地球温暖化対策には逆行するようですが、ケンタッキー州内インターステートの(最高)制限速度が時速65マイルから時速70マイルに変わります。でも、一般道路の制限速度は変わりません。気が短かめの方々は過剰な期待をしないでください。
全米各州のスピード制限(最高速度) |
全米を州別で見ると、右の図のように、西高東低の傾向があります。ケンタッキー州は65マイル州と70マイル州に囲まれていましたが、I−75の6車線化も進み、世論に押されるままに制限緩和に踏み切ったのでしょう。
ハワイの制限速度は時速60マイルと全米最低ですが、そもそもインターステートがあるのでしょうか?…答はイエス:オアフ島には「I」ならぬ「H」で始まるハワイアン・インターステートが4本あるようです。
テキサスでは、カウンティー毎に速度制限が違います。1平方マイル当りの人口が15人以下のカウンティーには、全米最高の時速80マイルが適用されています。
もともと速度制限は州政府の裁量でした。1973年の石油ショックを機に、連邦議会がガソリン消費の節約のため全米で最高時速を55マイルに限った後も連邦法を無視する州が少なくなかったようで、議会も1987年には規制を65マイルに緩和し、さらに1995年には、結局、昔のように「各州のお気に召すまま」に戻したそうです。
州別のトピックスで面白いのは、ロッキー山脈の(米国内)北端モンタナです。95年12月から3年間、速度制限のない時代がありました。と言っても、左の標識のように「Reasonable(無理なく)
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Prudent(分別のある)」スピードで運転するように定められていたため、96年の3月に時速85マイルで運転していたドライバーがスピード違反で切符を切られる事件が起こったそうです。でも、このドライバーは、州の最高裁に上告して98年12月に「数字で明示しない速度制限は州憲法に違反する」として無罪を勝ち取りました。モンタナが時速75マイルの制限速度を制定したのは、その直後のことです。