招待状の返事
アメリカ人のお知り合いから結婚式の招待状をいただいても、あわてないでください。北米の結婚式と日本の結婚式に「想定外な違い」はありません。心から新郎新婦とご家族を祝福して、皆さんご自身も緊張せずに、式や披露宴をお楽しみになるのが一番です。もし奥様がお着物をお持ちでしたら、和装で参列してあげると大歓迎されることでしょう。 日本の方が真似たのかもしれませんが、招待状も日本と似た形式です。普通は、出欠確認のための返信用カードが入っています。 日本では出欠欄に印をするだけではなく欄外にお祝いの言葉を書き加えて返信するのが礼儀ですが、北米も同じで、「Congratulations!!」など平凡な一言でも書き添えて送った方がよいでしょう。 また、日本では、招待状を出す前に相手の出席の意思を確認しておくのが普通ですが、北米の場合は、部下から突然招待状が届くかもしれません。本当に都合が悪かったら、しっかり本人に事情を説明して、直接お断りしましょう。 ギフトの選び方 日本のように、式場でやり取りするご祝儀や引き出物があるわけではありません。代わりにギフトを贈りますが、相場は土地柄や関係によって違いますから、周りの皆さんのご意見を聞いてください。 日本のご祝儀並みの予算で高価なギフトを贈るのは非常識です。ギフトには家庭用品が無難ですが、他人とダブらないように新郎新婦に確認するか、いくつあってもかまわない写真立てや花瓶のようなものを選ぶとよいでしょう。商品券も選択肢のひとつです。 それから、北米には、ブライダル・レジストリー(Bridal Registry)やベビー・レジストリー(Baby Registry)というシステムがありますから覚えておいてください。結婚や出産を予定しているカップルが、あらかじめお祝いでもらいたい品物のリストを特定のお店に登録しておいて、贈答側がリストの中からギフトを選ぶシステムです。 結婚式と披露宴
純白のウェディング・ドレスが流行りだしたのは1840年のビクトリア女王の結婚式以来なのだそうです。皆さんご存じでしょうが、参列者は「純白」を着るべきではありません。花嫁と張り合うようなド派手なカラーやロング・ドレスは控えるのがエチケットですが、黒は親族以外にはふさわしくありません。特に服装の指定のない普通の結婚式なら、普段よりややフォーマルな服装くらいが適当でしょう。 式次第は、宗派や土地柄によって少しずつ違うようですが、参列する皆さんが事前に知っておかなければいけないことは特にありません。教会中央の絨毯の道をバージン・ロードと呼ぶのは和製英語ですが、フラワーガールの先導で、父親にエスコートされた花嫁が祭壇に向かって進みます。神父さんの前で花婿が花嫁を引き渡されて、宣誓、指輪の交換、いよいよ式の本番です。
聖歌やお祈りになったら、口パクで、多数派のアメリカ人にお付き合いしましょう。 式が終わったら、新郎新婦は婚姻届に署名するために神父さんと別室に入り、参列者は教会の入口に列を作ってお米や紙ふぶきで新郎新婦を祝福するために待ち受けます。 私たちが昔住んでいたカナダのトロントには、新郎新婦の記念写真を撮るお決まりの庭園がいくつかありました。オンタリオ州では結婚式にお金をかける人々が多く、お揃いのブライズメイズ(Bridesmaides=花嫁の姉妹や友だち)やグルームズメン(Groomsmen=花婿の仲間)も一緒になってプロのカメラマンが撮影する姿もしばしば見かけたものです。このようなケースでは、一般参列者は一度帰宅して、夜の披露宴にまた集まることになります。 披露宴では日本のようなフォーマルなスピーチなどはありませんから、美味しいご馳走を食べて人々と歓談したりダンスを踊ってくつろいでください。飲酒運転だけはなさらないよう帰りの足は事前にしっかり確保しておきましょう。 ブーケ投げとガーター投げ
楽しい披露宴がたけなわとなる頃に、適齢の独身男女を集めて恒例の占いゲームが始まります。 まず、花嫁が女性の一群にブーケを投げます。次に、花婿はイスに腰掛けている花嫁のスカートをたくし上げ、ガーターを外して男性側に投げます。 アメリカの青春映画に必ず出てくる場面ですね?けっこうお固いお嬢さんの結婚式でも見かけたので驚きました。ブーケをつかんだ女性と、ガーターを手に入れた男性に、次の結婚運が回って来ると言われています。 実は私たちも○○年前に(日本ですが)教会で結婚式を挙げた夫婦…記事を書きながら、新婚時代を思い出して少々胸がキュンとなりました。そろそろ「お開き」のお時間です。 |