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2010年2月15日(第44号)

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アメリカの水道水の水質と浄水器について…A

 冷蔵庫でできた氷の「白いもの」はミネラルです

冷蔵庫のアイスディスペンサー

 日本にも自動製氷器付きの冷蔵庫が増えたようですが、日本は給水タンクに汲んだ水で製氷されるのに対して、ご存知のように、アメリカの冷蔵庫は水道管に直結していて水道水が製氷される仕組みです。

冷凍庫の製氷室内…自動製氷の切替え

 先日、私たちの近所にお住まいのご夫婦から「氷に白いものが混じっているが、冷蔵庫の故障ではないか?」というご照会がありました。ケンタッキーの地層は石灰質でミネラルを多く含んでいますから、カルシウムやマグネシウムが氷の中に白く残るのはごく普通ですが、そのご夫婦は浄水フィルター付きの上等な冷蔵庫をお使いで、しかもフィルターは頻繁に取り替えておられるとおっしゃるので、私も不思議に思って原因を追究してみました。

氷の貯蔵容器

 調べてみると、解答は実に単純でした。ミネラルは「不純物」ではありませんから、浄水フィルターではろ過されずに素通りしてしまうのです。そもそもミネラルウォーターが珍重されるのはミネラルを多く含んだ水がおいしいからです。ウィスキーのオンザロックに白いゴミのようなものがただよっていては見た目おいしくありませんが、健康的には害がありません。

 アメリカ人に解決策を聞くと「氷を頻繁に入れ替えるといい」という回答が返ってきました…自動製氷を止めて古い氷を庫内に留めておくと臭いが移って氷が臭くなるのは事実ですが、新しい氷だからといってミネラルを含んでいる限りは白いものがなくなるという保証はありません。ボトルの水を買ってきて冷凍庫で凍らせても、ボトルの水がミネラルウォーターであれば同じことです。

 冷凍庫の氷を入れ替えるときには、指先にケガをしないよう貯蔵容器についているかき氷の刃に気をつけてください。


 アメリカでも日本でも数え切れない種類の浄水器と、製水器、活水器、還元水生成器など様々な名前が付いた水質改善機器が売られています。お値段も数十ドルから数千ドルまでとピンキリですが、いったい何を買ったらよいのでしょう?

 調べれば調べるほど分からなくなるようなところもありますが、水質改善機器の機能評価のポイントがいくつあるのかは整理できました。@塩素化合物や有機系の有害物質の除去能力、Aミネラルの増減、BPH(酸・アルカリ)の強さ、Cミステリアスな機能の4点です。

 一般の浄水器(Water Purifier)は、活性炭やフィルターを使って、塩素化合物や有機系有害物質および微生物を除去する機器です。具体的な浄水機の性能については、メルマガ第39号「浄水器の性能比較」をご参照ください。ミネラルは水中に残留します。

 逆浸透膜(Reverse Osmosis)浄水器というのは、「浄水」の文字通りに「純水」に近い水を生成するのですが、実は、皮肉なことに、ミネラルを含まない味気ない水というのが難点です。

 アルカリイオン還元水生成器は、水を電気分解して陰極に集まる弱アルカリ性の水を取り出したもので、健康に良い、料理がおいしくなる、洗浄効果が高いなどと宣伝されています。普通は浄水器と一体になっているはずです。

 ほかに、水に、ミネラル系の成分を増やしたり磁場を通過させたりして特殊な「機能」を持たせたとする浄水器が様々な名前で売られています。科学的な説明がなされていない高額商品も多いので、ご購入の際には、事前に十分ご検討ください。