アメリカの 「季節と行事」・e-ガイド(印刷ページ

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セントパトリックスデー(聖パトリックの日)

★アイルランドのカトリック教徒のお祭り ★コンビーフ&キャベツ ★ケルト民族


アイルランドのカトリック教徒のお祭り


 3月17日は、5世紀にアイルランドの地にカトリック修道院を開き初めてキリスト教を布教した聖パトリックの命日です。アイルランドでは正式な祝日ですが、アイルランド系移民の子孫が多いアメリカでもやはりおめでたい日のようで、各地で盛大に祝われます。

セントパトリックスデーに川面を緑に染めたシカゴ

  聖パトリックは、キリスト教の教義(三位一体説)をシャムロックという三つ葉のクローバーを用いて説いたと伝えられることから、「緑」がアイルランドのシンボルカラーになりました。

 アイルランドには全く関係のないアメリカ人も便乗して、緑色の服を着て出かけ、ギネスや黒ビールを飲み、アイルランド料理の「コンビーフ&キャベツ」を食べて遊び歩きます。

 この日は各地で「緑」が街をいろどりますが、中でも、川面全面をグリーンに染めるシカゴ川のイベントは有名です。


コンビーフ&キャベツ


 コンビーフ&キャベツは、ブリスケット(肩ばら肉)というウシの胸の筋肉を野菜と一緒に長時間煮込む料理です。面倒そうですが、肉が型崩れしないので、吹きこぼれしないように大きめの鍋を使えば、火にかけてほっておくだけで手間はかかりません。

 出来上がりは「缶詰のコンビーフ」そのままの味のある肉になります。コンビーフの「Corn」は塩粒という意味で、もとはハムと同様に塩漬けされた保存食です。血圧が高めの方は、控えめにお召し上がりください。

ニューヨーク市警のパレード

 


e-レシピ 牛肩ばら肉をじっくり煮込んでアイルランド料理

聖パトリックは“コンビーフ&キャベツ”と黒ビール

 3月17日のセントパトリックスデーには、アイルランド系でもカトリック教徒でもない人たちまで、緑色の服を着て街に出るのが北米各地の風習です。この日の食卓の献立は、アイルランド系アメリカ人が大好きな家庭料理「コンビーフ&キャベツ」と黒ビール。牛のブリスケット(肩ばら肉)は胸の筋肉で少し硬めですが、じっくり煮込むと「缶詰のコンビーフ」のように味がある柔らかい肉になります。全文を読む (2012年2月)


ケルト民族


アイルランドの音楽と踊り

スコットランドのバグパイプ

 アイルランドは、スコットランドとともにケルト民族の国です。両国ともゲルマン系の強国イングランドに無理やり併合されました。

 17世紀にはスコットランドからアイルランドに移民したプロテスタントの人々が新天地で飢饉に襲われ、さらなる新天地のアメリカに渡ってきました。

 18世紀からは、アイルランドのカトリック教徒の人々がアメリカにやってくるようになります。ケルト民族の文化は、音楽をはじめアメリカ文化の形成に強い影響を及ぼしました。

 アイルランドとイギリスの歴史は「アメリカの社会と文化・e-百科」の「人種と移民問題」のページに書きましたので、ごらんください。