日本では「畳に布団」派だった皆さんの中にも、アメリカに来てからは「ベッド暮らし」に切り替える方が多いのではないでしょうか。しかし、ベッドも枕も日本のものとは違いますから、家具屋さんに買物に出かける前に少し勉強しておきましょう。


ベッドサイズ


 そもそもベッドサイズの規格からして違います。北米(アメリカ・カナダ)の「クイーン」サイズは、日本の「クイーン」サイズより20cmも狭いのです。敢えてお勧めするなら、日本でベッドを使っていた方の場合は、日本時代より一回り大きなベッドを購入なさるとよろしいでしょう。アメリカで暮らしていると生活感覚が変わってきて、そのうちに何でも「ゆったりサイズ」が当たり前になってきます。

 寝室が十分広ければ、キングサイズでも大きすぎはしません。キングサイズは、ちょうどツイン(シングル)を二つ並べたサイズで、ほぼ正方形の形をしています。

日本のベッドサイズ

北米のベッドサイズ

スモールシングル

85x195cm

 

 

シングル

97x195cm

Twin

39x75 inches  (99x190 cm)

セミダブル

122x195cm

 

 

ダブル

140x195cm

Double/Full

54x75 inches (140x190 cm)

ワイドダブル

152x195cm

Queen

60x80 inches (150x200 cm)

クイーン

170x195cm

Olympic Queen

66x80 inches (170x200 cm)

キング

200x195cm

King

76x80 inches (190x200 cm)

キングロング

180x210cm

California King

72x84 inches (180x210 cm)


ベッドフレームとマットレス


 アメリカ人の中には、王様と王妃の寝室のように屋根付きでカーテンを下げた豪華ベッドを好む人もいます。左の写真のように四本柱がついたベッドなら、ごく普通の庶民の寝室をのぞいてもさほど珍しくはないでしょう。

 しかし、機能的に見ればベッドフレームは実は添え物で、ベッドの主要部はマットレス。装飾とフレームがガッチリ一体化したベッドもありますが、ベッドの下部は細いスチールを組んだシンプルなフレームで支え、別売りのお好みのヘッドボードを組み合わせる流儀もあります。

 マットレスとフレームの間には、ファウンデーションというスプリング入りのクッションが入ります。右の写真は典型的なベッドですが、一見、マットレスを2枚重ねたように見えませんか?

 ファウンデーションなしでもマットレスは用を果たしますが、その分早く痛んでしまいます。装飾とフレームが一体の木製ベッドには、一般的にファウンデーションが組み込まれていますから、じかにマットレスを敷いて問題ありません。

 マットレス選びで最も気をつけたいのが、マットレスの硬さです。実際に寝てみて心地よい硬さを選べばよいのですが、家具屋さんで数秒寝転んだ感じと、毎晩8時間寝るのに疲れないよい硬さは違います。古来、「畳に布団」で暮らしてきた日本人には、思い切り硬めのマットレスを買うつもりでちょうどいいのではないでしょうか。特に、腰痛のある方に、柔らかめのマットレスは禁物です。

 マットレスの上には、マットレス・パッド(マットレス・トッパー)を敷きます。日本人にはキルト(綿)のパッドがよいと思いますが、新素材やスポンジなどもあり、厚さもマチマチです。マットレス本体と同じくらい寝心地を左右する要素ですから、しっかり選びましょう。2〜3年して痛んできたら、新品に変えないといけません。

 マットレスも永遠ではありませんが、決して頻繁に買い換えるものではありません。ただし、敷きっぱなしで使っていると、次第に体形に沿ってマットレスが沈むようになってきます。1ヶ月に1回はマットレスの向きや裏表を変え、いつまでも均等なクッションが保たれるよう心がけましょう。


シーツとベッドメイク


 シーツは、マットレスとマットレスパッドをくるむように掛けるフィットシーツと掛け布団(コンフォーター)用のフラットシーツがセットで売られています。枕カバーやファウンデーションを覆うベッドスカートも含めたセットを探して、寝室の雰囲気を統一するのもいいでしょう。

 私たちは、普通でも肌に優しい綿の衣類にこだわる方ですが、シーツなら特に綿製品がお勧めです。洗いジワを気になさる方は、洗濯の最終リンスサイクルの途中で洗濯機を止めてスタ-フロ(Sta-Flo)というスターチを入れてみてください。後は乾燥機にかけて乾かすだけで、シワのないシーツが仕上がります。

アメリカのホテル式

日本のホテル式

 フラットシーツはただの1枚布で、寝る時は上端を折り返し掛け布団を覆うようにして床に入ります。欧米のホテルでは、フラットシーツをマットレスの下に巻き込むようにベッドメイクしますが、日本のホテルでは掛け布団を覆うようにしてからベッドの両脇にたらします。

 しかし、お客様を泊めるときでもなければ、アメリカの家庭でも、窮屈な欧米のホテル式のベッドメイクはしません。掛け布団といっても、羽根布団用には、布団全体をすっぽり包み込むデュベカバー(Duvet Cover)があります。デュベカバーは洗えますから、わざわざフラットシーツを重ねて使う必要はありません。


和枕と洋枕


 和洋の睡眠習慣の違いが特に目立つのが枕です。その昔の日本人が、まげや髪が崩れないよう箱枕(写真下左)に首を乗せて寝ていたことはご存じですね。日本では箱枕に使われていたそばがら素材の枕が普及し、そのせいか現代に至っても日本人には硬めの枕を好む人が多いようです。

 一方、ヨーロッパでは、頭から肩や背中まで広く上半身を支える羽毛素材のふわふわ枕が珍重されました。そのせいか現代の北米で売られている枕も、主流は柔らかく大きめなタイプで、日本人には深く沈みすぎたり弾力が強すぎたりで、寝心地しっくりの枕を見つけるのは容易ではありません。

まげ・髪結い時代の箱枕

ギリシャ・ローマ式のふわふわ枕

 日本では、枕に肩をかけず仰向けに寝るのが基本で、頭と頸椎を支え顔面の仰角が5度となる枕(写真@)が理想的と言われています(参考…フランスベッドのホームページ)が、アメリカ人には枕を抱くようにして寝るサイドスリーパー(横向きに寝る人)が多いようで、洋枕は一般的に厚過ぎます。

 厚過ぎる枕を使い続けると、無理な猫背で頸椎を痛めたり、枕が外れて首をよじり、寝違え(写真A)や肩こりを頻繁に起こしたりするリスクがあります。伝統的な洋枕で寝る場合は、枕に肩をのせて(写真B)頭と肩の段差を減らすくらいが、ちょうどいい具合…枕にあった寝方を心がけるのも大事です。

写真@ 理想的な枕の厚さ

写真A 寝違えが起きるケース

写真B 厚めの洋枕には肩をのせる

===== 形状記憶樹脂の枕 =====

 ちなみに左の動画や写真@に写っている枕は、テンパーペディック社が1990年代に売り出した頸椎に優しい特殊形状の枕。素材はNASAが開発した形状記憶樹脂…寝ると頭や首が少し沈んで、枕の厚さは合格水準。硬すぎず柔らかすぎずの弾力もあり、日本人の皆さんにもお勧めできる枕の一つです。その後は他社も開発競争に加わり、今では寝返りに優しい複雑な形状の枕から、逆に外見は普通の枕まで、多彩な形状記憶樹脂枕が売られるようになりました。

 形状記憶樹脂の弾力は長持ちしますが、それでも永久ではありません。北米の枕や寝具は、品質保証期限を目途に買い替えるつもりでいましょう。

===== その他お勧めの枕 =====

 私は最近、近所のデパートで、片面はふわふわの繊維で裏は形状記憶樹脂という、気分によって両面をひっくり返して使えるセルタというブランドのリバーシブル・ピロウを見つけて衝動買いしました。

 妻の満里も、寝具・家庭用品小売店チェーンベッド・バス・アンド・ビヨンドで枕を買い換えたばかりです。

 厚過ぎず・沈み過ぎず・弾力が強過ぎないソフトな枕が好みで、今回はセラペディックというブランドの形状記憶樹脂枕トゥルークールという製品を選びました…写真Bに写っている枕です。厚さがあって枕に頭部だけ乗せると首が痛くなりそうですが、肩まで枕に載せると顔面の仰角が5度くらいの理想的な仰向け姿勢になります。

 下のアマゾンの広告のようにトゥルークールには仰向けで寝る人用横向きで寝る人用の2タイプがありますが、横向きで寝る人用仰向けで寝る人用より厚みがありますからご注意ください。テンパーペディック社のオリジナル形状の枕に似た製品もあります。

 いつか NHK大人の基礎英語の番組内のミニドラマで、ヒロインがそばがらのマイ枕を持って海外旅行に出かけ、空港の検疫官に没収されそうになるというユーモラスなトピックスを見た覚えがありますが、北米でそばがら枕を手に入れるのは難しくありません。アマゾンeベイの通信販売でお探しください。

amazon.com

Therapedic TruCool

for Back Sleepers

Therapedic TruCool

for Side Sleepers

Therapedic TruCool

Contour Pillow

そばがら枕@

そばがら枕A

 肩こりは、仕事のし過ぎだとか年のせいだとあきらめてしまいがちですが、本当の原因が枕の選び方や枕に合わない寝方によることもあるので、お心当たりの方は見直してください。