ついでに、アメリカの大学に進学するのに必要なSATとACT二つの能力検定試験についてご説明しましょう。日本と違い、アメリカの大学進学の際に、個々の大学入試は行われません。普通の受験は、日本の統一テストに当たるSATやACTの成績、内申書、小論文を付した願書を郵送して提出するだけ、書類審査で結果が通知されてきます。 高校の卒業は5月頃、大学の入学は9月頃ですが、早い大学は前年の秋のうちに募集を始め、11月や12月に合格通知をくれたりしますから、アメリカの高校生は入試のストレスに悩まされることはありません。その代わり、内申書の中身が大事ですから、難関大学に進むには、高校時代に常によい成績を保ち、クラブやボランティアなど大学に評価される活動に打ち込む必要があります。 難関大学に進学したら進学したで、落第しないよう一生懸命勉強しなければなりませんから、合格通知をもらった後のシニア(高校最終学年)の数ヶ月から半年は、アメリカの高校生にとって羽を伸ばして最も青春を謳歌できるひと時でしょう。 旧称 Scholastic Assessment Test 「SAT」は今やSAT Reasoning Testが公称となりましたが、もとはScholastic Assessment Test(学力考査試験)の略称でした。日本のセンター試験の役割を果たすテストですが、毎年1回ではなく、10〜1月は毎月、さらに3月と5月、6月と年に最高7回も受験でき、ほとんどの大学がその間の各科目のベストスコアを合否判定に使ってくれるところが大違いです。 SATの科目はクリティカル・リーディングとマス(数学)の二つでしたが、2005年からライティングが加わり3科目になりました。各科目800点満点で計2400点満点ですが、アメリカの大学進学手引き書で、各大学の新入生平均スコアとして紹介されているのはクリティカル・リーディングとマス(数学)だけで、ライティングのスコアは合否判定上あまり重視されていないのかもしれません。
もっとも、帰国子女枠で日本の大学を受験する場合には、ライティングも含めた点数が基準になります。マス(数学)は(問題の英文さえ読めれば)満点の800点近い点数も夢ではない日本人子弟の点の稼ぎ場ですが、ライティングが加わったおかげで、以前より英語の壁が高くなってしまいました。 これとは別に、SATサブジェクトテストという文学、歴史、数学、自然科学、語学など専門科目のテストがあります。志望校次第では受験しておかなければいけません。 SATも、インターネットでサンプル問題をお試しください。 Question of the Day…1日1問 Sample Practice Questions…クリティカル・リーディング/マス/ライティング SAT Subject Tests…SATサブジェクトテスト Free Practice Test…無料体験テスト SATには、本番前の練習という位置付けで、毎年10月にPSAT(Pre SAT)というプログラムも実施されます。特に、高校3年生(ジュニア)の年のPSATは重要で、上位に入れば奨学金(National Merit Scholarship)を得ることもできますから、進学意欲の強い子どもたちは、中学生のうちからPSATを受けて練習を積んだりしているようです。 American College Testing ACT(American College Testing)は、SATのライバルのセンター試験です。大学によってSATでもACTでも受け付けるところもありますが、両方提出してかまわない場合は二つを換算比較して成績のよい方を生かしてくれるはずです。
もともと東海岸と西海岸はSAT、内陸部はACTという勢力図でしたが、最近は東部の大学でACTを採用するところが増えてきています。 ACTは、イングリッシュ(英文法)とマス(数学)、リーディング(文学や論文、論評の読解力)、サイエンス・リーズニング(科学的思考力)の4科目で、ライティングがオプションです。 最後に、ACTのサンプル問題をお試しください。 ACT Question of the Day …1日1問 Preparing for the ACT …ACTテスト(サンプル)全文のPDFファイル Practice test questions …ライティング・テストのサンプル |