アメリカの 「くるまとドライブ」・e-ガイド(印刷ページ

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定期点検と常備品

★整備点検スケジュール ★オイル交換 ★タイヤ・ローテーション ★お勧め常備品


エンジンの構造

@吸入A圧縮B爆発C排気

 アメリカに車検制度はありません。自動車の整備点検は自己責任…ただし、必要な整備点検を怠ると車が痛んで具合が悪くなり、故障などのトラブルが続いたり売却の際に買い叩かれたりしますから、愛車に心をこめてしっかり管理してください。


整備点検スケジュール


 お車の購入時に、メーカーお勧めの整備点検スケジュール表を受け取っておられると思います。どのメーカーの車も同じかどうか分かりませんが、私たちが今まで乗っているトヨタ車のスケジュール表は次の通りです。

 一般のドライバーの場合は、7千5百マイル(または6ヶ月以内)毎に、オイル交換とタイヤ・ローテーションおよび簡単な点検が必要です。

 ただし、舗装されていない道路やほこりの多い道路を運転する人、トレーラーやキャンピング・カーなどを牽引する人、氷点下で5マイル以内の運転を繰り返す人は、5千マイル(または4ヶ月以内)毎がお勧めです。

 どちらの場合も、1万5千マイル(または1年)毎に所定のまとまった整備が必要です。


オイル交換


 自動車のメカに暗い方に、念のためご説明します。

 まずはエンジンオイル…エンジンの中ではピストンが高速で上下しています(右図)。エンジン・オイルは、エンジン・ルームとピストンの潤滑油で、油膜により金属の摩擦や磨耗を減らすほか、密封、冷却、清浄、防錆の効果でエンジンを守っているのです。

 長距離を走っている間に、徐々に金属片や水、燃えカスなどがたまったり添加剤が酸化したりして働かなくなったりで、定期的に新しいオイルに交換しなければなりません。昔は、一度もオイル交換をせずに社用車を何万マイルも乗り回し、最後にエンジンを焼き付かせて壊してしまった大物駐在員もいました。


タイヤ・ローテーション


 次にタイヤ…タイヤは前後左右はめる位置によってすり減り方が違いますから、接地面にひずみが出てきます。そこで、四輪がなるべく均一にすり減るよう時々配置換え…これがタイヤ・ローテーションで、安全な状態でタイヤを長持ちさせる秘訣です。一緒に空気圧も見てもらいましょう。ローテーションや空気圧の調整を怠ると、燃費にもよくないと言われています。タイヤの空気圧は、気温が下がると空気の収縮により低下しますから、秋から冬にかけては、特に気にかけてチェックしましょう。

 整備点検の料金は、同一メーカー同一料金とお思いかもしれませんが、実はディーラーごとに違います。サービスの種別料金表が詳しく公開されていないので簡単に比較ができませんが、私たちの近所には同一メーカーの2軒のディーラーがあり、一方は混み、他方は常に閑散としています。アメリカ人は、よく見ているのですね。整備点検は、必ずしも車を購入したディーラーにお願いする義務はないわけです。


お勧めの常備品


 アメリカの土砂降りは日本より大粒なのではありませんか?雨の激しさと車のスピードで、ワイパーをいくら早く動かそうにも一寸先が見えないこわい経験をすることがあります。こんなときには、日本でも売っている「Rain X」というフロント・ガラスの水滴をはじく油膜液をフロント・ガラスに塗っておきましょう。明らかな効果があります。一度塗ったら、1ヶ月くらい持つのもありがたいことです。少々の雨なら、ワイパーなしでも運転できます。

 冬が近付いたら、雪が多い地方では、冬場の常備品セットを確認しておきましょう。フリージング・レインでこびりついた氷をはぎとる道具や溶雪スプレーは積みましたか?南部に住む皆さんも、北に旅行なさるときは、ウインドー・ウォッシャー液を満タンにしてお出かけください。ひどい雪のときは、フロント・ガラスに四六時中液をかけていないと、シオ(自治体が道路に撒く溶雪剤)で汚れて、前が全く見えなくなります。