アメリカの 「暮らしとノウハウ」・e-ガイド(印刷ページ

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慈善事業と寄付

★ファンドレイズ 寄付の断り方 寄付不用家具を処分するつもりで寄付


 日本でも赤い羽根の歳末助け合い運動がありますが、年末が近づくとスーパーの入口に救世軍のボランティアが立って募金をお願いするようになります。買物のたびに募金するわけにはいきませんが、たまには協力してあげてください。

 東日本大震災のときには、直後に巨大竜巻が南部を襲い350人を越える犠牲者を出す大災害が起きましたが、それでもアメリカ人は日本への支援活動を続けてくれました。


ファンドレイズ(寄付金集め)


 慈善活動はキリスト教の信仰に裏打ちされて、アメリカとカナダの社会にしっかり根付いています。すばらしい文化ですね。

 実は、皆さんのお子様にも体験学習のチャンスがあります…ハロウィーンの戸別訪問のついでに募金をお願いする手軽なプログラムですユニセフといえば世界中の子供たちの命と健康を守る国連の機関ですが、「Trick-or-Treat for UNICEF」というのが1950年から続く募金活動で、これまでに子供たちが累計で1億3千6百万ドルを集めたというから驚きです。

 私たちの娘も、20年も前のトロント時代に、学校の勧めでユニセフの募金に参加しました。「トリッカー・トリート・フォー・ユニセーフ」と大きな声で子供が叫ぶと、小銭からお札まで、ほとんどの人が募金に協力してくれます。娘も100ドル以上集めたので、募金箱はひとりで持てないくらい重たくなりました。募金箱は「www.unicefusa.org/trickortreat」でもらってください。

 中学や高校に入ると、今度は、戸別訪問でクッキーやキャンディを売って、クラブ活動の経費をファンドレイズするようになります。値段も品質も悪くないことが多いので、皆さんも、できるだく協力して買ってあげてください。


寄付の断り方


 しかし、皆さんのお宅には、知らない人から寄付金依頼の電話が頻繁にかかってきませんか?電話の相手は、乳がんや心臓病など医療関係の団体とか、警察や消防署関係の団体と名乗ることが多いですね。以前の私たちは「郷に入っては郷に従え」=「やむを得ないお付き合い」と思い気前よく寄付に応じていましたが、中にはお金儲けが目的の怪しい募金もあるような気がします。多少は、ガードを固くしてもかまわないかもしれません。

 断るには「英語が苦手で何を言っているか分からない」と逃げるのも一手ですが、たとえば「申し訳ありませんが、今回はご依頼にお応えできません(Sorry, but we are unable to comply with your request this time)」程度の覚えやすい短い文章を暗記しておいてはいかがでしょう。知らない人が相手なら、理由はくどくどと説明しない方が無難です。

 たびたび電話があって、誠意も感じられない相手には、「私の名前を電話リストから外してください(Please remove my name from your list, thank you)」と言って、今後は電話しないように頼みましょう。ただし、目と鼻の先のご近所が電話してくることもありますから、必ずどこの誰か確認してから断るようにしましょう。早まると、後でバツの悪い思いをします。


不用家具を処分するつもりで寄付


 何も現金の募金ばかりが寄付ではありません。「Goodwill (善意)」というお店はご存知ですか?皆さんから、要らなくなった衣料品や日用品を寄付してもらって、低所得者を相手に安く売ってあげるお店があります。といっても、「Goodwill」の正式名称はGoodwll Industries Internatuinal…アメリカ、カナダほか16ヶ国の184団体が加盟する非営利組織で、地域によって寄付できるものにも違いがあります。普通は寄付の品を家に引き取りに来てくれるわけではありません。家具など大きなものを持っていくときには、事前に照会しておいた方が確実です。

 不用家具を処分したい場合、私たちが住むケンタッキー州レキシントンのあたりでは、前庭の道路際に出しておくと、その日のうちに誰かがやって来て持ち去ってくれます。しかし、中には重たくて庭に出すのもたいへんな家具もあるもの…以前、インターネットで無料で引取りに来てくれる慈善団体を探したことがあります。「The Thrift Shopper.com」というホームページが便利です。

 私たちは「Habitat For Humanity」にソファーを寄付したのですが、本当にボロボロの家具は引き取ってもらえません⇒我慢すればまだまだ使える程度なら合格。引き取りに来てくれる人たちもボランティアですから、家具は必ず1階の玄関近くまでは移動しておくのが条件。繰り返しになりますが、慈善団体によって寄付の引き取り条件が違いますから、事前にしっかり確認してください。