北米マツタケの産地

 マツタケは里山のアカマツの林で採れる大衆的なキノコだったそうです。

 戦前のピーク(1941年)に1万2千トン採れたのが、最近は国産は年産百トン前後まで減少してしまったのですから、貴重品扱いされるのも無理ありません。


北米産マツタケ


 今や日本で食べるマツタケの約95%は外国産。中でも、中国産は安くて売れ筋ですが、長い輸送の間にせっかくの香りが薄れてしまうのが玉にキズ。そこへいくと、北米産は、見かけはだいぶ色白ですが、香りなら国産に負けません。

 最近は日本で北米産が買えるようになりましたが、ご贈答用のマツタケは、いただいた方も感激すること間違いないでしょう。北米の日系ギフト通販が、各社それぞれに積み上げたノーハウで厳選しています。

 日本に輸出するマツタケは、主に南アラスカから北カリフォルニアにかけての沿岸山地(Coast Mountains)の自然林で採れます。きのこ狩りは北米各地でできますが、落葉や表土をいじるだけでも生態系が乱れるおそれがあるそうで、アメリカでは場所により厳しく規制されていますから注意してください。

 バンクーバーやシアトル、ポートランドにお住まいの日本人の皆さんの中には、地元の人に誘われてマツタケ狩りを体験している人が大勢おられます。ロッキー山脈やケベック州のローレンシャン台地、オーロラの名所イェローナイフ付近にも穴場はあるようです。


メキシコ産マツタケ


 知る人ぞ知るかもしれませんが、メキシコはインディオの呪術師が魔法のキノコを食べて恍惚状態で祈祷する伝統もあったキノコ消費国。マツタケは、ロッキー山脈の延長でメキシコの中央部を縦走する東シエラマドレ山脈の南端の地方で採れます。

 メキシコ産マツタケは外見も国産に似ていて、お値段はひと回り高めです。国産品や北米産より一足早く、秋に先がけて出荷されます。