ゴルフ場などで見かける鹿は愛らしい動物ですが、高速道路に飛び出してくると恐ろしい凶器に変ってしまいます。 秋の交尾期が危険 鹿は秋が交尾期で、10月から12月が鹿と車の衝突事故がピークを迎える季節です。 私自身も、I-65のケンタッキー川ブリッジ付近で鹿に遭遇…間一髪難を逃れた経験がありますが、相手は車を見て立ちすくんでいましたから、とにかく急ブレーキをかけて止まるしかありませんでした。 とっさにハンドルを切ると、車がコントロールできなくなって道を飛び出したり、他の車とぶつかったりして、さらに危険が増します。普通の鹿なら体重は100キログラム足らずですから、仮にぶつかっても最悪の事態だけは避けられます。 しっかりした統計はないようですが、保険業界の推定によれば、鹿と車の衝突事故は全米で1年に150万件起きて損害額は11億ドル、1万人以上が怪我をして150人が亡くなるのだそうです。 鹿と車の衝突事故の件数が多いのはペンシルバニア州、以下AミシガンBイリノイCオハイオDジョージアEミネソタFヴァージニアGインディアナHテキサスIウィスコンシンと続きますが、州の人口比を考えると、ケンタッキーやウェストバージニアも危険地帯に入りそうですね。 シカ笛は効果なし 鹿が頻繁に出没する道路には「DEER XING」という標識があります。「X」は「交差=クロス」です。「Deer Crossing」は「鹿の横断に注意」と読み替えてください。 とはいえ「落石注意」と同じで、どう注意したらよいのかが問題です。鹿が嫌がる超音波を出す「Deer Whistle=鹿除け笛」という車のフロント・バンパーやグリル付近に付ける器具がありますが、保険業界は「笛に効果なし」と決め付けています。結局、周囲をよく見てスピードを落として運転するしかなさそうです。 夜間運転はハイビーム ちまたの噂では、夜、鹿は光に向かってくる習性があるので、車のライトを落として運転するとよいと聞いていたのですが、保険業界の説明では、できるだけハイ・ビームで遠くまでよく見て運転するようにしなさいとのことです。 カナダに旅行に行くと、トナカイ(カリブー)と遭遇することもあるそうです。雄のトナカイの体重は300キログラムもありますから、まともにぶつかると車の方が大破してしまう危険があります。 はねたら届出義務 運悪く鹿をはねて殺してしまった場合はどうしたらよいのでしょう。アメリカ人には趣味で鹿狩り(Deer Hunting)をする人もいるくらいで、鹿肉は珍重されます。ですから、家に持ち帰る選択もあるわけですが、法的には「獲物」として届出をしなければならない州が多いようです。放置して帰る場合でも、州警察や自然保護局に連絡して死体が後続のドライバーの邪魔にならないよう片付けてもらわなければなりません。 www.jlifeus.com(アメリカ生活・e-百科) Copyright © 2001-12 KJBusiness Consulting, LLC All Rights Reserved |