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2008年4月15日(第22号)

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ケンタッキー州政府は民主党の手に戻りました

 ベシアー候補が現職の共和党知事に圧勝

 11月6日の州知事選挙で、民主党のベシアー候補が共和党で現職のフレッチャー知事に圧勝して、12月11日に新知事に就任することが決まりました。

今回選挙

前回選挙

今回選挙

前回選挙

ドライ・カウンティー(赤)

ケンタッキーの炭田地帯

 公的な決まりはないのですが、図表で色分けする場合に共和党は赤、民主党は青で表すのが慣習です。右に、今回と前回選挙のカウンティー別投票結果を示す図(黒の背景)を載せましたが、色が濃い方から30%以上の大差、15〜30%差、5〜15%差、5%までの僅差でそれぞれの党が勝ったことを表しています。

 この2図を比較して見ると、民主党が大勝した今回の選挙でも共和党が粘ったセントラル・ケンタッキー南部などのカウンティーが共和党の揺るがぬ地盤で、逆に前回選挙で民主党が取ったイースタン・ケンタッキーの大部分とウェスタン・ケンタッキーの一部のカウンティーなどは安定した民主党の地盤と言えそうです。

 私が興味を持ったのは、それぞれの党の勢力範囲とドライ・カウンティーの分布の関係です。右下にドライ・カウンティーの表を載せましたが、赤はドライ(酒販禁止)、青はウェット(酒販OK)、緑はモイスト(お湿り=一部OK)のカウンティーを表しているのですが、共和党が圧倒的なカウンティーはドライ、民主党が牛耳るカウンティーは大方ウェットかモイストという法則が成り立ちそうです。これは、共和党支持者の多い地域には飲酒に否定的なバプティスト教会の教えが浸透していることを示しているものと、私は考えています。

 もうひとつ特徴的なのは、伝統的に民主党が強い地域に東西の炭田地帯が重なることです。これも私の推論ですが、これらの地域の炭鉱労働者の間に民主党支持層が拡がったのではないでしょうか。特にイースタン・ケンタッキーでは、民主党のジョンソン政権が1964年以降「貧困との戦い(War on Poverty)」でアパラチア地方の開発に取り組んだのも一因かもしれません。

 共和党が8期(32年)ぶりに勝った前回選挙があったのは2003年11月のことです。この年3月に始まったイラク戦争の戦闘は短期で終わりアメリカの世論も戦争に肯定的でしたから、ブッシュ政権は共和党勝利の強い追い風となりました。今回は、来年の大統領選挙を控え反戦気運の高まる中、もともと共和党には勝ち目の薄い選挙だったのでしょう。

 副知事(Liutenant Governor)は、大統領選挙の副大統領(Vice President)と同様に、知事候補とセットで立候補し当選します。州には16の行政局がありますが、うち5局のトップは選挙で決まりますから、必ずしも州知事と同じ政党から出るとは限りません。

 後の11局のトップは知事が任命します。フレッチャー知事の縁故採用で問題になった交通局(Transportation Cabinet)については、局長(Secretary)をはじめとする新幹部が早速内定しました。

 ケンタッキーの州知事選挙が終わり、来年はいよいよ大統領選挙です。日本のメディアも報道するように、今回は多くの州で予備選挙が前倒しになり早くから選挙戦が白熱しています。1月3日のアイオワ州党員集会に始まり、2月5日のスーパー・チューズデイで、両党の大統領候補が絞られてくることになるでしょう。

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