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アイスクリ〜ム

★アイスクリーム・トラック ★アメリカンブランド


アイスクリーム・トラック


サーティーワン

 今では日本でもすっかり見かけなくなってしまった物売りですが、ここケンタッキー州の地方都市レキシントンで、アイスクリーム売り(アイスクリーム・トラック)だけは、暑い夏の昼下がりに「ちりーんちりーん」と鐘を鳴らして住宅街にやって来ます。

 私が赴任した当時は子供たちも10歳と12歳でまだまだかわいい盛り…食べると舌が染まってしまいそうな毒々しい色の人工着色料が少し心配ですが、お小遣いをあげると子供たちは家の外に駆け出して行ったものです。

 

 

この記事は、現在編集中です。

 


アメリカン・ブランド


 世界最大のチェーン「サーティーワン・アイスクリーム」はアメリカでは「バスキン・ロビンズ(Baskin Robins)」と呼ばないと通じないので要注意。1ヶ月間、日替わりで31種類のフレーバーが楽しめるとの「売り」は、創業間もない1953年、当時28種をそろえたレストランへの対抗策で生まれたそうです。

Nestle(スイス)

Unilever(英蘭)

CoolBrands(加)

Häägen-Dazs

Edy's/Dreyer's

Toll House

Camation

Ben & Jerry

Breyer's

Good Humor

Klondike

Popsicle

Eskimo Pie

Chipwich

Fruit-A-Freeze

Dreamery

Godiva

Whole Fruit

Blue Bell(TX)

 ところで、アメリカのスーパーには一見数限りないブランドのアイスクリームが並んでいるようですが、実は寡占化が進み多国籍企業のネッスルとユニリーバが販売シェアで覇を競っています(日本では事情が違います)。「ハーゲン・ダッツ」と「ベン&ジェリー」は両陣営の勝負ブランド…各地にパーラーを出店してさしずめ代理戦争のようです。

ハーゲンダッツ

 ハーゲンダッツは、人々が高級アイスクリームを連想するよう酪農の本場デンマークの首都コペンハーゲンをもじった造語というエピソードはご存知ですね。ユダヤ系のポーランド移民がニューヨークで始めたアメリカ生粋の最高級製品です。まだ日本ほどチェーン展開が進んでいないようで、お店を探すのは一苦労です。

ベン&ジェリー

 ベン&ジェリーは元ヒッピーのふたりが始めました。製品もさることながら、従来軽んじられていたCSR(企業の社会的責任=Corporate Social Responsibility)を尊重した経営者としても有名で、社是に食品安全や環境への配慮、貧困層の救済や家族的経営を掲げています。

 私は甘党ではないので大きな口は叩けませんが、オーソドックスなフレーバーの深みを求めるハーゲンダッツに比べて、自由で多様なフレーバーの組合せを楽しむベン&ジェリーという違いがありそうです。ベン&ジェリーのお店も多くはありませんが、シンシナティやルイビルくらいの都会には見つかります。

 近年のトレンドは、お客様の目の前で、液体窒素で零下に冷やした大きな石板を使ってお好みのフレーバーや生のフルーツなどのトッピングを練り上げるオーダーメード系のアイスクリーム屋さんです。とは言っても、手っ取り早くサンプルのメニューから選んでしまえば、あれこれ迷ってオーダーに困ることはありません。その名も「冷石」の「コールド・ストーン」は2005年に六本木ヒルズに一号店を出してから日本でも頑張っていますから皆さんもご存知ですか?牛のマークの「マギー・ムーズ」とアイスクリーム・コーンがマークの「マーブル・スラブ」は姉妹チェーンです。

ディッピン・ドッツ

 「ディッピン・ドッツ」は未来のアイスクリームと自称するだけあって、確かに異色の存在です。ミルクを液体窒素で(きっとサッと浸ける=ディップするのでしょう)瞬間冷凍すると写真のような発泡スチロールの粒(=ドッツ)のようなアイスクリームができるのだそうです。保存も超低温でなければいけないので、お持ち帰りはできません。

 日本でも売られているようですね。日本語サイトを抜粋して引用すると「今までとはまったく異なった『味覚・形・食感』が楽しめます。さらにうれしい低カロリー!通常のアイスクリームに比べ、後味もさっぱり。卵も入っていないので、卵アレルギーのお子様でも安心」です。テーマ・パークや催し物会場で売られることが多い商品です。

 たいていのアイスクリーム屋さんにはフローズン・ヨーグルトのメニューもありますが、専門性を問うなら「TCBY」とカナダ生まれの「I Can't Believe It's Yogurt! (Yogen Früz)」です。「TCBY」は当初「This Can't Be Yogurt!」の略称だったのだそうですが、ライバルから盗用を訴えられたため、現在は(略称を改名せずに残し)本名「The Country's Best Yogurt」と名乗っています。

 最近は、カリフォルニアやテキサスで、ジュース&スムージー・バーの人気が盛り上がっているようですから、そのうちお店が増えてくるかもしれません。今のところ、ケンタッキー周辺で多く見かけるお店と言えば「スムージー・キング」です。

(一口メモ)英語でアイスクリーム屋さんはアイスクリーム・パーラー。後ろにパーラーが付くと、ビューティーは美容院、ビリヤードは玉突き場、ゲームはゲーセン、マージャンは雀荘、ホースは馬券売り場、スシはすし屋、フューネラルは葬儀場と、幅広い意味に使われますが、人々がちょっと団欒するようなスペースのことでしょう。でも、フルーツパーラーというのは和製英語…犯人と疑われるのは明治27年創業の果物屋さん銀座千疋屋で、フルーツポンチも、果物とソーダやお酒を混ぜた飲み物パンチ(punch)から連想した造語です。正しい英語ではフルーツ・カクテルですからお気をつけください。