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アルコールが買えない自治体

★バーボンウィスキーと禁酒法 ドライカウンティ


バーボンウィスキーと禁酒法


 

この記事は、現在編集中です。

 


ドライ・カウンティー


(少し古い情報ですが)ドライ・カウンティーの分布図 

ドライモイストウェット

禁酒法時代のギャング

アル・カポネ

 昔は禁酒法があった国ですから、アルコール販売を規制するカウンティーがあっても驚いてはいけません。バージニア、ケンタッキー(⇒詳細地図)、アラバマ、ミシシッピー、アーカンソー、カンザス(⇒詳細地図)、テキサス、フロリダの諸州には、酒屋さんが1軒もないドライ・カウンティーがあります。原則自由のカウンティーをウェット、一部規制のカウンティーをモイスト(moist=湿り気がある)と呼んで三つに区分するのだそうです。

 別に、キリスト教が飲酒を禁じているわけではありません。赤ワインはキリストの血、パンはキリストの肉、アルコールは最後の晩餐で使徒に振る舞われた聖なる飲み物ですが、アルコールで身を持ち崩す人が多いので、特に、自治を尊重する福音派の教会では、禁酒のコブナント(Covenant=約束事)を設けている例も多いようです。ですから、ドライ・カウンティーの分布も、福音派の信者の分布と、かなり正確に重なります。

 酒屋さんはなくても、飲むことまで禁止しているわけではありませんから、最寄りのウェット・カウンティーでアルコールを仕入れてきて自宅で飲むのは勝手です。実際、ほかにお店がないドライ・カウンティー境界の辺鄙な場所に酒屋が並んでいるのも皮肉な話…レストランでは清涼飲料で我慢するしかありません。

 都会化するに従いウェット度が高くなってくるのが一般的な法則です。私たちが住むケンタッキー州のレキシントンでも、最近までは日曜日のアルコール類の小売は禁止されていましたが、ついに完全自由化されました。自治体によって、強いお酒とビールの扱いが違ったり、お店の種類や時間帯によって、規制を細かく取り決めていますから、いつでもどこでも「飲めて当たり前」と思っていると当てが外れるかもしれません。