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2012年8月15日(第74号)


アメリカの洗剤選びB 洗濯機・乾燥機用の洗剤と柔軟剤

 お勧めはターゲットPB商品、無香・無色洗剤が無難

 69号の「流し(シンク)周りの洗剤」、70号の「コンロ周りの洗剤」に続くアメリカの洗剤特集第3回は、洗濯機・乾燥機用の洗剤や柔軟剤についてご案内します。

HE洗剤のマーク

=== ≪HE洗剤≫ ===

 アメリカの洗濯機については別の記事で詳しく説明しまましたが、一般の洗濯機のほかにHE(High Efficiency=高性能)洗濯機があり、HE洗濯機には専用洗剤が必要です。HE洗剤は普通の洗濯機に使えますが、普通の洗剤をHE洗濯機に使うと十分に汚れが落ちません。

=== ≪フリー&クリアー≫ ===

 一般的に、アメリカ人には日本人より強い香りを好む傾向があります。日本には、日本人的にほどよい強さの香りがついた洗剤がたくさんありますが、アメリカで洗剤を買うなら、(少し高めでも)無香料で無色透明(無染料)の洗剤が無難です。英語では「Free & Clear」または「Free of Perfumes and Dyes」と表示されています。特に、アトピー性皮膚炎などアレルギーがある方がご家族の中におられる場合は、絶対条件です。

=== ≪洗浄能力テスト≫ ===

 洗濯機用洗剤のブランドは数多くありますが、スーパーで普通に見かけるのは、Tide, Gain, all, Purex, cheer, Arm & Hammer, Era等々とスーパーのプライベートブランド商品。メーカーではプロクター&ギャンブルが最大手で、タイドもゲインもチアーもプロクター&ギャンブルの洗濯機用洗剤。ブランドは、各社が合併したり別れたりするたびに渡り歩きますから、メーカーよりブランドや製品を覚えておくしかありません。

 洗浄能力については、まず下の動画をごらんください。コンシューマーレポート誌が2011年11月に比較テストした結果を一部公表しています。

 最近は、X2(2倍)X3(3倍)X6(6倍)などの濃縮洗剤が売り出されるようになりましたが、洗濯1回分の用量で比較すると価格はほとんど変わりません。液体だろうが粉末だろうが、洗剤のタイプが洗浄力の強弱には特に関係しないことも分かっています。

 高級洗剤ブランドのタイド(Tide)は、さすがに全製品ラインで合格基準に達したそうですが、だからといって安い洗剤がダメだったわけではありません。トップレベルの洗剤の中に、洗濯1回分のコストが17セントのウィスク(Wisk)やわずか11セントのアップ&アップ(ディスカウントストア・ターゲットのプライベートブランド商品)が入っていま。

 アップ&アップの洗浄力は、グッドハウスキーピングの商品テスト(2012年3月)で、もっと具体的に分かります。テストは、コーヒーや油など日常的に多い20種類のシミについて洗浄力を試されました。

 結果、74種の洗剤の中でトップに立ったのは、ウルトラ・タイドのブリーチパウダー(洗濯1回分53セント)とパウダー(洗濯1回分42セント)の2種。しかし、アップ&アップが洗浄力で負けたのは、マスカラのシミをお湯で洗って落とすケースと、ワインのシミを冷水で落とすケースのたった2つの実験。価格差を加味したら、もちろんトップ。コンシューマーレポート誌と全く同じ評価です。

 ちなみに、粉末洗剤のお勧めはウォルマートのグレートバリュー洗濯1回分のコストは同じく11セント…洗浄力で負けたのは、お湯でケチャップとマスカラ、冷水で油とクレヨン、グレープジュースの汚れ落しをした実験だけでした。

=== ≪スポット汚れ落とし(Stain Remover)≫ ===

 アメリカには、効き目のいいポイントねらいの洗剤がたくさんあります。下の写真前列は、左からリゾルブ(RESOLVE)とシャウト(SHOUT)のスプレータイプに、オキシクリーン(OxiClean)の粉末タイプ。汚れが染み付きやすい白い靴下も、粉末タイプを溶かしたお湯にしばらく浸けおいて、もみ洗いした上で洗濯機にかけると見違えるようにきれいになります。

 後列の一番左はオール(all)の225液量オンス…6.65ℓで洗濯146回分が、サムズクラブあたりで買うと15ドルですから安いですね。次がピューレックス(Purex)で、右端の2つがアームズ&ハンマー。一方は「オキシクリーン入り」ですが、コンシューマーレポート誌の実験で、添加剤入りでも目立つ洗浄力の差はなかったそうですから、ほんの気休めかもしれません。

=== ≪漂白剤(Bleach)≫ ===

 アメリカの漂白剤に洗濯用とキッチン用の区別はありません。写真右はクロロックス(CLOROX)のレギュラー・タイプです。

 漂白液はサラサラしていて飛び散りやすいのが難点。注ぐ際にはねて皮膚についたら危ないし、着衣や床を脱色してはいけないので、溶液ネットリ系のスプラッシュレス(Splash-less)漂白剤も売られています。ただし、使い勝手が向上しても、注意深く取り扱わなければならないことに変わりはありません。

 色物用の漂白剤には、カラーセーフ・ブリーチ(Color Safe Bleach)とかステインファイター&カラーブースター(Stain Fighter & Color Booster)と表示されています。写真左は、スーパーのクローガーが売っているプライベートブランド(エブリデーリビング)商品。塩素系成分を含まず、洗濯物の汚れを落とし色鮮やかにしてくれます。

=== ≪優しい洗剤(Fine Fabric Wash)≫ ===

 日本なら花王のエマールやライオンのアクロン…色落ちや縮みなどの洗濯ダメージが少ない優しい洗剤の中では写真左のウーライト(Woolite)がトップブランドです。

 優しい洗剤はpHが中性に近い酵素を含まない洗剤で、弱アルカリ性で酵素入りの一般洗剤に比べると洗浄力が落ちるといわれています。でも、アメリカで買う衣類はブランド品でも色落ちしやすいので、ひどく汚れていなければゴルフウェアでも優しい洗剤で洗った方がいいのかもしれません。

 ウーライトは高価ですが、最近、写真右のデリケア(Delicare)を買ってウールの洗濯に使ってみたところ、遜色のない仕上がりで満足しました。一般洗剤のような商品テストの結果が見当たらず「差がない」と断言はできませんが、ゴルフウェアならお徳用の優しい洗剤で洗濯なさってはいかがでしょう。

=== ≪赤ちゃん用洗剤(Baby Laundry)≫ ===

 アメリカでは、赤ちゃん専用洗剤が何種類も出回っています。トップブランドはドレフト(Dreft)です。

 About.comでは、赤ちゃん用に9種類の洗剤を推薦していますが、その中にはフリー&クリアー(無香料・無染料)の一般洗剤も含まれています。つまり、アメリカに刺激の強い洗剤が多いからこそ赤ちゃん用洗剤が必要だったわけで、フリー&クリアーの一般洗剤なら、ご両親と赤ちゃんが同じ洗剤を使っても問題が起きない確率が高いでしょう。

 赤ちゃん用洗剤には、オーガニックな材料を使ったものもありますが、アレルギーの心配からいえば、オーガニックが常に安全とも限りません。 赤ちゃんの肌に異変が起きたら、すぐにお医者さんに相談して一緒に考えてもらいましょう。

=== ≪柔軟剤(Fabric Softener)≫ ===

 単身赴任の方はご存じでないかもしれないのであらためて説明しますが、合成洗剤で洗濯すると洗濯物がゴワゴワになってしまいます。これをふんわりさせるには、洗濯時に液体柔軟剤を使うか、または乾燥時に柔軟シートを使うか二つの方法があり、二つを併用する必要はありません。静電気を防止したり、アイロンをスムーズにかけられる効果もあります。

 写真左は液体柔軟剤のスナッグル(Snuggle)、ほかにダウニー(Downy)やゲイン(Gain)が有名。写真右はクローガー・プライベートブランド商品の柔軟シートですが、ブランドではバウンス(Bounce)が一番有名です。

 洗濯機の記事でも説明しましたが、洗濯機に柔軟剤ボックスがない場合は、すすぎサイクルの途中でフタを開けて柔軟剤を投入するか、ダウニー(Downy)社が開発した容器ダウニー・ボール(動画)に入れて最初から放り込んでおきます。

 柔軟シートは、乾燥機を使うたびにシートを1枚ずつ入れておくだけで柔軟効果が得られます。ただ、液体柔軟剤はもちろんですが、柔軟シートにも化学物質が使われていて、アレルギーを発症してもすぐに原因が分からないことがありますから意識して使ってください。

 ドライヤー・ボールズ(動画)という2個で一組のボールがあって、柔軟シートの代りに入れて、繰り返し半永久的に使えるそうです。乾燥サイクルの時間短縮効果は顕著ですが、肝心の柔軟効果については人々の評価が大きく割れています。音がうるさいのも課題です。