増毛発毛薬・ED治療薬など保険対象外の薬でも大丈夫
高価な処方薬を安く買う裏技…GoodRxクーポン
私たちも例外ではありませんが、特に持病がなくても中高年ともなれば、生活習慣病の治療や予防のために複数の処方薬を服用しておられる方も多いことでしょう。
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処方薬の自己負担額(Co-Pay) =====
アメリカの医療保険の仕組みは複雑すぎて、詳しく勉強しようという気が起きませんが、処方薬の自己負担額(Co-Pay)は、次の表の例のように4~5段階(Tier)の区分で設定されています。
典型的な医療保険の処方薬価格区分の例
処方薬の自己負担区分
(Co-Pay
Tier)
|
Tier1
Preferred
Generic
(推奨後発薬)
|
Tier2
Generic
(一般後発薬)
|
Tier3
Preferred
Brand
(推奨薬)
|
Tier4
Non-Preferred
Drug
(非推奨薬)
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薬局販売(1回1ヶ月分) |
$10 |
$35 |
$55 |
正価の25% |
保険会社通販(1回3ヶ月分) |
3ヶ月分の薬を、薬局2.5か月分の料金に割引 |
Tier4薬の自己負担限度額 |
年間$2,500
|
個々の薬がどの段階(Tier)に区分されるかは保険会社次第で様々ですが、高血圧なら○○とか高脂血症なら△△とか世間で広く普及している後発薬(ジェネリック)はTier1で自己負担が軽く、次に一部例外を除く後発薬がTier2。まだ薬の特許が切れておらず後発薬は出てないが既に広く普及している薬はTier3、Tier3以下の薬で代用できると保険会社が判断する薬はTier4といった具合です。ED(勃起不全)治療薬のバイアグラなど、健康維持の上で保険会社が重要でないと判断する薬は、保険の対象外になります。
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GoodRxクーポン =====
私も、実は薄毛対策で、保険対象外のプロペシアという処方薬を買っています。プロペシアは、もともと前立腺肥大症や前立腺癌の治療用に開発された薬で、本来の目的で使用される5mgの錠剤は保険対象ですが、発毛・増毛用に使用される1mgの錠剤は保険の対象外なのです。
でも、このような保険対象外の薬やTier4の高価な薬でも、GoodRxというWebsiteでクーポンを手に入れると格安で買うことができます。そもそもアメリカでは、薬局により処方薬の価格もマチマチなのですが、私たちが住むケンタッキー州レキシントン周辺の代表的なスーパーやドラッグストアでプロペシア1mgを購入する場合のお値段は以下の通りです。
2017年12月現在 |
30錠(クーポンなし) |
30錠(クーポンあり) |
90錠(クーポンなし) |
90錠(クーポンあり) |
Walmart |
$47 |
$9.58 |
$129 |
$17.10 |
Kroger |
$47 |
$9.58 |
$140 |
$22.23 |
CVS
Pharmacy |
$72 |
$9.58 |
$215 |
$28.73 |
Walgreen |
$81 |
$9.58 |
$232 |
$28.73 |
Rite-Aid |
$94 |
$9.58 |
$254 |
$28.73 |
Tier4の薬の場合は、クーポンと保険を同時に使うことはできないので、GoodRxでどちらが安上がりか較べて有利な方を選びましょう。Tier3やTier2の薬でも、クーポンで買った方が安いケースもあるようです。
GoodRxは、上の動画に自ら出ているダグ・ハーシュ氏らフェイスブックの幹部二人が独立して2011年に創業の若い会社ですが、会員になる必要もなく無料で処方薬を安く買えるサービスですから、今や月間4百万人がサイトを訪れクーポンを利用しています。クーポンは印刷して薬局に持って行っても、薬局の店頭でスマホ画面を見せても、どちらでもかまいません。
私たちは65歳を過ぎ、既に連邦政府が補助するメディケアの医療保険のお世話になっていますが、メディケアの処方薬の保険(パートD)は段階(Tier)方式でなく、自己負担額が保険プログラムごと、薬ごと、薬局ごとにマチマチで分かりにくくて困ります。GoodRxにご自身のパートD保険プログラム名を登録しておけば、クーポンとの損得比較だけではなく、薬局ごとの薬のお値段の比較もできるので便利に使っています。
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その他の薬代の節約手段 =====
患者の懐具合を気にして薬を処方してくれる医者など、滅多にいません。高血圧や高脂血症など成人病対策の薬は毎日欠かさず飲むものですから、効き目は第一としても、少しでも安い薬を選ぶには患者が率先して医者に相談しなければなりません。Tier3やTier4の薬を処方されたら、保険会社から毎年送られてくる薬の自己負担区分リストを主治医に見せて、安い代用薬はないか探してもらうとよいでしょう。リストには治療目的別に薬がまとめて掲載されていますから、巻末のアルファベット索引を使って探せば、皆さんご自身で代用薬候補を探すこともできます。
風邪薬や抗アレルギー薬等の店頭薬は、WalmartのEquateなど一部のPBブランド薬なら、成分は同じでも有名ブランド薬の数分の一の驚くほど安い値段で買えます。まずは有名ブランドの成分を確認して、同じ成分のPBブランドを探すのが賢い店頭薬の買い方…アメリカの食品医薬品局は、PBブランドの薬にも有名ブランドと同じ薬効があるよう求めています。特に抗アレルギー薬をお探しの際には、医療と健康e-百科「美容と健康」のページのこちらの記事を参考になさってください。
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