海水浴に出かけるときは、誰でも「日焼け」を意識するものですが、特に男性の場合、車の運転中の「日焼け」までは、さほど気にしてはいないのではないでしょうか?アメリカは、5〜6時間のドライブなど当たり前の世界です。うっかりしていると、窓側の顔や腕だけ真っ黒という半焼け状態になることがありますからお気をつけください。 紫外線と日焼けの種類 ところで、紫外線(UV=Ultra Violet)は波長の長さによって3種類に分類されます。同じ電磁波でも、波長の長い赤外線は身体の芯までじんわり浸透して優しく暖めてくれますが、そもそも紫外線はX線や放射線のように人体には危険な存在です。
したがって、3種類の紫外線の中でも波長が一番短いUVCが最も危険なのですが、上空のオゾン層がフィルターとなって地上の生物を守ってくれています。 二番目に危ないUVBを浴びると、肌の表皮は次第に傷ついて赤くなります。アメリカの日焼け止め(Sunscreen)にも表示されているSPF(Sun Protection Factor)は、SPF10とあれば、表皮が日焼けして「肌が赤くなるまでの時間」を10倍引き伸ばすことができるという意味を表しています。肌の強さには個人差がありますから、一律に何時間大丈夫とは言えないのですね。 白人が気にしないUVA UVAは最も波長の長い紫外線ですから、表皮を越えて真皮に影響を与えます。真皮にはメラニン細胞があって、紫外線を浴びると皮膚の細胞を保護するためにメラニンを形成します。日本人は日焼けで肌がすぐに黒くなるのでUVAを気にかけますが、遺伝的にメラニンが少ない白人はなかなか色が黒くならないのでUVAへの関心が低いようです。 実際、日本の日焼け止めには必ず表示されているPA+〜+++の記号も、日本で開発された「肌が黒くなるまでの時間」を引き伸ばす効果の基準⇔アメリカには今のところ公式の基準がなく、メーカーが各々の基準でUVA Protectionなどと表示しているだけです。 日焼け止めの成分 日焼け止めの容器の裏には、有効成分(Active Ingredients)と非有効成分(Inactive Ingredients)の表示があります。たまたま家に残っていた日焼け止めの容器を集めてきて、アメリカにはどんなタイプの日焼け止めがあるのか有効成分を分析して調べてみました。 私はゴルフをする機会も多く、若いときに無理な日焼けで日焼けアレルギーになった苦い経験があるので、なるべく最強(SPF50以上)の日焼け止めばかり使っています。同じメーカーでもSPF30を境に弱い方は紫外線反射剤、強い方は紫外線吸収剤と、主要成分が大きく変わるのだそうです。
家内は、腕や足に私と同じアメリカの普及品を塗ることがあっても、顔には必ず日本のブランド品を使ってきました。最近、ようやくその気になってアメリカ製を試してみたところ、アヴィーノやニュートロジーナならば何とか合格なんだそうです。 家にあったニュートロジーナはSPF30で、有効成分は酸化チタンのみ。極めて単純な成分構成でした。酸化チタンや酸化亜鉛は紫外線反射剤で、UVAもUVBもブロックします。アヴィーノはSPF55で、これにはUVAとUVBを吸収する5つの有効成分が含まれていました。 これと比較してみて驚いたのが、スーパーで買ったPB(プライベートブランド)商品…有効成分に関する限りはアヴィーノのSPF55にそっくりですから、効き目に遜色はなさそうです。そういえば、容器に「UVAにも効果あり」と書いてあります。 A社の普及品にはUVA日焼けを防止する成分はほとんど含まれていませんでした。これでは、肌の炎症だけは避けられても、こんがりと黒く日焼けしてしまいます。法律で決まった基準がなくても「UVA Protection」と書いてあるかないかで、ある程度の目安になるのでしょう。 気をつけなければいけないのは、有効成分だけではありません。中には、20〜30の非有効成分=添加剤が入っている日焼け止めもありますから、注意しましょう。 A社の普及品は水や汗に強いと聞いて買って試してみたのですが、家内はかぶれるので使うことができません。今回あらためてよく読んでみると、非有効成分の中に、家内が苦手のアロエのエキスが入っていました。 首筋にも丁寧に塗りましょう 日焼けは皮膚ガンの原因になりますから、日焼け止めでしっかり予防する必要がありますが、化学的な紫外線吸収剤の中には発ガン性があるといわれているものもあるようですから、使用後はなるべく早くきれいに洗い落とすよう心がけてください。 最後に(ちょっと後悔している)家内から一言…日焼けは肌の老化を促進します。ゴルフの際には、日焼け止めを、顔だけではなく、首筋にも丁寧に塗るようお気をつけください。でないと小じわが増えてきてしまいますよ。 |