海外赴任、留学、国際結婚…北米に住む日本人の皆さんのアメリカ生活をゆたかにするメールマガジンです。四季折々のタイムリーな話題や各地のお買物や観光の情報をお届けします。検索ボタンで姉妹サイト「アメリカ生活・e-百科」のワード検索も一緒にできます。

発行者: KJBusiness Consulting, LLC  電話:(859) 223-6449 Eメール:info@jlifeus.com  HP:www.jlifeus.com

2014年3月15日(第93号)


ネコやリス、モグラ、アライグマからネズミまで

 庭や屋内に出没するクリッター(小動物)対策

北部短尾トガリネズミ (Northern Short-Tailed Shrew)
東部モグラ (Eastern Mole)

 知人の家にモグラが出て、奥さんが手を噛まれてしまいました。確かにモグラの仲間ですが、唾液に毒を持っているトガリネズミと呼ばれる小動物です。

 ものの本にはケンタッキーに生息している北部短尾トガリネズミは体長11〜14pとありますが、今回捕えたトガリネズミは一回り小さく、まだ子供だったのかもしれません。

 傷は浅かったのですが、すぐにお医者さんにかかり、狂犬病のワクチンを接種してもらいました。破傷風ワクチンは以前に接種していたので今回は不用でしたが、接種後10年以上経過していれば接種を勧められたものと思われます。


 害獣退治の専門業者


 モグラの仲間は地中の生き物を食べて暮らしているので、屋内に侵入することはまず考えられません。家周りの修理を専門にしているハンディマン(便利屋さん)も、今度の事件には首をかしげていました。今年は特別寒い冬でしたから、動物も訳が分からなくなってしまったのでしょうか?

 リスの仲間が屋内に侵入することはよくありますが、普通はガレージ経由で、人が気づかずに招き入れてしまうケースです。また、リスやトリが屋根の隙間から侵入して屋根裏に住みついたり、アライグマ(ラクーン)が煙突の中に住みついたりすることもたまにあります。

 CDC(疾病予防管理センター)によれば、狂犬病の感染者は今では全米で1年に片手で数えられるほどの人数に減っていますが、毎年7000匹近い動物の発病が確認されています。2010年の数字では、うち92%は野生動物で、内訳はアライグマ36.5%、スカンク23.5%、コウモリ23.2%、キツネ7.0%、げっ歯類などその他の動物1.8%でした。

 破傷風の方は、2001〜08年の8年間で233例が報告され、うち197例は死に至っています。毎年1千万人に1人の割合ですから、無視してかまわない数字のようにも見えますが、全身の強直性痙攣をひき起こして死亡する恐ろしい病気ですから、できることなら予防接種しておきましょう。普通は医療保険でカバーされているはずです。

 万一これらの動物に身体の一部を噛まれた場合は、ただちに傷口を水で洗い流した上で、お医者さんに駆けつけましょう。噛まれた動物の種類は重要な情報ですが、自信がないのに間違った動物の名前をいうのは、もっといけません。

 素人の手で簡単に小動物を追い出すことができない場合は、害獣退治の専門家に頼みましょう。クリッター・コントロールという全米チェーンは、ワニやヘビから、ヤマアラシやアルマジロまで、全米各地の多彩なニーズに対応しています。クリッター(Critter)は人々に身近な動物を指す言葉。生き物=クレーチャー(Creature)がなまったんだそうです。


ネコや害獣を追い払う


 病気もこわいし屋内で暴れ回られるのもイヤですが、害獣ばかりでなく放し飼いのネコにフンをされたり庭の花木や野菜畑を荒らされるのもイヤです。これを防ぐには網を張る物理的な方法もありますが、Liquid FenceHavahartMessinasなどのメーカーが、シカやウサギ、イヌやネコ、リスやアライグマ、モグラ、ヘビなどを、動物ごとに嫌いな臭いで追い払う散布剤を売っていますから、使ってみてください。

 小動物の多くは、ナフタリン系防虫剤のモスボール(Mothball)を使い古しのパンストに入れておくという古典的な方法で撃退できますが、モスボールは毒性があり、お子様がいる家庭には不向きかもしれません。

 Havahartは、空飛ぶトリにも有効なセンサーで気配を感知してスプリンクラーで水をまく装置やシカに電気ショックを与える見えないフェンスも売っています。

 別のメーカーでは、やはりセンサーで感知して超音波でネコを追い払う装置を売っていますが、YouTubeの投稿動画によれば、センサーの守備範囲が狭くネコがすぐに学習してセンサーを避けるようになるということでした。


ネズミとハンタウイルス


 さて、害獣といっても、繁殖力が強いネズミだけは害獣中の害獣で、これまでの話の延長では語れません。私たちの近所で困ったという話を聞いたことがありませんが、以前、息子がニューヨークでアパート生活していたときにはネズミと同居が当たり前だったようです。

 スーパーで売られているネズミ捕りは、子供の頃、「トムとジェリー」のアニメ映画で目にしたあの懐かしいネズミ捕りで、不謹慎な話ですが、少し感傷的になります。長さ約10p…意外に小さいのですね。

 ネズミ駆除の薬剤や装置のトップブランドはd-Conというメーカーのようです。専門家に駆除を依頼する場合も、クリッター・コントロールではなくペスト・コントロールかローデント・コントロール。

 ペストは疫病や有害なものを広範囲に指す言葉で、ペスト・コントロールは、害獣を扱う業者もありますが、主にアリ、シラミ、ゴキブリ、ノミ、蚊、ハチ、サソリ、シロアリなど害虫とネズミ類を駆除します。Orkinという全国チェーンのサイトを見ると、サービスの概要が分かるでしょう。

 ローデント(Rodent)はネズミ目のげっ歯類を指す言葉ですが、ローデント・コントロールというときはリスやヤマアラシを含まないのが普通です。