ケンタッキーの気温…今年は暖冬から厳冬に急降下

　雪休み宣言が外れて教育委員会にブーイング

　この記事を書いている本日（=2月10日）時点で、レキシントンの今年（=07年）年初来の平均最低気温は-4.4℃…下のグラフと表をもとに「今年の気温は平年並み」と言えないこともないのですが、昨年末からけっこう暖かい日が続いて油断していただけにこのところの寒さは身にしみます。皆様はいかがお過ごしですか？

　アメリカの商務省と日本の気象庁の資料を調べて、レキシントンと東京の気温の推移を月次で比較してみると夏の最高気温はあまり変わりませんが、1日の寒暖の差が大きく、冬は最高も最低も気温が5〜6度低いことが分かりました。セントラル・ヒーティングのオフィスや家の間を車で行き来していると実感にズレがあるかもしれませんが、最低気温では青森（12月:-1.6℃,1月:-4.3℃,2月:-4.3℃)に負けていません。ぶるぶる〜あらためてお寒うございます。

　例年のことですが、レキシントンの教育委員会が、降雪による休校の決定が不適切だと責められています。2月2日の朝は最低気温がマイナス10度、ちょうど小学生がスクール・バスで通う時間帯に雪が積もりだして市内各所で大渋滞が発生、もうれつな抗議電話が殺到したそうです。

　教育委員会も、あてにならない天気予報のせいにして時に言い訳もしていますが、実際、判断は難しいようです。悪天候が予想される朝は、約10名の幹部職員が遅くとも早朝2時半から市内各所の道路状況を見て回るのだそうです。午前4時半に報告を持ち寄って協議し、休校とするときは教育長に電話で決裁を取り午前5時までにテレビ局に放送を依頼します。「スノー・デイ」を増やし過ぎると、卒業式などが遅れ夏休みのスケジュールに喰い込んでいくので安易には決められません。子供たちは、先のことなど考えていませんから学校がお休みならもちろん大歓迎です。

　ケンタッキー年鑑（クラーク社）によりますと、観測史上最悪の冬は1977-78年だったそうです。12月初めに、セントラル・ケンタッキーの気温は華氏の零下（=-18℃以下）に達したものの、クリスマスにはいったん15℃と寒さは一服、しばらくは暖かい日が続いたそうです。ところが、それからが最悪で、1月15-16日にケンタッキーの中部から西部全域で少ない場所でも10インチ（=25�p）以上の積雪があり、続く25-26日の暴風雪で南東部の一部を除く全州の道路が閉鎖されました。降雪日は1月に19日、2月に12日、3月に入っても7日もあったそうです。オハイオ川も凍りついて船の航行ができなくなりました。

12-2月のレキシントンの平均気温…寒い冬ランキング

　次は、長い間ずっと寒かったわけではなく上記ランキングに入ってはいませんが、1994年1月はトヨタのジョージタウン工場も休止した厳しい冬でした。16日に、これまで穏やかだった天候が一変、ケンタッキーの北半分では1時間に3インチ（=7.5ｃｍ）の速さで大量の雪が降り（総降雪量：ルイビル16インチ、レキシントン10インチ）、南半分ではフリージング・レインで凍結した氷の上に4〜8インチの雪が積もりました。その後も凍てつく極風はおさまらず、19日朝にはシェルビービル（ルイビル近郊）で-38.3℃というケンタッキー州の観測史上最低気温を記録しました。インターステートは17日から20日まで緊急車両を除き閉鎖、学校も会社も休みました。凍結した倒木による断線で停電が相次ぎ、暖炉や石油ストーブに暖を求める人々により失火が相次ぎました。