アメリカの 「住まいと庭仕事」・e-ガイド(印刷ページ

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よくあるトラブルと解決法

★トラブルの通報 ★コンセントが使えない ★ロックアウト ★部屋によって暑い(寒い)

★煙感知器の電池切れ ★ガス漏れ ★乾燥機の排気ダクトに小鳥 ★給湯ボイラーの故障


 「郷に入れば郷に従え」と言う通りで、アメリカの家に住むにはアメリカの常識が必要です。さすがに、湯ぶね(浴槽)の外でお湯を使って失敗する人はいなくなったようですが、家のトラブルの中には、日本人テナント(賃借人)の無知や勘違いに起因するものもたくさんあります。

 つまらないことで大家さんに迷惑をかけることのないよう、最低限の基本知識を頭に入れておいてください。皆さんが起こしたトラブルの修理費は、全額皆さんの負担になることをお忘れなく…。


トラブルの通報


 アメリカの家のトラブルの中でも、緊急性が高いのは水漏れと暖房の故障です。すぐに修理しないと、水が使えなくなったり、極寒の中で凍えて過ごさなければならなくなるかもしれません。この種の重大なトラブルは一刻も早く大家さんに通報してください。

 奥様は木曜日あたりから暖房機の調子がおかしいのに気づいていたが、会社にいるご主人と相談できず、金曜日の夜、ご主人の帰宅後に慌てて大家さんに電話するというのが典型的な悪いパターンです。週末や夜間は、修理屋さんを呼ぶのにも特別料金がかかるのです。異常に気が付いたら、英語が下手でも勇気を出して至急大家さんに連絡を取りましょう。


コンセントが使えない


 電気が切れたらブレーカーが落ちていないか見るのは日本と共通の基本動作ですから、たいていの皆さんがご自分でチェックなさいます。でも、日本人には馴染みのない落とし穴が2つありますから覚えてください。

 ひとつは、赤と黒のボタン付きのコンセント(写真左)…目を近づけて読んでみると、感電防止のために1ヶ月に1度テストするように書いてあります。黒の「テスト・ボタン」を押すと電気が切れ、赤の「リセット・ボタン」を押すと元に戻ります。台所や洗面所の水周りに付けることが、法律で義務付けられています。

 もう一つは、リビングや客間で、天井灯がない(またはあっても暗い)部屋の2穴コンセント。このような部屋には、照明にムードのある電気スタンドを使うよう設計されています。

 下の差込口は常時使えますが、上の差込口は、部屋中の電気スタンドを一斉に点灯/消灯できるよう壁のスイッチで電源をオン/オフする想定です。

 ですから、上の差込口にパソコンなど電源を落としたくない機器をつないでおくと厄介なことになります。私たちの家では、(間違って電源を切らないように)目立たない白いテープで壁のスイッチを固定。常時、電源をオンにしています。


ロックアウト(鍵が閉まって家に入れない)


 秋に入って風が少し肌寒く感じられるようになってくる頃のことです。庭先のメール・ボックスに届いた郵便を取りに行こうと、玄関ドアを半開きにしてサンダル履きで2、3歩進んだその瞬間、一陣の強い風が吹いて背後で「バタンッ」…「しまった。内鍵がかかったままだった。」というのが、奥さんが家から閉め出されてしまう典型的なパターンです。

 もちろん、ご主人や大家さんが合鍵を届けてくれたら一番いいのですが、駄目なら、ロックスミス(鍵開け屋=Locksmith)というビジネスがありますから、電話帳で調べて、ご近所のお宅から電話すると飛んできて、簡単に開けてくれます。


部屋によって暑い(寒い)


 地下室のない2階建ての場合は、家の外壁に沿って1階の天井と2階の床の間に空調冷暖房用のダクトが通っています。ダクトから冷気(暖気)を放出する各部屋の換気口には、よく見ると脇に小さなレバーがついていて、格子の開け閉めができるようになっています。暑すぎる(寒すぎる)部屋の換気口は閉め、他の部屋の換気口を閉じると大分調整できます。使っていない部屋の換気口を閉めておけば、電気代やガス代の節約にもなります。


煙感知器の電池切れ


 どの家にも、火災防止用に煙感知器(スモーク・ディテクター=写真右)がついています。電池が切れると、間隔を置いてピー...、ピー...、と鳴って電池を換えるまで鳴り止みません。こんなことでは大家さんに電話しないで、ご自分で電池を交換してください。機種によって違いはあるかもしれませんが、たいてい電池は9Vの角型です。


ガス漏れ


 滅多に起きないはずですが、万一ガス漏れのような気配があれば、大家さんに電話するのではなく、真っ先にガス会社に通報してください。皆さんが家でお使いのガスは天然ガスですが、空気より軽く天井付近にたまります。爆発するおそれもありますから、状況に応じて避難した方がよいかもしれません。

 ガスには臭いが付いているので、漏れたら気がつくのだそうです。スカンクの○○の臭いを勘違いしてガス会社に急報したお宅もありますが、ガス会社は無料で来てくれますし、誤報でも文句は言われなかったそうです。ガスの元栓は、屋外のガス・メーターの付近にありますが、取り扱いにはくれぐれもご注意ください。


乾燥機の排気ダクトに小鳥


 乾燥機の排気ダクトの端から、暖を求めて鳥がもぐりこんで来ることがあります。一度入ると後戻りできず、かわいそうに、たいていは悲しい姿で見つかります。お宅の排気ダクトの端には、鳥除けスクリーン(網=写真右)が付いていますか?リスなどの小動物は、ご丁寧にスクリーンを食いちぎって侵入してくることもあるようです。

 あるお宅では、洗濯物は空き部屋で自然乾燥させ、乾燥機を全く使わずにいたところ、小鳥がダクトの中に巣を作って、人の手が届かない奥まで木くずを固く詰め込んでいました。天井裏にも、小鳥や小動物が迷い込むことがありますが、住み着いてしまう前に、大家さんに連絡して追い出してもらいましょう。


給湯ボイラーの故障


 ガス給湯機には、種火(Pilot Light)があります。ガレージに設置されている場合など、風の強い日に外気が侵入して種火を消してしまうことがあります。

 そんな場合は、ビデオを見て種火を再点火してください。危険な作業ではなさそうですが、ビデオでは、周囲の残存ガスに引火しないよう、ガスを止めてから5分待ってガスの臭いがしないことを確認した上で再点火するよう勧めています。皆さんも守ってください。ボイラーの機種によって、若干、ボタンや種火の位置が違うかもしれません。


 給湯ボイラーは、実に単純な構造なのですが、プラスティック製のディップ・チューブというお湯を循環させるパイプ(写真右=矢印の先)が中で溶けたり、割れたりして、高温のお湯が全体にたまらなくなることがあります。

 容量50ガロンといっても、ぬるいお湯が溜まっている部分も含めて50ガロンですから、熱湯が30ガロンあまり続けて出るか出ないかが故障の判定基準です。