番外編?…くせのあるオーブンでも失敗しないレシピ
ご近所のアメリカ人にあげたら喜ばれるカステラ
書くのが苦手というので代筆しますが、このコーナーは私の妻=満里の担当です。テレビでもインターネットでも美味しそうなお料理のレシピが氾濫していて、もう結構という気もしますが、このコーナーでは、満里が北米生活20年の間に先輩や仲間の駐在員の奥様やアメリカ人の友達に聞いて覚えた「アメリカで暮らす日本人」にお勧めのレシピを紹介します。
…と、いつもは手軽なレシピをご紹介していたのですが、今回は、満里が昔なじみのレシピで久しぶりにカステラに挑戦したところ、オーブンでふっくらとふくらまなかったので、さあっ大変。完全に壊れたわけではなさそうですが、さてはオーブンが歳をとって温度調整が甘くなってきたのでしょうか?貸家やアパート住まいの皆さんも、家が変わればオーブンの「くせ」も違います。早くマイ・オーブンの「くせ」を見抜いておいしいお料理を作ってください。
早速、オーブン用の温度計をウォルマートで買ってきて、温度変化を調べてみました。温度計を置く場所によっても温度差はありますが、華氏350度に設定した場合の庫内中央の温度変化をグラフにしてみましたのでごらんください。
庫内温度計($3.50) |
わが家のオーブンは、華氏で25度(摂氏で12度)=設定温度と最高温度の差が少し大き過ぎるようです。庫内温度が設定温度まで上がるのには10分かかりました。そこで、お料理は素人の私も加わって、どんなオーブンでも失敗しないカステラのレシピ作りを研究することになりました。残念ながら超簡単レシピではなくなりましたが、おやつの命は味と食感ですから、今回は我慢してください。
工夫したのは3点、材料と混ぜ方と焼き方です。まず、当初予定したレシピの切り札は「クリームオブターター(Cream
of
Tartar=酒石酸水素カリウム)」…日本でも売っていますが、日常お使いになっている方は多くないようですね。卵にこれを加えてかき混ぜるとしっかりしたアワができて、普通(All
Purpose)の小麦粉でもふんわりふくらむはずでしたが、今回は、タンパク含有量の高い強力粉(Bread
Flour)を使用して万全を期すことにしました。
混ぜ方も、卵を単純に短時間かき混ぜるだけのつもりでしたが、卵白を分けて先に念入りにかき混ぜることにしました。インターネットで調べてみると、卵白を分けるかわりに湯煎してあわ立てるレシピもたくさん見つかります。
焼き方は、今回の最重要ポイントでした。オーブンの庫内温度が設定温度より高く上がりすぎてカステラがふくらむ前に表面ががっちり固まってしまったのが、最初の失敗の原因と考えられます。そこで、満里のお友だちのレシピを採用して、1分焼いた後に一度取り出し、少し温度を下げてからあらためてじっくり焼くことにしました。
カステラ(Castella)は、ポルトガル伝来とはいえ日本のオリジナル・ケーキ…ご近所のアメリカ人にあげたら珍しくて喜ばれること間違いありません。
e-レシピ
第8回 「くせのあるオーブンでも失敗しないおいしいカステラ」
≪材料≫
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8
X 8 インチ大のケーキ型を使用する場合
(20X20p)
☆
卵
5個
☆
クリームオブターター 小さじ 1/2
(Cream of Tartar)
☆
強力粉
(Bread Flour) 100
g
☆
砂糖
200 g
☆
みりん
大さじ 2
*ターター(Tartar)=酒石(ワイン樽にたまる沈殿)
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≪作り方≫
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@ あらかじめオーブンを350°F(約175℃)に予熱しておく。強力粉、砂糖、みりん、クリームオブターターを計量しておくと、要領よく調理できる。 A 卵を白身と黄身に分け、卵白にクリームオブターターを加える。 |
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B 砂糖を数回に分けて加えながら、泡だて器を高速回転にして5〜6分しっかりかき混ぜ泡立てる(表面に字がかけるくらいが目処)。
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C あらかじめ軽く溶いた卵黄とみりんを加え、ざっとかき混ぜる。
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D 引き続き、強力粉を数回に分けてふるいで加えながら混ぜる。泡を消さないように、ゴムベラで混ぜる人もいるが、泡だて器を中速回転で使えば問題ない。強力粉がしっかり溶け込めば十分。
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E ケーキ型にワックスペーパーを敷き、材料を流し込む。気泡が気になるようなら、ケーキ型を台の上に落とした衝撃で消す。
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F 材料を、あらかじめ350°F(約175℃)に暖めておいたオーブンに入れて1分焼く。
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G
熱いから注意!!
材料をいったん取り出して、オーブンの温度設定を325°F(約160℃)に変える。材料の周りにヘラを垂直に入れてケーキ型の縁と切り離す。
H
325°Fに再設定したオーブンに戻し、約30分様子を見ながら焼く。串を刺し、何も付いてこなくなれば出来上がり。
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I
熱いから注意!!
オーブンからケーキ型を取り出し、ヘラやバターナイフなどでカステラの縁を切り、さかさまにしてまな板などの上に空ける。
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J 切れば完成。ラップで包んで1日置くとしっとりしたカステラになる。
…待てなければ、すぐにお召し上がりください。
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