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アメリカ生活・e-ニュース

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2006年11月15日(第5号)2006年12月15日(第6号)抜粋

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ウェット vs. ドライ…酒類販売免許のお話

 大晦日は日曜:あなたの町ではお酒が飲める?

 年末年始にはお酒が付き物…そこで、トップの記事(寄稿)で飲酒運転についてご注意したついでに、もうひとつアルコールの話題です。

 レキシントンやルイビル、ノーザン・ケンタッキーなど都市域に越してきた皆さんは、お酒飲みの方でも「日曜日にアルコールが買えないのは不便だな〜」くらいで納得しておられることでしょうが、田舎に住むと、さあったいへん、レストランでは飲めないし、酒屋さんがないので遠くまでアルコールの買出しに出かけなければならない地域がたくさんあります。

 日本に比べると、欧米諸国ではアルコール依存症が社会問題化しており一般的に規制も厳しいのですが、アメリカの場合には特に宗教的な背景もあります。聖書が(直接)飲酒を禁じていなくても、南部や中西部のプロテスタント各派の中に、清貧な生活を送るため信者に飲酒を控えるよう「誓約」を求めている教会も少なくないようです。

 ちなみに、あの悪名高い「禁酒法」は1920年に施行され、1933年に廃止されました。酒類の製造、販売、輸送は駄目でも、家庭での飲酒はOKだったそうです。ケンタッキーのバーボン工場は閉鎖されましたが、カナディアン・ウィスキーと密造酒が成長しました。シカゴのアル・カポネ一家を有名にした映画「アンタッチャブル」は密売を取り締まる財務局捜査官ネス隊長の物語です。

 さて、ケンタッキー州には全部で120のカウンティーがあるそうですが、そのうちアルコール販売が全域で自由な「ウェット」カウンティーはたった4分の1の30で、反対に全面禁止の「ドライ」カウンティーが半数近い53にも上ります。下の表で「お湿り(MOIST)」とあるのは市域だけはウェットなドライ・カウンティー、「一部レストラン限定」は客席が100以上で飲料を除く食事が少なくとも売上の7割を占めるレストランに限って許可するカウンティーで、ジョージタウンのあるスコット・カウンティーも近年住民投票で規制緩和されたばかりです。カウンティーの外れはたいてい辺鄙な場所ですが、「ドライ」と「ウェット」の境界には、必ずと言っていいほど酒屋があるのはユーモラスです。

 今年の大晦日は日曜日です。日本ほど特別ではありませんが、ケンタッキーにも、新年を飲んで騒いで迎えたい人は多いようで、大晦日にアルコールが売れるか売れないか、その都度、喧々諤々の議論になるようです。皆さんには、特に深刻な問題ではないことでしょうが、12月10日のレキシントンの新聞(Herald-Leader)に各市の対応が出ていましたので、ご紹介します。興味本位でお読みください。

市名 通常の日曜日 今年の大晦日
Lexington 酒屋とバーは終日お休み。飲料以外の売上が5割を越すレストランは午後1時〜11時。一部ホテル等は午前2時30分まで可。 バーもレストランも午前1時まで開けていられますが、午後11時以降はビールとワイン・クーラー以外の酒類は提供できません。
Louisville バーやレストランは通常午後12時、許可を取れば午前2時または4時まで営業できます。酒屋は日曜日も午後1時から9時まで営業できます。 大晦日も同じ。
Frankfort アルコール販売はできません。  例外として許可されます。
Georgetown アルコール販売はできません。  扱いを協議中です。
Nicholasville ドライ・カウンティー  
Richmond アルコール販売はできません。   
Winchester アルコール販売はできません。   
Paris アルコール販売はできません。   
Covington 日曜日のアルコール小売免許を持っているお店は午前1時まで、さらにナイトクラブ免許を持つバーは午前2時30分まで営業できます。  
Bowling Green 100席以上で飲料以外の売上が5割を越すレストランに限り、午前2時までアルコールを提供できます。 大晦日も同じ。
Paducah 扱いを協議中です。
Henderson 午後1時から9時まで販売できます。 午前2時まで販売できます。
Lebanon   午後2時から午前1時まで酒屋を除くアルコール販売免許を持つお店で酒類の提供を認める方向で検討中です。
Mayfield   レストランは午後5時から午前2時までの販売許可を州政府に申請することができますが、今のところ誰も申請していません。