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天気予報と気象の単位

速は2で割ると日本式ハリケーンの強さ ★竜巻は「フジタ・スケール」 ★NOAAの気象警報や予報

〔 気象警報・注意報 / きょう〜あさっての予想天気図 / 気温と降水量の長期予報 / 干ばつ・洪水・ハリケーン情報 〕


気温(°F)と風速(mph)


気温 風速
華氏 ⇔ 摂氏 マイル/時メートル/秒

 インターネットの天気予報は、摂氏と華氏の温度表示を切り替えられますが、アメリカの現地テレビや新聞の天気予報は華氏で、泣かされます(それに比べて、カナダ赴任時代は、日本と共通の単位で楽でした)。

 「摂氏・華氏と体温」の記事中にも書きましたが、次の3つの温度の関係を覚えておくだけでも、かなり役に立ちます。ちなみに、摂氏で10度の温度差は、華氏では18度の温度差です。

   華氏  32度 =     0 ℃

   華氏  50度 =   10 ℃

   華氏100度 = 37.8 ℃

 気温はもちろんのこと、風速も「時速何マイル」ではピンときません。これもインターネットでメートル表示できますが、風速が「時速何km」と換算されたところで「トホホッ」。風速は、「秒速何メートル」でないと困ります。

 「アメリカ生活・e-百科」のトップページには、気温と風速の日米単位対照表を設けていますから、ご活用ください。

 簡易計算すると、1マイルは約1,600メートル、1時間は3600秒ですから風速10メートルは10X3,600/1,600=22.5で約22.5mph(miles per hour)で、もう少し厳密に計算すると22.37mph。10mphは秒速4.47メートルですから、アメリカの風速を2で割ると、ほぼ日本式の風速になると覚えておきましょう。


ハリケーンの強さ


最盛時のハリケーン・カトリーナ

 ハリケーンの強さを表すシンプソン・スケールは次のように決まっています。

スケール

被害

風速

波の高さ

D

Catastrophic

156 mph 以上

69m/

18 feet 以上

5.4m 以上

C

Extensive

131-155 mph

58-68m/

13-18 feet

3.9-5.3m

B

Extreme

111-130 mph

49-57m/

9-12 feet

2.7-3.8m

A

Moderate

96-110 mph

43-48m/

6-8 feet

1.8-2.6m

@

Minimal

74-95 mph

33-42m/

4-5 feet

1.2-1.7m

 2006年の8月にニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナはスケール5で、中心最低気圧は観測史上6番目に低い902ヘクトパスカルを記録しました(アメリカでは、ヘクトパスカルを古い名でミリバールと呼ぶこともありますが、数字は全く同じなので問題なし)。

1海里 すさまじい雨で堤防が決壊しニューオリンズ市の大半が水没して大被害を出しましたが、風速も175mph(78m/秒)と1959年の伊勢湾台風の推定風速75m/秒を上回る強さでした。

 さて、次にハリケーンの移動速度は船舶と同じくノット(knot)で表されることもあります。

 ノットは1時間に1海里進むスピード。1海里は地球の赤道で経度1分(経度1度は60分)に相当する距離で、4万メートル÷360÷60=1852m。つまり1ノットは時速1852mですが、クイズ番組に出るのでなければ、覚えていたところで役に立ちませんね。 


竜巻は「改良フジタ・スケール」


 竜巻の強さを表すフジタ・スケールは、日本出身でシカゴ大学の故藤田教授が提唱して1971年に導入されました。2006年の2月に見直され、現在は改良フジタ・スケール(Enhanced Fujita Scale)が使われています。

EF0

頻度53.5%

風速

時速65〜85マイル/秒速29〜38m

F0

時速73マイル/秒速32m

被害状況

軽微。一部の屋根がはがれる。樋(とい)や側壁の羽目板が壊れる。木の枝が折れる。根の浅い木が倒される。

EF1

頻度31.6%

風速

時速86〜110マイル/秒速39〜49m

旧F1

時速73〜112マイル/秒速33〜49m

被害状況

中程度。ひどく屋根がはがれる。モービル・ホームはひっくり返るかひどく損傷する。外壁のドアは吹き飛び、窓などガラス類は割れる。

EF2

頻度10.7%

風速

時速111〜135マイル/秒速 50〜61m

旧F2

時速113〜157マイル/秒速50〜69m

被害状況

かなりの被害。丈夫な家の屋根もはがれる。一般の家が基礎を外れて移動する。モービル・ホームは全壊する。大木が折れ根こそぎ倒れる。軽い物体はミサイルのように飛ぶ。車は宙に浮く。

EF3

頻度3.4%

風速

時速136〜165マイル/秒速62〜74m

旧F3

時速158〜206マイル/秒速70〜92m

被害状況

深刻な被害。丈夫な家でも全階が破壊される。ショッピング・モールのような大きな建物にも深刻な被害。列車は転覆。木はなぎ倒され、重い車両も宙に浮いて飛ぶ。基礎の弱い構造物はかなりの距離を吹き飛ばされる。

EF4

頻度0.7%

風速

時速166〜200マイル/秒速75〜89m

旧F4

時速207〜260マイル/秒速93〜116m

被害状況

壊滅的被害。丈夫な家でも全壊する。車は小型ミサイルのように吹き飛ばされる。

EF5

頻度<0.1%

風速

時速200マイル超/秒速89m超

旧F5

時速261〜318マイル/秒速117〜141m

被害状況

信じがたい被害。堅固な構造の家屋も基礎から吹き飛ばされ跡形もなくなる。自動車大の物体がミサイルのように100メートル以上を宙を舞って飛び交う。高層ビルも著しい損傷をこうむる。想定外の事象が起きる。


NOAAの気象警報・注意報


 「アメリカ生活・e-百科」のトップページには、アメリカ海洋大気局(NOAA)の最新の全米気象警報地図が掲載されています。

 危険な気象が予想される際には、NOAAが警報や注意報を出しますが、日本にはない気象もあって分かりにくいので日本語訳をつけました。

 警報や注意報の種類も多く、表示色が微妙で紛らわしいのが難点ですが、地図をクリックすると、管轄する気象台の詳細な情報が表示されますから、しっかり確認してください。

===== ≪竜巻警報≫ =====

 竜巻警報は高い確率で当たりますから、特に車で出張する場合などは、前日に出張先に竜巻警報が出ていないかチェックする習慣をつけましょう。危険な状況になったら、最寄の丈夫な建物に避難するつもりで、カーラジオをつけて運転してください。周波数をローカル局に合わせておけば、いざというときに警報音が鳴ります。

===== ≪洪水と鉄砲水≫ =====

 洪水警報や注意報は、日本と違って、川の流域全体が水没するような大規模な洪水で、日本の洪水は、多くの場合、鉄砲水(Flash Flood)警報や注意報に相当すると見ていいでしょう。

===== ≪湖水効果雪≫ =====

 湖水効果雪(Lake Effect Snow)というのは、五大湖を渡った風がもたらす大雪です。

 ほかに、NOAAのホームページから、当日とその後3日間の天気図、気温と降水量の長期予報、かんばつ、洪水、ハリケーンの情報も転載しています。

 冬は、米国疾病予防センター(CDC)が作製する最新のインフルエンザ流行状況の地図を見ることもできます。


きょう〜あさっての予想天気図


 アメリカ国立気象局(NOAA)の長期予報(抜粋)です。平年比ですから、例年より暑いか寒いか降水量は多いか少ないかという予報です。図をクリックすると拡大します。

きょうの天気図⇒拡大


気温と降水量の長期予報


 アメリカ国立気象局(NOAA)の長期予報(抜粋)です。平年比ですから、例年より暑いか寒いか降水量は多いか少ないかという予報です。図をクリックすると拡大します。

予想気温(例年より高温 低温)

今月 来月~ 3ヶ月先 4ヶ月先~ 6ヶ月先 7ヶ月先~ 9ヶ月先 10ヶ月先~ 1年先

予想降水量(例年より多雨/多雪 少雨/少雪)

今月 来月~ 3ヶ月先 4ヶ月先~ 6ヶ月先 7ヶ月先~ 9ヶ月先 10ヶ月先~ 1年先

干ばつ・洪水・ハリケーン情報


干ばつ⇒拡大

洪水⇒拡大

異常乾燥干ばつひどいさらにひどいまれに見る 洪水のおそれ洪水の見込み洪水発生または切迫

北大西洋で活動中の熱帯性低気圧

ハリケーン化する確率 50%以上 30〜50% 20%未満


東太平洋で活動中の熱帯性低気圧

Graphical Tropical Weather Outlook - Eastern Pacific

ハリケーン化する確率 50%以上 30〜50% 20%未満