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2008年7月15日（第25号） |
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中西部の穀倉地帯が大洪水に襲われました
アメリカの中西部は、コーン･ベルト、グレーン･ベルトと呼ばれ、世界でも有数の農作物の生産基地です。食料価格高騰の折から、私も庶民を代表して中西部の豊年満作を祈願している次第ですが、その矢先、6月の多雨で、アイオワ州、ウィスコンシン州、インディアナ州を中心に大洪水が発生してしまいました。今のところ、今年のとうもろこしの作付面積に大きな影響は出ていないようですが、まだまだ先行きが心配です。
左の図は6月1～15日の各地の降雨量を示す地図ですが、多い地点（紫色）では14～16インチ（350～400㎜）を記録したそうです。台風の影響で東京が2004年10月に記録を更新した月間780㎜に並ぶペースといえば分かりやすいでしょう。 五大湖の沿岸部だけは例外ですが、中西部に降った雨にはミシシッピー川を下ってニューオリンズでメキシコ湾に注ぐまで出口がありません。ミシシッピー川の流域では、上流に至るまで平坦な土地が続き、もともと「巨大な水たまり」ができやすい地理的条件なのです。 全米各州の最高地点と最低地点の標高差を比較する表を作ってみたのでごらんください。東部の小粒な２州を除けば、湿地帯が多いフロリダとミシシッピー川河口デルタのルイジアナ、ミシシッピー両州に続くのは、いずれも中西部の中核の諸州です。 全米50州の標高差ランキング（標高差が小さい上位抜粋） （⇒全50州の表）
被災状況は、言葉で説明するよりも、下の地図をごらんいただいたら一目瞭然でしょう。今回の一連の洪水で激甚災害宣言（Disaster Declaratioｎ）が発令されたカウンティが色分けされています。ついでに、黄色で表示した地点の写真もご参照ください。中西部では、昨年（2007年）の8月にも大洪水が起きたばかりです。1993年にセントルイスなどミズーリ州を中心に襲った洪水は、史上最大の洪水のひとつに数えられています。
洪水写真集 （写真をクリックすると拡大します）
日本の洪水はたいてい台風や集中豪雨とともに起きるので心構えもできますが、アメリカの洪水はスケールが大きいものからフラッシュ・フラッド（flash Flood)と呼ばれる鉄砲水まで、突然やってくることがあるので気をつけてください。身近な例では、私たちが住むケンタッキー州のレキシントンで、一昨年、ダウンタウン付近の道路が冠水しタクシーを降りて歩いて渡ろうとした女子大生おふたりが流されて落命しました。都会でも、中西部以外でも、洪水の危険は日本と比べものにならないので、くれぐれも油断なさらないようお願いします。 |
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今年のとうもろこしや大豆、穀物の収穫は大丈夫？
