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アメリカ生活・e-ニュース

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2007年8月15日(第14号)

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ミネアポリス(I-35W)の橋はまだ40歳

 他人事ではありません…全米で緊急点検

 ご存知のように、8月1日のラッシュアワー午後6時に、ミネソタ州ミネアポリスの大動脈 I-35Wの8車線の橋が崩落しました。渋滞の最中で、約50台の車が川に落下したと見られ、今日(12日)までに8名の死亡が確認されています。

 ミネソタ州は、古くから毛皮の交易で栄え、サトウキビ、とうもろこし、グリンピースなどの農業と七面鳥の養殖が盛んな全米でも個人所得9位の豊かな州です。ミネアポリスは上(アッパー)ミシシッピー川最大の都市で、大リーグ球団ミネソタ・ツインズの名で知れるように、隣のセント・ポール市と併せてツイン(双子)シティーズと呼ばれています。

 アメリカには約59万6千の橋があり、崩落したI-35Wの橋を含めてほぼ8つに1つが構造欠陥を持つそうです。ただ、直ちに架け替えが必要とまでは診ていなかった壮年期(1967年落成)の橋が一瞬で全壊しただけに、関係者も事態を深刻に受け止めています。米国運輸省は、崩落した橋と同様に橋脚にトラス構造を用いた全米約750の橋の緊急点検を指示しました。ケンタッキー州では、トラス構造の有無に関わらず、500フィート(150m)超で、運輸省が構造的欠陥を指摘している38の橋を再点検します。

 

 中でもルイビル地区では、オハイオ川にかかるケネディー・ブリッジなどI-64とI-65関係で8橋、その他を含めると11橋が点検対象。ノーザン・ケンタッキーではオハイオ川のL&Nブリッジとローブリング・サスペンションブリッジにリッキング川の4thストリート・ブリッジ、フランクフォート付近ではI-64のケンタッキー川ブリッジが点検対象。レキシントンでは、長さが短いので緊急点検の対象ではありませんが、ニューサークル環状線北西部の3つの陸橋が構造欠陥の指摘を受けているのだそうです。

 アメリカは、これまでにも巨大な橋の崩落事故を2回経験しています。最初は、1940年11月7日、西海岸のワシントン州で、完成後わずか4ヶ月のタコマ峡ブリッジが強風にあおられて一時間揺れた末に崩壊しました。橋脚間の長さに比べ橋が極端に細い設計に問題があったのですが、当時の技術水準では危険が予測できなかったのだそうです。渡橋中のドライバーは間一髪逃げて、人的被害はありませんでした。揺れ始めてから崩壊するまで一部始終の生々しい映像が記録されています。              

The collapsed Silver Bridge, as seen from the Ohio side 次は、1967年12月15日にケンタッキー州境から北東に30マイル上流にあるオハイオ川のシルバーブリッジです。この吊り橋は、今回崩落したミネアポリスの橋と同じくほぼ40年で壊れてしまいました。橋を吊るメインケーブルに、鋼線をロープのように撚り合わせた普通のケーブルに替え細長い鋼板を何枚もピンでつないだ新方式のチェーンを使った設計は、建設当時、最先端技術の応用として絶賛されたそうです。しかし、39年後の崩壊は、その鋼板の腐食が原因と見られています。クリスマスショッピングの交通渋滞の最中、31台の車両が川に転落し、46人が死亡したのだそうです。 

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