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2015年1月15日(第103号)


えっ、ドリルで錠をぶち壊すなんて聞いてない…

 ロックスミス(開錠屋)のぼったくりに注意!!

 昨年のクリスマス前にNBCのモーニングショーを見ていたら、全米各地にとんでもないロックスミス(Locksmith=開錠屋)がいるので注意…という特集をしていました。

 2008年のABCニュースによれば、1日に25万件の開錠依頼が全米のロックスミスに寄せられるそうです。アメリカのドアは、ほとんどの場合、ドアノブのつまみを内側からひねっておくと自動ロックがかかる仕組みになっていますから、鍵を持たずに外出してバタンッ。うっかり自宅から締め出される事故が後を絶ちません。

 日本人の場合は真冬の寒い時期には多発しませんが、うららかな日にサンダル履きでメイルボックスを見に行ったり、風の強い日に外開きのドアから裏庭に出たり、奥さんが家事の合間にちょっとした雑用を片づけようとした時によく起こります。


ニューヨーク郊外のケース


 さて、問題は、大都市に多い話ですが、鍵を開けるかわりに、錠を壊して新しい錠前に付け替え、新錠の費用も含め法外な料金を請求する悪質なロックスミスがいるのです。NBCのモーニングショーがこの問題を採り上げるのは今回が2回目で、2011年の動画の方がよく編集されていたので、次をごらんください。

NBC モーニングショー"Today" 2011年…広告あり

 動画に出てくるご婦人は、スマホで検索して見つけたロックスミスに、料金は$39と聞いて安心して依頼したのに、ドリルで錠を壊したあげく833ドルも請求されました。確かにグーグルでロックスミスを検索すると、料金はたったの15ドルなどという広告がズラズラと並んでいます。そもそも日常の物価感覚とかけ離れた低料金のサービスは、最初から疑ってかかった方がよさそうです。

 ニューヨーク市の免許を得たロックスミスなら、針金一本で簡単に開けてくれるので安心です。しかし、さすがはニューヨーク…正規料金も約100ドルと決して安くはなく、これではうっかりミスも、うっかりできません。

 州ベースでロックスミスに免許制度を設けているのは、今のところ、以下13州。ほかに全米ロックスミス協会(Associated Locksmiths of America)の公認(Certified)ロックスミスとあれば、まず安心でしょう。


フィラデルフィアの学生街のケース


 大都市の中でも、フィラデルフィアの、それも学生街の場合には、トラブルといっても事情はマシで、下の動画のように仕事はしっかりしてくれるようです。ただし、最初に19ドル95セントなどと安く言っておいて、実際には80ドル請求したり、サイトに表示された住所に看板がかかっていなかったり…しかし、約束が違うと食い下がった学生さんには「もう、ただでいい」とスゴスゴ引き下がったそうですから、逆に少し気の毒な気もします。


ドアロックの安全性


 ドアロックの中には、鍵の形状が特殊でピッキング被害に合いにくいという高級品もありますが、腕の悪いロックスミスがドリルで錠を破壊する口実にされるだけで、防犯上の効果は限定的です。次の動画をごらんください

 まず、コソ泥がねらうのは、鍵をかけ忘れた玄関ドア…したがって、戸締りは肝心です。でも、何らかの理由で強盗にねらいをつけられてしまったら防ぎようがありません。玄関ドアも、バールをテコにしたら、ドアノブは一瞬で壊れてしまいます。

 それだけに、家を選ぶ段階で、犯罪発生率など住環境を注意深くチェックすることが大事なのです。私たちが住むケンタッキー州レキシントンは、中流住宅地なら日本とあまり変わらないほど安全ですが、都市によってはADTなど警備保障システムをお使いになる必要があるかもしれません。庭先にADTの標識が立っているだけで、侵入先候補から外してもらえる可能性が高いからです。