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アメリカ生活・e-ニュース

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2007年2月15日(第8号)

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フリージング・レインにご注意

 過冷却(氷点下)の雨粒が着地のショックで凍ります

 1〜2ヶ月前にオクラホマを中心に大規模なフリージング・レインが降りました。北米ではありふれた気象で、軽ければスリップ事故に気をつける程度で済みますが、レキシントンで2003年2月のフリージング・レインを経験した私たちは、ケンタッキーまで来ないように祈り天気予報を冷や冷やしながら眺めていました。

 フリージング・レインは、比較的暖かい上空の気流に運ばれてきた雨が、地表に達するまでに冷たい気流で氷点下に冷やされて着地と同時に凍結する気象です。テレビで実験を見たことがありますが、水は、不純物なしに静かに冷やしていくと摂氏0度以下になっても氷りません。これを過冷却というのだそうですが、机をたたいて軽いショックを与えるだけで一瞬にして凍ります。これが、自然界で起きるとフリージング・レインというこわい雨になります。

 

 2003年2月15日土曜日の夜に始まったフリージング・レインは、木々にまつわりつき、氷の重さで次第にしならせ、幹や太い枝を倒したり折ったりして市内各所で電線を切断、11万5千軒が停電しました。停電すると、電気暖房なら当然ですが、ガス暖房でも暖が取れなくなるのが普通です。温かいお湯も普通は出なくなります。要領がいい被災者は、即座に決断してホテルや学校など臨時の避難所に逃れました。我が家は、16日日曜日の朝から18日の夕方まで約60時間にわたり停電。外は-5℃の寒さでしたから、暖炉の前で家族全員が身を寄せ合い、手動で(初めて)ガスに着火し、寝袋や布団にくるまって寝ましたが、それでも寒いの何のって〜。

 日本人駐在員は、木々がまだ大きく育っていない新興団地に居をかまえ、助かったご家族が多かったようですが、皮肉なのは、私たちの悲劇的な体験も、停電しなかった家の皆さんには全く実感できないことです。私は、当時の掲示板で日本人の被災者仲間に声をかけ、それぞれが味わった辛酸の経験を記録しておきましたので、冬の非常時対策として是非お読みください。ガス代が上がって、最近の新築の家は電気暖房が増えているせいか、先日(=2月5日)に電気使用量が夏場のピークを上回ったのだそうです。冷房の使い過ぎで夏に大停電が起きることもあるくらいですから、暖房の使い過ぎで冬に大停電が起きてもおかしくはない…くわばらくわばら。

 一つ前の記事でご紹介した94年1月のアイス・ストームは、赴任の1年前の出来事ですから私自身は知らないのですが、やはり同規模の大停電が起きたのだそうです。ケンタッキーに見えたばかりのある方が、車に乗ってフリージング・レイン見物をしていたところ、ドアが凍りついて車に閉じ込められてしまったそうです。笑い話でおっしゃっていましたが、誰も助けに来てくれなかったら命に関わる一大事です。地震、雷、竜巻、洪水、フリージング・レイン…皆様どうぞご注意ください。

当時の掲示板

☆− Winter Storm 2003 シリーズ - KJBusiness 山田 03/02/21(Fri) 06:08
    └ Re: Winter Storm 2003 シリーズ - 増田 浩二 03/03/04(Tue) 23:05
    └ いざとなったら戸惑ったこと - さくら 03/02/23(Sun) 01:53
    └ あってよかった!しまった、ない! - さくら 03/02/23(Sun) 01:47
    └ 暖房…まるでマッチ売りの少女 - KJBusiness 山田 03/02/21(Fri) 06:11 
    └ 情報…テレビもない、電話もない - KJBusiness 山田 03/02/21(Fri) 06:10 

投稿時間:03/02/21(Fri) 06:08
投稿者名:KJBusiness 山田
タイトル:Winter Storm 2003 シリーズ
今日は20日木曜日、雲間からようやく日が差してきました。木々の枝から氷が涼しい音を立てながら崩れ落ちていきます。お辞儀どころか、地面に土下座していた我が家の白樺も、さっきからむくむくと再び頭をもたげてきました。外気温も摂氏8度まで上がっています。

レキシントン地区に空前のフリージング・レインが降ったのは2月15日土曜日の夜のこと。木々の幹や太い枝が氷の重さで倒れたり折れたりして電線を切ったために11万5千軒が停電。自宅で暖の取れない人たちはホテルや学校など臨時の避難所に逃れました。5日目の今朝になってもまだ2万5千軒が停電のまま。日本人の皆さんの中にも、まだ不自由な生活をなさっている方々もいらっしゃるようです。

私たちは、16日日曜日の朝から18日の夕方まで被災しました。皮肉なのは、今回の災害のひどさが、停電しなかった家の皆さんには全く実感できないことです。被災者の皆さん、本欄でそれぞれなめた辛酸の味を披露し、貴重な経験を将来の糧として記録しようではありませんか。94年の1月にも「冬の嵐」と大停電があったそうですが、誰も停電対策なんて教えてくれませんでしたよね?
 
投稿時間:03/03/04(Tue) 23:05
投稿者名:増田 浩二
タイトル:Re: Winter Storm 2003 シリーズ
写真をとってホームページ作ってみました。
http://members.tripod.co.jp/kojimasuda/index.htm
です。しかし、友達に見せても「あぁ〜キレイだねぇ〜」とか
言われてしまって、どーもうまく伝わらないのですが・・・。
 
投稿時間:03/02/23(Sun) 01:53
投稿者名:さくら
タイトル:いざとなったら戸惑ったこと

 日曜日の朝、お手洗いに行って停電に気がつきまず思ったのが「トイレを使って良いのだろうか?」ということ。日本での職場はトイレの洗浄水に井戸水を使っていたため、電気が止まると地下水汲み上げポンプが止まり、そこで水を使うとポンプに空気が入ってしまい壊れてしまうのです。アメリカの集合住宅の水道の仕組みを知らないのでとても不安でした。そして、もう一つは排水していいのか?これはその後ラジオで「汚水排水にポンプを使っていると、ベースメントや1階のトイレが溢れる」と言っていました。そこでまた主人に「流しちゃって良いの?」と聞いたら「うちは最上階だからだいじょうぶ!」ですって。そう言う問題じゃないと思うんだけど…。
他にも、信号が消えた場合は4way-stopになることなどは確かに教則本に書いてありましたが、言われるまですっかり忘れていました。こういった生活上注意するべき情報なども繰り返しラジオで流しているので、英語が苦手でも頑張って聞く価値はあると思いました。学校に行っているお子さんがいるご家庭なら、一緒に聞いてお子さんの語学力テストにもなるのでは?
 学校と言えば、13チャンネルが見れなくて困った、という人もいらっしゃるのでは?LEX18、WKYT27チャンネルでは学校その他公共機関のクローズド情報が随時字幕で流れています。天気の注意報警報も画面右上に出ます。今回は医療機関もだいぶこの字幕情報を流していました。

 ラジオで「あそこに灯油売ってるよ」「プロパン売ってるよ」と情報が流れていましたが、びっくりしたのは発電機に関する情報や質問がやたら多かったことです。一般家庭でどうやって使うのだろう??とびっくりしました。うるさそうです・・・。そして発電機の盗難も多くあったとか。

日本では冬用の暖かい布団や毛布があるし、お客様用の布団もかき集めればなんとか寒さに耐えられると思うのですが、セントラルヒーティングでベッドの生活では寝具が落とし穴では?私達は日本から布団を持ってきていたので、全部かき集めればなんとかなりそうですが、暖房が止まり、身を寄せる所がなく自宅にとどまる場合に凍えず眠れる対策は必要ですね。山田さんの書き込みを読んで、私も寝袋買おうかと考えてしまいました。

 どこかへ避難して長期に家を空けると空き巣が入る可能性があります。実際あったようです。気をつけたいですね。そして、状況を伝え合うこと。会社や学校は連絡網があるでしょうが、それ以外でもお付き合いのあるご近所やお友達にはどうしているか知らせておきたいですね。
 
投稿時間:03/02/23(Sun) 01:47
投稿者名:さくら
タイトル:あってよかった!しまった、ない!
 こういう災害時にはアナログな生活が一番、と実感。
 まず電話。10ドル20ドルで買える、電気に頼らないシンプルな電話機も使っていたので、電話は自由に使えました。おかげでラジオで聞くまで、電気に頼る電話機は使えなくなるということを知りませんでした。携帯は遅かれ早かれ電池が切れます。主人曰く「車のシガーライターから充電するの、買おうか?」ですって。使ってる方いらっしゃいますか?
 つぎにろうそく。アメリカのキャンドルは和ろうそくよりずっと大きく、何日も持ちそうです。幸い以前メリーランドに住んでいた主人が「雪で停電した時に使った」と言って、何本も持っていました。これなら乾電池の心配もありません。ライターかマッチが必要ですが。その代わり懐中電灯は車に常備しています。
 そしてラジオ。これも主人がたまたまクリスマスプレゼントにシャワー・ラジオを貰ったところで、早速活躍しました。乾電池もたまたまたくさん買い置きがあったので停電初日は安心してラジオをつけっぱなしでした。ラジオ局?AMでニュース局があることだけは知っていましたが、周波数までは知りませんでした。でも他にすることがないから暇に任せてあれこれ探して山田さんお勧めのAM590に到達しました。火曜日に近所のradio shack に行ったら、たくさんあった安価なラジオの在庫があと一つだけになっちゃったと言っていました。
 そして一番持っていてよかったと思ったのはやはりスキーウェアとスキーグローブ。こんな風に使うとは日本では考えもしませんでした。

 逆にしまったと思ったのは「非常食」。子供の頃には家に乾パンや缶詰などが常備されていたのを思い出しました。でもアメリカではどのようなものを常備すればよいのでしょう?主人に聞いても「???」。停電初日の日曜日、幸い開いていた近所のスーパーでみんなの買物内容を観察すると、大量のソーダ類と特大サイズのポテトチップス。アメリカ人はこんなもんなんでしょうか。とりあえず冷たくても飲めそうな缶スープとクラッカーとピーナッツバターを買ってみました。油漬の魚の缶詰は主人が嫌いでパス。果物の缶詰を食べるにはこの時期寒そうなのでこれもパスしました。夏には果物の缶詰も買おうかな。竜巻災害に備えて。

暖房も調理も全て電気に頼る我が家では、身を寄せる先があったのをこれ幸い、あっさり自宅を見放し避難してしまったので、とりあえずはこんなものでした。
 
投稿時間:03/02/21(Fri) 06:11
投稿者名:KJBusiness 山田
タイトル:暖房…まるでマッチ売りの少女
あまり考えたことがなかったのですが、ガスの暖房といっても、電気が止まると止まってしまうものなのですね。ウォーター・ヒーターも…。レンジは当然使えません。でも、日本人のご家庭は、鍋物用に、たいてい卓上のガス・コンロを持っていますから、調理とお湯を沸かすのは大丈夫ですよね。ただし、ガス・ボンベの買い置きがないと大変。「だから、買っとけって言っただろう」なんて、こんなときにけんかしないでください。

外気は摂氏マイナス5度。我が家の暖炉はガス…8年目にしてぶっつけ本番、ちゃんと点いてくださいよ。着火ライターをかざし、じゅうたんに埋もれているガスの栓をひねる、点いた、一安心。でも、煙突の中のシャッターと暖炉の通気口を開けるのを忘れずに(やけどしないでね)。プロパンのボンベをつなぐタイプもあるようです。まきをたく人は、早く買いに行かないとだめ。今回も、日曜日の午前中に売り切れてしまったそうです。最近は、アメリカでも安普請の家があるようで、木製で見せ掛けの煙突を本当に使って火事になった人もいるそうですから、まさかとは思いますが、この点も注意しましょう。

普段は素敵な広くて開放的なリビングも、暖をとるには狭くてドアのある子供部屋にかないません。しかたなくテーブル・カバーやシーツをピンで留めて、隣室と一応仕切りましたがなかなか暖まりません。空調スイッチに付属の温度計には摂氏約10度から上の目盛りがあるのですが、月曜日には針が下に振り切れてしまいました。結局、直接、熱が当る所に親子集まり、床は冷え切っているのでソファーの上に、綿帽子をかぶりスキー・スーツで厚着して寝袋に入り布団をかけて…やり過ぎて少し汗が出てきましたが。

アメリカ人の間では、灯油のストーブと灯油がひっぱりだこ。小さな部屋で閉め切って使ったのでしょう、一酸化炭素中毒になる人たちが続々と病院に担ぎ込まれたようです。中には、バーベキュー用コンロを使った人たちまでいるとか。ちなみに灯油は「Kerosine」、今回の事件で覚えた英語です。ラジオで灯油があると聞いて来たのに売り切れていて、それでも次の入荷を朝の11時から待っているという人が水曜日の夜のテレビ・ニュースに出ていました。
 
投稿時間:03/02/21(Fri) 06:10
投稿者名:KJBusiness 山田
タイトル:情報…テレビもない、電話もない
何よりも明かりが大切。懐中電灯は大小6本もあったのですが、長期戦には乾電池の在庫が必要。日曜日の午後、ウォル・マートに行ったらほかの電池はあっても単一の乾電池が1個もない。手遅れかっと私たち夫婦顔を見合わせていると、「はいっ、D電池。これが最後のボックスだよ」、いっぱい買い込んでまいりました。

テレビが映りませんから、ラジオでニュースを聞いていました。電池で聞けるラジオが少なくとも1台は必要です。今まで真剣にラジオ局について調べたわけではなかったので、どの局が緊急事態に良いのか分からない。そこで、「レキシントン・ガイド」という本を取り出して、おもむろに、ふむふむっAM590のWVLK=24時間ニュース局でも聞いてみるか…すごいすごいっ、ずっーと Winter Storm 2003 特集、市やKU(電力会社)の公式会見の合間は、市民からの照会、苦情、何でも電話で受け付けて放送しているので、品薄のものはどこの店に行けばあるとか、暖をとるちょっとした工夫とか。実際役に立つ情報もあってありがたかったけれど、寒くてじっとしている間、何よりも楽しませていただきました。

神戸の震災のときにはインターネットが役に立ったということで、私も何かしなければと一瞬思ったものの、停電で私自身パソコンが使えないし、困っている人たちも使えないはずだし、あっさりあきらめました。せめて、私たちが家探しをお手伝いした人たちがどうされているかと電話をかけようとして、2本の回線のうちの1本がつながるのが分かりました。受話器に電池のバックアップ機能がついていたのですね…すっかり忘れていたけれど。携帯は充電できないし、できる限り温存。本当に助かりました。

 

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