ダービー@ルイビルに続くイベントといえば、
インディ500@インディアナポリス
寄稿者のご協力をいただき、先月号でお伝えしたケンタッキー・ダービーは、5月5日、ルイビルのチャーチル・ダウンズ競馬場で、久しぶりに訪米なさったエリザベス女王を迎えてひときわ華やかに催されました。第3コーナー前の直線ではまだ最後尾から2頭目にいたストリート・センスが、残り800mでインの最短コースを突いてスルスルと18頭を抜くという天覧試合に相応しい豪快なレースでした。2歳馬チャンピオンを決めるブリーダーズ・カップ(1984年〜)を制した馬は翌年のダービーで惨敗するというジンクスを、ストリート・センスが軽く葬り去ってしまいました。
エリザベス女王の訪米はかなり珍しい出来事のようです。今回は、ヴァージニア植民400周年の記念式典ご出席が主目的だったようです。ちなみに、前回は1976年の合衆国独立200周年記念式典でした。帰りに立ち寄られたホワイト・ハウスのパーティーには、ストリート・センスの騎手Carvinさんもしっかり招待されていて、いかにも幸せを噛み締めているようでした。
さて、近隣諸州で次なる大イベントと言えば、間違いなく「インディ500」です。正直に申し上げると私はモーター・スポーツに詳しくないのですが、勉強しながら皆さんに説明させていただきます。ダービーは5月の第一土曜日でしたが、「インディ500」は5月最終のメモリアル・デイ・ウィークエンドに行われます。1911年に始まったこのレースは、F1モナコGPやル・マン24時間レースと合わせて世界3大自動車レースと呼ばれています。
そもそも自動車レースは、写真のように、車の種類で、1座席のフォーミュラ(オープン・ホイール)、2座席のプロトタイプ、市販車を改造したツーリングカーの3種類に分かれます。
フォーミュラ
ルノーF1(2002)
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プロトタイプ
ポルシェ956(1985)
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ツーリングカー
トヨタ・カムリ
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競技場としては、伝統的にアメリカ人が楕円形(オーバル)のスピードが出るコースを好むのに対してヨーロッパではヘアピン・カーブなどがあって多彩な運転技術が要求されるコースを好みます。インディアナポリス・モーター・スピードウェイはオーバル・コースの草分けで、「インディ500」は1周2.5マイル(4q)を200周する全長500マイル(800q)で争われます。観客数は公式発表されていませんが27万人を超えるといわれており、1日のスポーツ・イベントとしては世界最大です。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイは、なかなか面白い施設です。パブリックのゴルフ・コースが隣接していますが、一部のホールがサーキットの中にあるのが写真でお分かりですか?米シニア・ツアーで活躍していた青木功選手が、1994年にレキシントンのカーニーヒルズからこのブリックヤード・クロッシングに転戦して連続優勝を果たしたというゴルフ場です。
楕円の中にカーブの多いバイパス(点線)が走っていますが、これはヨーロッパ主導のF1世界選手権のレースをアメリカに呼び戻すために作られた「USグランプリ」専用のコースで、全長は2.6マイルと「インディ500」に比べ多少長めです。
昨年の大会では、4周の走行テストで最高時速228.985マイル(366km/h)をマークしたSam
Hornish
Jr.がポール・ポジションを取り、平均時速157マイル(251km/h)=3時間10分のタイムで優勝しました。今年の決勝は、5月27日の正午スタートです。
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