バーベキューの基礎知識…ステーキは直火焼き=Broil
スペアリブはフタを閉じ窯焼き=Bake/Roast
家庭向けバーベキュー・グリルには、炭火用とプロパンガス用がありますが、この記事では、主に炭火グリルの使い方とバーベキュー全般の楽しみ方について説明します。
トロピカル・ドリンク
バーベキューは、準備から片付けまで、家族や親しい仲間が手料理を全員参加で楽しむレジャーです。食べるだけで、手間をかけるのが嫌いな方には向いていません。
それを踏まえた上でお勧めしたいのは、リゾート気分を演出するマルガリータやピナコラーダなどのトロピカルドリンク。トロピカルドリンクにはかき氷(Shaved
Ice)が欠かせませんが、単純なミキサーでかき氷を作ろうとすると、なかなか面倒です。かき氷製造機は20ドルくらいで売っていますが、単純なミキサーを使うなら、冷蔵庫の氷に少し水を加えて砕氷した方が楽にできます。
かき氷は、周囲を氷水で冷やしたボウルに入れておけば暑い日でもしばらくは融けません。トロピカルドリンクの原液も、あらかじめラムやテキーラなどのアルコールとトロピカルドリンクの素をミックスして作っておきましょう。バーベキュー会場では、グラスにかき氷を入れて原液を注ぎ、マドラー(棒)でかき混ぜるだけ。バックミュージックに、ハワイアンやレゲエなどはいかがですか?
窯(かま)焼きと直火焼き
バーベキューと一言でいっても、焼き方は一つではありません。分かりやすいようにオーブンの焼き方と比較して表にしてみました。最近のオーブンの機能ダイアルはイラスト表示ですが、昔は「Bake-Broil-Grill」と言葉で表示されていたものです。
焼き方 |
オーブン |
バーベキュー |
窯焼き |
(パンやケーキ…Bake)
(肉や野菜…Roast) |
上下のヒーターやファンを使い、放射熱や対流熱で焼く。 |
バーベキューグリルのフタをして、スペアリブなどを比較的低温でじっくり焼く。 |
いぶし焼き
(Smoke) |
― |
ウッドチップ(木片)を燃やし、煙でいぶす。 |
直火焼き
(Broil/Grill) |
最上段を使い、上火だけで焼く。ステーキはブロイラーパンに載せ、油切りする。 |
フタを開けステーキやハンバーガー、パンや野菜などを直火で焼く。溶岩塊が効果的。 |
「Bake」はベーカリー(パン屋さん)のベークで、オーブンで上下のヒーターとファンを使い、放射熱や対流熱でパンやお菓子などを焼き上げる焼き方。「Roast」も基本的には同じですが、より高い温度で、主に大きな肉の塊や野菜を焼く時に使われる言葉です。
「Broil」は直火焼きのことで、オーブンの場合には、最上段に油切りのブロイラーパン(写真右)をセットし、上のヒーターだけでステーキを焼いたり、メレンゲに焦げ目をつけたりする焼き方をいいます。
「Grill」も同じく直火焼きのことですが、オーブン用語では、一般的に下のヒーターだけで焼く焼き方を指します。
炭火のおこし方
アメリカのバーベキューの基本は窯焼きです。バーベキューグリルのフタを閉め、炎が収まった炭火(熾き火)でじっくり時間をかけて焼くと、肉汁をたっぷり内に閉じ込めた柔らか〜い肉に焼き上がります。チャコール(木炭)の薫りも、炭火バーベキューならではの風味。
そこで、当たり前のようですが、念のために炭火のおこし方をご紹介しましょう。グリルの底とフタにはそれぞれ空気穴がありますから、どちらも全開にしておきましょう。
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グリル中央で、木炭をピラミッド状に重ねる。必要があれば、着火剤(油)をふりかけておく。 |
A
ライターで着火。炭火の下部に火種の紙を敷いたり、丸めて置いておけば下まで確実に火が回る。 |
B
図のような網があれば、炎が燃えている時間を利用し、直火で野菜などをあぶって焼く。 |
C
10~20分で木炭に火がおこり、炎の勢いが収まったら、 |
D
グリルの底全体に木炭をばらけ、熾き火にする。 |
E
バーベキュー用の網を置いて肉を並べ、グリルのフタをかぶせて焼く。 |
ステーキを直火焼きするなら、グリルのフタをかぶせずに焼いてください。全ての肉を焼きあげたら、グリルの底とフタの空気穴を閉じて火を消します。消火の確認は抜かりなく…。消し炭は次回のバーベキューに使いましょう。
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