魔除けの焚き火をしていたのだそうです。

 現代のハロウィーンには、宗教的な意味は全くありません。11月末のサンクス・ギビング・デイ(感謝祭)からクリスマスと新年まで、冬は家族が暖炉を囲んで絆を固くする季節ですが、その先駆けがハロウィーンともいえましょう。10月31日の夕方になると(何歳未満と決まりはないようですが)子供たちが、様々なコスプレに身を固めて近所の家を訪ねて回り、お菓子をもらってくる行事です。

 皆さんも、よくご存知でしょうが、この晩の子供たちの挨拶は「トリッカー・トリート?=Trick or Treat?」…「悪さ(トリック)をされたくなかったら、お菓子を出せ(トリート=もてなせ)」というおどし文句です。知り合いのアメリカ人に「返事は何て言えばいいんだ?」と聞いたら、しばらく考え込んでしまいました。昔は、冗談で「Trick(悪さをしてくれ)」と言ったりしていたそうですが、今は何も言わずにお菓子を上げているそうです。大きな声で「キュート(cute=可愛いわね)」と言ってあげたら喜びますよ。

 自治体によって、子供が家を回る時間を決めているところが多いので、前日の新聞を読んだりお隣に聞いたりして間違えないようにしましょう。それでも、小さな子供たちだけで歩き回るのは危険ですから、必ず親が(私たちの近所では)車で付き添って回ります。まず玄関のドアをしっかりノックして大声で「トリッカー・トリート?」と挨拶、お菓子をもらったら忘れずに「サンキュー」、これをしつけるのも重要な子供の教育です。

 カナダのトロントにいた頃は、10月末はもう寒過ぎ、コスチュームはコートの上に着せるしかありませんでした。今いるケンタッキーの周辺でも、この季節は急に冷え込みますから、薄着でお子様に風邪を引かせることのないようコスチュームの下に下着を着せてあげたり、家から家に移動する間はコートを羽織らせてあげたり、その日の気温により考えましょう。

 わが家の近所では、例年6時から7時半頃にかけて子供が押しかけてきます。玄関ドアの陰でウキウキと子供たちを待ちかまえていた娘が日本に帰国してしまったので、最近は家内がホステス役に復帰しやむなく「魔女」のコスプレをしています。あげるお菓子は、スーパーのハロウィーン用格安キャンディーで十分…たくさんつかんで帰る子もいますから、見栄を張って日本の高級菓子をあげたりしないでくださいね。

 この娘がいた頃に当家を訪問した「トリッカー・トリーターズ(ハロウィーンの子供たち)」の中から、かわいかった子供たちの扮装のメモがあるのでご紹介します。

2003年 47名

骸骨男、ジェーソン(映画「13日の金曜日」)、M&M(お菓子)赤ちゃん、赤頭巾ちゃん、スパイダーマン、シンデレラ、猫男、全身黄色男、黒づくめ兄妹、空手男、美女と野獣、ギャル、ハリー・ポッター、バットマン、キャット・ウーマン、鉄仮面、ピエロ、吸血鬼

2004年 36名

蛙男、魔女、プリンセス、フットボール選手、剣士、叫び(ムンクの絵)、パワー・レンジャー、カウ・ボーイ、骸骨男

2005年 49名

デビルの一隊、スパイダーマン、骸骨男、アヒルッ娘、白雪姫、子牛、パンプキン、美女と野獣、UKバスケット・ボール選手、トラ男、幽霊、ダースベーダー(スターウォーズ)、叫び(ムンクの絵)、シンデレラ、宇宙飛行士、猫女、魔女、踊り子、インディアン娘、バニー風赤ちゃん、自由の女神

ジャコウ・ランタン

 大人や若者は、月末を待たずに仮装パーティーなどを楽しみます。レキシントンでは、市の公園管理局が真夜中に肝試しをするんですよ。昔々、勇気ある日本人少年が参加ししたものの、あまりのすごさと怖さに逃げるように帰宅したのだそうです。

 ハロウィーンの玄関先の飾り付けには「ジャコウ・ランタン(Jack o' Lantern=ランタン男)」が付き物です。本来は、夜中にランタン(角灯)を持って見回りをする夜警さんのことでした。ハロウィーン発祥の地アイルランドやイギリスでは古くからカブなど根菜類を繰り抜いたランタンが使われていましたが、カボチャ製に改良してハロウィーンに使い出したのはアメリカ人のようです。

 ジャック(ジャコウ・ランタン)については、(バリエーションは様々ですが)童話風のお話の中で、悪賢いけれど憎めない小悪党として伝わっています。その一つをご紹介しましょう。

 死が間近に迫ったことを告げにジャックのもとを訪ねた悪魔を、ジャックは作り話でだまします。「悪魔さん、それはちょっと待ってください。私は、今、村からものを盗んで追いかけられているところです。(悪魔にとってはけしからん)信心深い村人たちを懲らしめるために、銀貨に化けてくれませんか? 私が、村人にひとまず謝って、弁償として(悪魔が化けた)銀貨を渡しますから、その後で消えて逃げてください。どんなに正直な人ばかりでも、誰が銀貨を盗んだのかお互いを疑って、村中で大喧嘩になるでしょう」…悪魔は、ジャックの話に二つ返事で乗ってしまうのです。

 悪魔が銀貨に化けてジャックのお財布に飛び込むと、中には十字架が入っていました。すかさずジャックは、お財布の口を固く閉めたので、悪魔は力を失って閉じ込められてしまいます。困った悪魔は二度と地獄に連れて行かないことを約束して、ジャックに解放してもらいました。

まず頭部を切り取ってふたにします。次にカボチャの中をきれいにお掃除します(上)。目鼻口をつけて完成です(左)。

 さて、そのジャックにも、とうとう本当に死ぬときがやってきます。ジャックには、もちろん天国に行けるような資格はありません。地獄にも行けず、暗闇の中で困ったジャックが悪魔に相談すると、悪魔は冷ややかに永遠に消えることのない地獄の炎の燃えさしを放り投げてよこしました。ジャックは、大好物のカブを彫ってランタンを作り、安らぎの地を求めていつまでも地上をさまよっているのだそうです。

 私たちは、カナダで子供たちがまだ幼稚園に通っていた頃には、毎年、本物のかぼちゃをくり抜いて「ジャッコウ・ランタン)」を作っていたものです。ハロウィーンの晩に玄関に飾り物を出しておくのは、子供たちに「お菓子あげます」のサイン…本物作りは面倒ですが、スーパーやおもちゃ屋さんで、何か買ってきてはいかがですか?

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