冬に多いガレージドアの故障⇒まず原因を確認しましょう
ねじりバネ破断の場合は手動で無理に開けないこと
冬の寒い日には、暖房ばかりでなく思いがけない故障や事故が起きるものです。ガレージドアの故障もその一つ…故障の原因を知らずに手動で力まかせに引き上げると、左右のレールが折れ曲がって重いドアが頭上に落下してくるおそれがあります。ガレージに駐車中の車があれば一瞬でポンコツ、人身事故なら、おどすわけではありませんが、命に関わるほど危険な事態です。
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ねじりバネの軸とワイヤ |
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ワイヤと赤外線センサー |
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金属疲労と寒さで巨大ねじりバネが破断 |
ガレージドアが開かなくなったり閉まらなくなったりするトラブルの原因は、次の三つに大別できます。 第一は、車や人がドアに挟まれることがないよう安全を確認するための赤外線センサー(両脇足元)の向きが狂っただけの故障。これは、皆さんがセンサーの方向を微調整するだけで直ります。 次は、モーターが故障したり、モーターが動いてもドアの車とレールのすべり具合が悪くなって途中で引っかかってしまうケースです。この場合は、赤いひもを引いていったん手動に切り替えると(軽い力でも)男性なら容易に開け閉めできます。モーターには出力を調整をするダイヤルがついていますが、素人がいじるとトラブルが大きくなるかもしれませんから、大家さんや業者を呼んで修理してもらいましょう。ドアによっては内側からロックする留め金が付いていますが、なければ、防犯のため、ガレージへの出入り口をしっかりロックするよう心がけてください。
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ねじりバネ式ネズミ捕り |
さて、今回の記事の主要テーマは三つめの種類の故障です。皆さんは、ガレージの入口上部の鉄棒に何やら黒っぽい円筒形の物体が巻きついているのをご存じでしたか?片手で動かせるからガレージドアは軽量だろうと思い込んだら大間違い。この物体は、実は、とてつもなく重たいガレージドアを微力で開閉することができるように取り付けられた「巨大ねじりバネ」なのです。 バネは、長い年月の間に金属疲労を起こし、特に気温の低い冬の日に破断します。破断が起きるのは、多くの場合、(ドアの加重がバネにフルにかかる)閉まる直前の瞬間ですが「ドーンッ」と大きな地響きが鳴るでしょう。ねじりバネは左右2本でワンセットですが、一方が破断しただけでもドアは重くてモーターでは動かせなくなります。手動でも並の力では持ち上げられないのですが、それを馬鹿力で開けようとすると、破断した側のサイドレールに想定外の加重がかかり、冒頭でご説明の通り、レールがひしゃげてドアが頭上に落下してくるわけです。
ガレージドアの仕組みがよく分かる動画がありましたのでごらんください。この動画では、素人が自分で修理できるように言っていますが、万一、失敗したらたいへんな事態になってしまいます。できれば、修理は専門家に任せましょう。 車が中に閉じ込められ外出ができなくなってしまったら、業者に事情を説明して応急処置に駆けつけてもらいましょう。逆に、ご家族全員が外出中に事故が起きるとガレージからは家に入れなくなります。転ばぬ先の杖…(普段は使わなくても)玄関ドアの鍵は所持して外出なさる方がよろしいでしょう。
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