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2014年8月15日(第98号)


ブタ下痢ウイルスの世界的な流行で豚肉が値上がり!!

 ワクチン登場で、10月には少し安くなる?

 エボラ出血熱は深刻なヒトの病気でも、アメリカや日本で大流行するリスクは小さく安心していられますが、今、世界中で流行しているブタの病気は、スーパーの店頭の豚肉が値上がりしているので「対岸の火事」ではいられません。

 流行しているのは、豚流行性下痢ウイルスと豚腸コロナウイルスの2種。1971年にイギリスで発見されたウイルスですが、今は日本も含め、中国、韓国、フィリピン、タイなどのアジア諸国と、カナダやメキシコも含む北米で猛威を奮っています。

 発病すると、ブタは食欲不振と嘔吐や下痢で元気を失い、母豚の授乳能力も落ちて、生後10日以下の哺乳豚は脱水症状によりほぼ100%死んでしまいます。ウイルスはヒトに感染することもなく、完治したブタの肉をヒトが食べても安全ですが、幼豚の大量死で一時的に豚肉が供給不足になっています。


生後2週間以下の幼豚の7%が死亡


 下は少し古い動画ですが、昨年12月~今年2月の3ヶ月で2百万頭以上、全米の生後2週間以下の幼豚の7%が死んだと伝えています。その後も死亡数はうなぎ上りで、最新情報では累計8百万頭といわれるまでになりました。

2014/3/31 WLFI (インディアナ州ラファイエットのTV局)


豚肉の小売価格もうなぎ上り


 しかし、足りない足りないといっても不足量はせいぜい4%程度。それでも、市場価格は昨年の安い時期に比べても1.5倍に跳ねあがり、スーパーの店頭でも「これなら牛肉にしようか?」と考えてしまうような値段になっています。


日本の流行はもう下火


 日本では4月に流行がピークを迎え、今はもう下火になって来ています(農水省資料)。アメリカは対応が遅れていましたが、農務省が6月にワクチンを認可して全米の農場で接種が始まっています。

 流行が次第に収まり、10月頃には豚肉の値段も平常に戻ると予想されています。逆に、市場価格の高騰でぼろ儲けした飼育農家が味をしめて増産すれば、来年は一転して豚肉が安くなるという極めて楽観的な予測もあります。