燃費の単位 ★車の燃費とガソリン価格の推移 ★GM車ハマーの凋落 車の燃費とガソリン価格の推移
ガソリン代を円に換算しても、大した意味はないかもしれませんが、私がケンタッキーに赴任した1995年の為替レートは一時1ドル80円前後。その頃は、ガソリンもまだ1ガロン1ドル未満でしたから、換算すると、当時はリッター当りたったの約20円。日本と比べると1/5。正に、いくら走ってもただみたいなお値段でした。
それから、ガソリン価格は徐々に上がりながらも、2003年まで、高くてもガロン当り1ドル50セント前後の時代が続いたのです。それが、リーマンショック直前の2008年夏に、1ガロン4ドルにまで高騰…今、振り返っても恐ろしい話です。たった5年間で3〜4倍。為替レートは1ドル110円弱でしたから、実にリッター当り約115円。当時は日本でもガソリン価格も上がって大騒ぎしていましたが、比率でいえばわずか1.5倍のリッター当り160円前後。日米の価格比は、1/5から2/3へと縮まっていました。 皮肉なことに、不況のおかげでガソリンが再び急騰する心配は遠のいてきました。最近のガソリン価格はガロン2ドル50セント前後を行ったり来たり、為替レートも90円前後ですから、換算するとリッター当り60円くらい…やっぱりアメリカのガソリンは安いですね。 しかし、アメリカでは、車で走る距離が半端ではありませんから、しっかり「燃費」を考えて、車選びをしてください。日本はリッター当り走行キロですが、アメリカではガロン当り走行マイル(mpg=mile per gallon)です。 GM車ハマーの凋落
燃費の悪さでは、売却先が見つからず廃止の危機にあるGMのハマーが有名です。湾岸戦争で砂漠を駆け回った軍用車ハム-ビー(Hum-Vee)が、1992年に民間向けに仕様変更され、H1として売り出されました。 H1より一段と大衆的なモデルH2が発売されたのは、同時多発テロの翌年でガソリンがまだガロン1ドル50セント以下の時代。折りしも、不況回避の目的で、連邦準備銀行が歴史的な低金利政策をとったため、自動車ローンが安く借りられました。 しかも、車重が3トンもあるので、本来はトラックを保有する自営業者のために設けられた税額控除が受けられるおまけ付き。価格は約6万ドルと最高級車並みでしたが、正にバブル時代のGMの顔として年に3万台の売上げを誇りました。 実際、この車の公式の燃費は公表されていないようで、自動車雑誌の調査結果も、H2で8.6〜12 mpg(3.7〜5.1q/ℓ)とマチマチですが、とにかくガソリン食いまくりです。 しかし、ハリケーン・カトリーナを契機にガソリンがガロン3ドルに高騰した2005年がH2躍進の転機となりました。H2のガソリンタンクは32ガロンですから、満タンでも300マイルほどしか走れません。そのたびに100ドル札がお財布から出て行くとなると、お金持ちでも多少は気にするというものです。 2006年1月には、金利引き上げを置き土産に、「金融の神様」グリーンスパン氏が、18年にわたって議長を務めた連邦準備銀行を去りました…きっと、自分の「失敗」に気が付いていたのでしょう。そして、GMハマーは右肩下がり。8年間で通算15万台売られた名車H2も、昨年(2009年)の販売台数は実に約1500台という凋落ぶりです。
さて、日本車の燃費は、ガロン当り何マイル程度に当るのでしょう。トヨタの3車種を例にとって表にしてみました。リッター当り走行キロから換算するには、0.425をかけてください。ハマーの話をした後だと、どの車も、燃費が格別いいように感じられませんか? |