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2013年10月15日(第88号)


インフルエンザの予防接種…今年は新旧2種のワクチン混在

 これまでの「3価」より、新開発の「4価」がお勧め!!

⇒ カナダ ⇒ メキシコ ⇒ 日本

 議会の予算審議がストップしている関係で、CDC(疾病予防管理センター)の州別インフルエンザ流行状況地図も「お休み」…困ったものです。

 作冬はインフルエンザが大流行の年でした。今年はこれまでのところ平穏ですが、例年に比べると患者数はやや多めで、まだ油断はできません。

 流行のピークは北米でも普通1〜3月ですが、昨冬は年明け前から全米50州中41州でインフルエンザが蔓延。カナダでも、ケベックやマニトバ州などで大流行していました。

 早めの予防接種が勧められるのは例年のことですが、今年のワクチンには、これまでの3価ワクチンと新開発の4価ワクチンの2種類が混在しています。


3価ワクチンと4価ワクチン


 これまでのワクチンは、多数のインフルエンザウイルスの中から特に流行しそうな3種類に的を絞って製造されてきましたが、3種類では頼りないので、今年から4種類のウイルスに効く4価ワクチンが認可され、製造されるようになりました。日本は、今年も3価のみ(厚生労働省資料)です。

昨季と今季の対象インフルエンザ…比較表

2012-13

2013-14(3価)

2013-14(4価)

A/カリフォルニア/7/2009 

(H1N1新型インフルエンザ)

A/カリフォルニア/7/2009 

(H1N1新型インフルエンザ)

A/カリフォルニア/7/2009 

(H1N1新型インフルエンザ)

A/ビクトリア/361/2011

A/テキサス/50/2012

A/テキサス/50/2012

B/ウィスコンシン/1/2011

B/マサチューセッツ/2/2012

B/マサチューセッツ/2/2012

B/ブリスベン/60/2008

 いずれは4価ワクチンが主流となりそうですが、今年の多数派はまだ3価ワクチン。4価があっても在庫の少ない薬局やクリニックでは、幼児や高齢者など感染すると重態になるリスクの高い人々に優先的に4価ワクチンを接種するかもしれません。

 そんな訳ですから、接種の際に、もし3価と4価とどちらのワクチンがよいか聞かれたら、迷わず4価を選びましょう。もっとも、あちこちで4価を探し回って、接種のタイミングを逃すようでは本末転倒ですからお気をつけください。

 ワクチンの接種(フルーショット=Flu Shot)はスーパーの薬局などでも手軽にできます…医療保険が適用されれば無料で接種を受けられますから、保険のカードは忘れずに携行しましょう。

 英語で、3価はTrivalent(トライベーラント)4価はQuadrivalent(クアドリベーラント)。 HealthMap Vaccine Finderというホームページで探せば、4価ワクチンを備えている薬局を特定できます。私たちはウォルグリーンズ(Walgreens)で接種を受けましたが、4価でも保険でカバーされて無料でした。

 免疫効果が有効になるには予防接種後2週間が必要ですから、流行が始まってから接種しても間に合わないおそれがあり、CDC(米国疾病予防管理センター)は、生後6ヶ月未満の乳児など特別な方を除き、例年、早めの予防接種をするよう呼びかけています。


感染拡大の防止


 くしゃみでウィルスの飛沫は最高6m先に達しますから、既にインフルエンザにかかってしまった人は、ひじで口を押さえて他人への感染リスクを減らしましょう。手で口を押さえると、皆さんの手から公共の場所にウィルスが移る悪循環が止まりません。

 インフルエンザは、セキ、くしゃみ、会話などを通じて空気感染しますが、それ以上に経口感染リスクも高いので、日常生活の何気ない行為にも注意しなければなりません。ウィルスは、レストランの塩・コショウの容器、エレベーターやATMのボタン、手すりやドアの取っ手、パーキングメーターやバスのつり革など金属やプラスチックの表面に付着してから2〜8時間も生き続けます。

 そこから皆さんの手に移り、さらに鼻や口を経由して肺に侵入するのですが、人は1時間に平均18回も無意識に顔を触るそうで、これを防ぐことは実質不可能です。有効な対策としては、頻繁な手洗いなどで手を清潔に保つことだけ。

 次のニュース動画(2013年1月ABC)の中でも、エレベーターのボタンを指の甲で押したり、レストランで食事する前に携帯用のハンドサニタイザー(手指除菌剤)を使ったりすることを勧めていますが、これらは、ストマックフルー(ウィルス性胃腸炎)の感染リスクを減らす対策にもなります。