加湿器の選び方 ★乾燥性鼻炎に注意 ★セントラル加湿システムの能力 ★流水式加湿器 ★個室加湿器3種 ★超音波式加湿器 ★フィルター式加湿器 ★スチーム式加湿器 乾燥性鼻炎に注意
日本のテレビの健康番組では、快適な湿度は40〜60%…加湿しすぎるとカビやダニが大発生し逆に健康によくないと注意していましたが、実にうらやましい話です。湿度が60%をオーバーするなど夢のまた夢。常に40%以上に保つだけでも、血のにじむような努力が必要です。 実際、冬の体調不良や就寝時のいびきには乾燥性鼻炎が強く関与しています。冬は、各部屋の湿度がそれぞれ適切に保たれているか、湿度計でしっかりチェックしておく必要があります。 セントラル加湿システムの能力 私たちの場合は、持ち家なので、セントラル加湿システムを設置しました。セントラル加湿システムは、工事費込みで約6百ドルです。ファーナス(ガス暖房機)脇のダクトに穴を開けて装置を取り付けました。内部には、水道水が循環するフィルターがあり、ファン(扇風機)が空気を取り入れてダクト内に水蒸気を送り込む仕掛けです。 効果はあったでしょうか?セントラル加湿システムの湿度調節器の目盛りは50%以上までありますが、目盛りを40%以上に設定しても設定値近くまで上昇したことはありません。それでも、加湿システム設置前の冬の屋内湿度は25%程度でしたから、それが10%上がって35%になっただけでも、大きな効果だと思っています。 さらに少しでも湿度を上げたければ、(ファーナスの火が消えているときにも送風だけは途切れないよう)エアコンのスイッチを「Auto」から「On」にしておく裏ワザがありますが、余計に上がる湿度はせいぜい2〜3%ですから期待しすぎてはいけません。 流水式加湿器 そこまで大げさなシステムではなくても、ホームセンターに行けば、同様の流水式で、家屋全体を加湿するタイプの加湿器が売られています。私たちは試したことがないので効果についてコメントできませんが、流水式は水道代がかかることだけは覚悟して置いてください。 個室加湿器3種 不足の湿度は、個室加湿器で少しでも補いましょう。普及品の加湿器は一般のスーパーやディスカウントストアで簡単に買えますが、中高級器はホームセンターなどに行かないと手に入らないかもしれません。1台や2台では家中の湿度を上げることはできませんが、寝室の夜の湿度を上げるだけなら十分役に立ちます。 個室加湿器は、加湿手法により3種類に分かれます。日本の加湿器に比べて価格が安いのだけは歓迎ですが、性能には一長一短があって、どのタイプにも満点はあげられません。 超音波式加湿器
中で、最もお勧めできるのは超音波式です。他の2種に比べると断然静かで加湿性能も強力です。 ただし、(水滴の粒が大きいのか)蒸気の霧が空気に融けて消える前に床に下りてきてしまいます。なるべく高い場所に置いたり、温風が吹き出す床の換気口の付近に設置するなどの工夫が必要。なるべく真上に勢いよく蒸気を吐き出す加湿器が良い加湿器です。 加湿器の周りは、蒸気で少し涼しくなります。寝ていて、身体を冷やしたりしないよう十分な距離を取るよう注意してください。
手入れの手間はかからない方ですが、時折、蒸気の通り道を洗って掃除しないと、水垢のようなものがついてきて、ほっておくと不衛生な臭いがしてきます。 冬の間、毎日使用し続けるなら、2週間から1ヶ月に一度は分解して掃除しないと、水道水のミネラルが付着して故障してしまいます。 超音波を発生する部分に酢をかけて30分間放置。その後、使い古しの歯ブラシで磨いてあげてください。 フィルター式加湿器
フィルター式の加湿器は、ファン(扇風機)の力で、室内の空気が、たっぷり水のしみ込んだフィルターを通って循環する仕組み。目に見える蒸気の霧が出なくて周囲の空気が冷えないのが最大の長所です。 ただし、加湿性能を上げるためにファンを最強にセットすると、アメリカのメーカーは音に鈍感ですから、ファンがブルブル壊れそうな音を立てて回り出します。 メーカーによって程度は違いますが、日本人なら、弱に設定しても、夜は気になって眠れそうにないような製品もあります。購入時に音の大きさを確かめられないので困りますが、メーカーで言えば、サンビーム(Sunbeam)製品には、比較的に静かな加湿器を作ろうという気配りが感じられます。 もう一つの問題点はフィルターにカビが生えやすく、頻繁に取り替えなければならないことです。何日に一度取り替えるようにとは書いてありませんが、1週間もしないうちカビが生え始めます。フィルターは10ドル…金に糸目はつけない豪気な方でも、薬局の棚に在庫も多くないので買い置きしづらいので、カビによる健康被害がご心配でしたらこのタイプはお使いにならない方がよろしいと思います。 スチーム式加湿器
最後はスチーム式。スーパーの薬局などで多数売られているタイプは、水に少量の塩を加えることによって電流が流れやすくなりスチームの量が増加します。 小さな部屋で少し湿気を高めるだけならよい加湿器ですが、塩を大量に入れて景気よく加湿しようとすると、お湯が煮えたぎって恐ろしく沸騰する音が聞こえてきます。 (100度以下とはいえ)熱に弱い材質の上には置けませんし、ひっくり返したら大変ですから、子供の手に触れないところ、少しでも安全な場所に設置するようお勧めします。 あまり音がしないと宣伝している高級品もあるようですが、スチーム式を選ぶなら、むしろ重心が低く安定した普及品を買う方が賢い選択かもしれません。 |