アメリカの 「家事とお料理」・e-ガイド(印刷ページ

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コンロまわり

★煙がこもり魚が焼けない ★使用済みの油処理 ★熱に弱いカウンターに注意 ★コンロ周りの洗剤


 アメリカ人のご家庭では、台所が驚くほどきれいですね。でも、それはアメリカ人がお料理に手間をかけていない結果ですから、日本代表の奥様方もご安心ください。

 共稼ぎの家庭が多いせいもありますが、もともとアメリカ人の食生活は淡白です。いや、あるいはアメリカ人の食卓が普通で、日本人の食卓だけが世界中で飛び抜けてぜいたくなのかもしれません。ですから、アメリカの台所も、台所用品も、日本人の主婦にとっては不満だらけの水準ですが、そのあたりは我慢して、あれこれ工夫して解決することにしましょう。

File:Elektroherd-eingeschaltet.jpg ところで、コンロは英語でストーブ(Stove)と呼ばれています。昔は、薪をくべて暖をとったストーブの上で調理していた名残りでしょう。最近は、表面が平らな電気コンロ(Smooth Surface Radiant Electric Stove)を使っている家庭が多数派ですが、日本で普及しているIHヒーターのような電磁式ではありません。クックトップの裏に隠れたヒーターで熱する伝統的なシステムですから、特別な調理器具を買い揃える必要はありません。 


煙がこもり魚が焼けない


アメリカの標準的な換気扇

 アメリカの台所では、原則的に魚が焼けません。コンロ(Stove)の上には子供だましの換気扇がありますが、調理の湯気を少し吸って、フィルターを通し再び室内に還流させるだけの頼りない仕組みです。

 無理に魚を焼いたら、煙感知器が鳴り出して大騒ぎになります。焼くなら、魚焼きグリルを買って使うか、さもなくばポーチに出てカセットコンロでバーベキューしてください。

 交換フィルターは、ホームセンターで売っています。交換頻度は油物やカレーなどにおいが強いお料理の多い少ないで変わってきます…気になり始めたら、替えましょう。

 魚焼きグリルもカセットコンロも、日本食材店や東洋食材店、または通信販売で購入できます。カセットコンロは鍋料理に便利ですが、「すわっ停電」の非常時に大活躍しますから、必ず確保しておきましょう。ガスのボイラー(給湯器)でも、普通は停電でお湯が出なくなりますから油断できません。

 中国人には専用ダクトで屋外に排気する換気扇を設ける人が多いので、中国人の大家さんを探せば、運よく魚の焼ける台所が手に入るかもしれません。もう一つ、中国人がオーナーの貸家には未だにコイルがむき出しになったコンロが多いのですが、これは中華なべを使うのによく火が通るからです。中華でなくても、油が周囲にはねて汚れるおそれがある場合は、ポーチに出て、新聞紙を敷いて、その上でカセットコンロを使って調理するといいでしょう。火の用心は、よろしくお願いします。


使用済みの油の処理


 油を使ったお料理の後は、使用済みの処理に困りますね。そのまま排水溝に流すと、パイプ詰まりの原因になります。アメリカ人も悩んでいて、元の容器に戻したり、ペットボトルやコーヒー缶に入れて捨てています。日本製の廃油処理剤がなかったら、油が十分に冷めてから、新聞紙にしみ込ませ、牛乳パックに詰めて、ゴミ出しする手があります。アメリカの主婦のひとりは、油をそのまま牛乳パックに入れて、冷凍した上でゴミ出しするよう勧めています。


熱に弱いカウンターに注意


Granite Countertops

 最近はグラナイト(花崗岩)や通称マーブル(大理石)のキッチンカウンターが増えてきましたが、我が家では一昔前のラミネート(プラスチックの被膜)加工した木製カウンターをまだ大事に使っています。渡米してご新居に入居したら、早速カウンターがどちらのタイプか確認しましょう。

 木製カウンターの場合は、日本のお勝手と違い、うっかりカウンターの上に熱い鍋を置くと表面が焼け焦げてしまいますから気を付けてください。頭で理解していてもついついやってしまいますから、コンロの横に耐熱性のあるカウンター・マットを敷いておくと便利です。

 石造りのカウンターでも、常に熱い鍋を置くような使い方をすると傷みやすいようです。私たちの家では、なべ敷きにはかわいらしいまな板を代用して、本物のカウンター・マットは、(日本なら簡単に手に入る)油はね対策のアルミ製囲いの代わりに壁に立てかけています(写真左)。

 具体的に商品名を上げるとRange Kleen社製の「Stove & Counter Mat」=サイズは大小あって、大型スーパーの台所用品売り場に置いてあります。表は金物、裏はボール紙…様々な楽しい図柄の中からお選びください。汚れたら、表をぬらした布で拭き取るか、裏側を濡らさないよう気を付けてスポンジと洗剤で洗ってもかまいません。


コンロ周りの洗剤


 ここで、コンロ周りとひとくくりにしているのは、コンロ、換気フード、キッチンカウンター、木製キャビネットなど、コンロの近くで油汚れを落とすのに苦労する場所のことです。

 しつこい油汚れにはアメリカ人の主婦も苦闘しているようで、インターネットに様々なアイデアが寄せられていますが、その中で特に役立ったのが写真@のパープルパワー・インダストリアルストレングス(クリーン-ライト社)という洗剤の情報です。

 この洗剤は、ウォルマートなど限られたお店のカー用品コーナーに置かれているので、普段は目に留まりません。しかも、消費者から色落ちのクレームが来るといけないと思っているのかどういうわけか、ラベルに「工業用強度の濃縮油落し洗剤」と大書してありますから、まさか家庭用に使おうなどと思いもしません。

 ただし、注意書きにあるように、新しい場所に使う場合は、一度目立たない場所に使って試し、色落ちしないことを確かめてから本格的に使い始めてください。私たちも、最初はおそるおそる使っていましたが、木製キャビネットも含め、これまで色落ちして困ったことはありません。

 コンロの表面(クックトップ)にこびりついた油をふき取るには、写真Bの硬いスポンジを切って使うと楽ですが、これはクックトップの材質次第。わが家の場合は、Aのグラスクックトップ・クリーナー(ウェイマン社)を使い、柔らかい布でふき取ります。

 軽くこびりついた油汚れを取るなら、Dの日本製「めちゃ落ち〜る」とか「落ち落ち」のような洗剤のいらない化学スポンジが便利ですが、アメリカにも似たようなものがあります。Cはクイックイレーザー(スクラブイット社)…1ドルショップのダラーツリーで売っていました。わが家では、台所のフロアタイル磨きに重宝しています。

 スーパーでよく見るマジックイレーザー(ミスター・クリーン社)も、同種製品でしょう。日本製と違って、油断して使うと、色落ちしてしまう素材もありますから要注意。インターネットの掲示板には、子供が遊び半分で拭き掃除のお手伝いをしているうちに手がかぶれてしまったとの書き込みもありましたから、お肌の弱い方は十分気をつけてください。