アメリカの 「医療と健康」・e-ガイド(印刷ページ

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歯科と矯正歯科、歯科保険

半年に一度定期健診 ★お子様の歯の矯正 ★歯科保険のメカニズム ★アメリカの歯科保険の例


半年に一度定期健診


 日本では虫歯が痛くなるまで歯医者には行かない人も多いのではないかと思いますが、アメリカの歯科保険(Dental Insurance)は年2回の定期健診を無料にしていますから、ご主人の勤務先がかけてくれているなら、積極的に利用しないと損です。定期健診では、歯石や歯垢や歯石を取って歯をピカピカにみがいてくれますから、歯に自信のある方も必ず受診する習慣を付けて予防医療に努めましょう。

 忙しい歯医者さんの予約は1ヶ月先になったりしますが、駐在員の奥様など時間にあまりしばられていない方なら「キャンセル待ち」にしておけば意外に早くチャンスが来るものです。もちろん、痛みが激しい場合やクラウンが欠けてしまった場合など緊急事態が起きたら最優先、「飛び込み」で受け付けてくれますから安心してください。

 日本の歯医者さんは、虫歯1本を治すだけでも、細切れの治療をして、患者さんを何度も通院させる傾向がありますが、アメリカの歯医者さんは、虫歯が何本あろうが一度にできることは一気に片付けようとするので患者さんにとっても楽です(でも、長時間口を開けているのがつらければ、はっきり意志を伝えましょう)。


お子様の歯の矯正


 さて、日本ではいまだに子供の歯列矯正をするのは特別なお金持ちだけという感じですが、アメリカでは中流家庭の常識です。一昔前には、矯正器を歯にはめてかわいらしく笑う少年少女をここかしこに見かけたものですが、最近はあまり見ません。きっと、技術開発が進んで、透明なワイヤーを使った目立たない矯正器が増えてきたのでしょう。

 まるっきり無料とはいきませんが、日本でやるよりはずっと安いので、お子様には一生の宝となる美しい歯並びをプレゼントしてあげてください。ご主人のアメリカ駐在をこれ幸いと、ご自身の歯列矯正に取り組む奥様も多数いらっしゃるようです。歯列矯正は、ただ外見をよくするだけではなく、本当は歯ぎしりや顎関節症の予防にもなる健康上重要な医療行為です。


歯科保険のメカニズム


 歯科保険(Dental Insurance)の仕組みは、一般の医療保険とは少し違います。本来、保険というものはラストリゾート(最後にすがるもの)…医療保険はその通りで、自己負担が一定額に達したら残りはいくらでも保険が面倒見るから安心しなさいというシステムですが、歯科保険は逆で、ある程度までは保険が面倒見てあげるけれど使いすぎたら自己負担というお助け保険です。

 したがって、どうしても必要な医療は保険にまかせなさい/ぜいたくな医療は自分でも相応の負担をしなさいという規定になっています。たとえばポーセレン(歯の色に近い樹脂)製のクラウンが欠けて修理をしてもらった私のケースでは(治療費$650-免責額$50)X60%=保険給付額$360…自己負担額$290という計算でした。

 治療が終わってから請求書を見てびっくりということがないように気をつけましょう。差額はお勤め先の健康保険組合が払ってくれるだろうなどとタカをくくっていると、規定に「ポーセレンは除く」などと書いてあることもしばしば。

 ケガによる歯の損傷については、歯科保険ではなく医療保険がカバーします。


現地歯科保険(PPO)の例


≪前提条件≫

免責額 (Deductible)

例:(治療費$650-免責$50)X60%=保険給付額$360…自己負担$290

予防医療を除き1回 $50

(1家族につき年3回、4回目以降なし)

年間保険給付限度 (Maximum Benefit)

$1,500

≪診療費用 (保険カバー率)≫

医療の種類

契約医 非契約医
予防歯科

定期健診および歯垢、歯石の掃除(半年毎)

痛みを和らげる応急処置X線写真(年1回、詳細写真は5年毎)

14歳未満…フッ素塗付療法(6ヶ月毎)

16歳未満…永久歯の生えかわりのため乳歯の痕を保全する保隙装置

16歳未満…虫歯でない奥歯に樹脂をコーティングする措置(3年毎)

全額 全額
一般歯科

アマルガム(銀と水銀の合金)またはシリコン/アクリル樹脂製のつめもの

抜歯 (他の治療を伴わないケース)、ステンレス製クラウン

歯周治療手術、根管治療手術、口腔外科手術

全額(免責額後) 80%(免責額後)
高額歯科

金またはポーセレン製のつめもの、ブリッジまたは義歯

アクリル/プラスチック樹脂製のクラウン

60%(免責額後) 50% (免責額後)
矯正歯科 19歳未満…ただし一人当たりの生涯給付金は$1,500まで 50%(免責額後) 50% (免責額後)