もうお忘れかもしれませんが、リーマンショックに続く世界不況の引き金になったのが、「サブプライム住宅ローン」の過剰融資による住宅バブルの崩壊でした。 (経済的な)信用力がある人に対する融資が「プライム・ローン」。それに対して、サブプライムといえば「二級品」のことで、「サブプライム住宅ローン」とは、低所得者や延滞履歴などがあって信用度の低い人たちへの融資でした。 高いクレジットスコアは必要? 短期間で帰国する日本人の皆さんにとって、(経済的な)高い信用力が必要かというと、そうでもありません。ただ、家を買ったり、車をローンやリースで購入しようとすると、問題になります。 高い信用力がないと、車のローンが組めないかというと、全く組めないわけでもないかもしれませんが、一般の人と比べてとんでもなく高い金利を払わなければならなくなってしまいます。 アメリカには、個人の信用力を評価する会社が複数ありますが、FICOという会社の最高850点で最低300点のクレジット・スコアが、最も広く使われているようです。 FICOの点数でサブプライムの債務者とみなされるのは普通620点未満の人々で、クレジット・スコア自体がない低所得者と合わせると、全米人口の約25%になります。 余談に一時戻りますが、2004年以降の数年は、サブプライム住宅ローンの比率が全住宅ローンの20%にものぼったというのですから、金融機関は誰彼かまわず喜んで貸したと見ていいでしょう。 皆さんが自動車ディーラーに行って「ローンは借りられますか?」とたずねると、お名前とソーシャルセキュリティナンバーと誕生日を教えてくれと言われるでしょう。これをパソコンに入力すると、皆さんの信用力の点数が何点か分かりますから、それをもとにマネージャーがメーカー系列の金融機関と話し、金利などの条件をつめる段取りです。。 アメリカの信用履歴はゼロから出発 北米においでになる大半の日本人の皆さんは、日本のクレジットカードをお持ちでしょう。アメリカで同じビザやマスターカードを持つのに、手続きに時間がかかるのに不思議ですが、アメリカでは日本で築いた信用力が役に立ちません。 以前は、渡米したばかりの日本人にも、日本人に理解のある銀行が低利のローンを組んだり、日系クレジットカード会社が簡単に米ドル建てカードを発行したりしていたものですが、行政指導が厳しくなって特別扱いができなくなってしまいました。 一つには、国籍によって融資の審査基準を変えれば人種差別につながるおそれがあること、もう一つは、日系金融機関が現地金融機関に対して不公正な競争をしてはいけないということでしょう。 いずれにせよ、アメリカの信用力を築くには、まず現地銀行で口座を開き、その銀行や日系クレジットカード会社でクレジットカードを発行してもらうことです。毎月、クレジットカードの請求書が送られて来ますが、支払い最低額さえ延滞しなければ、1年もすると高い信用力のある人にランクアップしますから、それまでは我慢してください。 |