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アメリカ生活・e-ニュース

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2011年8月15日(第62号)

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交錯ダイヤモンド型立体交差が流行り始めました

 覚えておこう!! 「ミシガン左折」と「テキサスUターン」

 私たちの家の近所に、交錯ダイヤモンド型立体交差(DDI = Diverging Diamond Interchange)ができました。聞きなれない名前ですが、ヨーロッパでは1970年代から存在していたそうです。アメリカでは、2009年からミズーリで3ヶ所とイーストテネシーとユタで各1ヶ所のインターチェンジに導入されていますから、我がケンタッキー州レキシントンの交錯ダイヤモンド型立体交差は6番目になります。

=== 信号のない立体交差 ===

 立体交差の方式は数限りなくありますが、高速道路を何層も重ねて車をスムーズに流す理想的な立体交差は多重立体交差(Stack IC)と呼ばれています。

 クローバー型(Cloverleaf IC)も信号のない立体交差ですが、進入車線と退出車線が共用ですから、入ってくる車と出ていく車が交錯して少し危険です。交通量が少ない田舎の高速道路には、さしづめ「ダンゴ型」とでも呼びたい簡略クローバー型のインターチェンジがありますが、進入・退出車線が短くて、大型トレーラーとかちあったりすると間合いを取るのに苦労します。

多重型

クローバー型

簡易クローバー型

=== ダイヤモンド型立体交差 ===

 さて、今回の本題の立体交差はダイヤモンド型の変形です。ダイヤモンド型は、高速道路と地域の幹線道路が交差する場所でよく使われます。何といっても場所を取らない点が長所ですが、信号で幹線道路の交通を渋滞させてしまうのが難点です。比較的交通量の少ない所では、一点ダイヤモンド型(Single Point Diamond IC)を導入すると車の流れがよくなります。しかし、交通量が多い所ではどうして渋滞を解消しましょう?…そこで、答として登場したのが交錯ダイヤモンド型です。現在、ケンタッキー州レキシントンの市内環状高速ニューサークルロードとハロッズバーグ通が交差する地点で工事しています。

ダイヤモンド型

交錯ダイヤモンド型

一点ダイヤモンド型

運転シミレーション

ダウンタウン⇒郊外/環状線外回り⇒ダウンタウン/環状線外回り⇒郊外/郊外⇒ダウンタウン/環状線内回り⇒郊外

 市内幹線道路の左右をよじるように交錯させると信号が2つあっても車の流れがスムーズになるようです。論より証拠…右の動画をごらんください。こちらは、完成予想CG詳細説明もごらんください。

 アメリカで最初に誕生したミズーリ州スプリングフィールドの交錯ダイヤモンド型は、レキシントンと逆で高速が市内幹線道路の下を通っているケースです。

 交通事故を減らす効果も期待できるとのことですが、市民が慣れるまで、最初の半年は逆に事故が増加することも予想されています。

 それを避けるには、まずイメージトレーニングが大切というわけで、道筋5コースの運転シミレーション動画まで用意されています。

=== ミシガンレフト ===

 ところで、北米には、立体交差以外にも、渋滞防止を目的とした特殊な交差点や交通ルールが設けられています。優秀な「ナビ」さえあれば大丈夫とはいうものの、運転するのは貴方…「ナビ」に不思議な進路を指示されてあわてることのないように、今のうちに勉強しておきましょう。

 最初にご説明するのは「ミシガンレフト」。「左折」で車の流れが滞らないように、「左折」を「右折」と「Uターン」に分解した交差点です。左折車は、交差点で直接左折することを禁じられ、まず@右折してUターン専用レーンに入り、次にAUターンしてもとの交差点を直進で通過します。

 一般的に中央分離帯で仕切られた複数レーンの道路が対象。最初は1960年代にデトロイトで始まり、ミシガン州では700以上の交差点で「ミシガンレフト」が採用されています。最近は海外や他州からも注目されるようになり、2010年にはテキサス州ダラス‐フォートワースで、日本人の皆さんも多数住んでおられるプレノ市の交差点(⇒Googleマップ)で導入されています。

ミシガンレフト…他州では「ミディアンレフト」と呼ばれることが多いようです。

 === テキサスUターン ===

 さて、次は「テキサスUターン」。テキサスの大都市の高速道路は、地表より一段掘り下げた谷を走っていることがよくありますが、このような場所では、昔の道路が高速道路の左右に側道として残されています。高速道路の向こう側に渡るには次に交差する一般道路でUターンするしかありませんが、それでは一般道路の車の流れが妨害されてしまいます。

 そこで、一般道路の手前にUターン専用レーンを設けました(⇒Googleマップ)。ダラス‐フォートワースやヒューストン、オースティン、サンアントニオ、エルパソなどテキサス州の都市のほか、オクラホマ州のオクラホマシティやタルサ、ミシシッピー州ジャクソン、ルイジアナ州ニューオリンズ、ジョージア州アトランタ、ミズーリ州セントルイス、アーカンソー州リトルロックで導入されています。

 === ロータリー交差点(ラウンドアバウト) ===

 「ラウンドアバウト」は、ヨーロッパで50〜60年前から普及してきた信号のないロータリー交差点…アメリカでは、「信号付き」はあっても、「信号なし」は田舎町でブロードウェーとメインストリートが交差するダウンタウンの中心にあるくらいでしたが、各地で少しずつ増えています。

 車線が一本の「ラウンドアバウト」はあまり問題ないのですが、車線が2本になると内側のレーンの車と外側のレーンの車が互いに注意深く運転しないと交錯して事故が起きてしまいます。

内側は直進・左折・Uターン、外側は右折・直進のレーン

 わが家の近所のラウンドアバウトでも、できて間もなくは交通事故が多発しました。私は、なるべく危険回避の自由度の高い外側のレーンを選んで運転しています。

 もっとも、中には内外のレーンの棲み分けを指定しているラウンドアバウトもありますから、標識突然出くわして狼狽しないでください。「ナビ」なしで初めての観光地に車で出かけるなら、Googleマップなどで事前調査をしておきましょう。ラウンドアバウトが十字路ではなくて、五叉路や六叉路だったりすると、頭がパニックになってしまいますよ。


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