害虫退治の殺虫剤や防虫剤 ★ミミズの弱点は「乾燥」と「お酢」 ★衣料用防虫剤でリス撃退 ★ハチには必殺スプレーフォーム ★アリは"ホイホイ"で巣ごと退治 ★正体不明のムシを特定 ★園芸用除虫剤は目的別 ★電気蚊取りは日本製が一番 いやな虫でも益虫だと退治できないこともあります。ハチに見えてもハエの仲間だったりします。かわいらしいリスや野ウサギも、ご近所の手作りの野菜畑を荒らす害獣ですから、餌をあげて手なずけたりしてはいけません。 ミミズの弱点は「乾燥」と「お酢」 春先には、大量のミミズ類が庭先からリビングに這い上がってきて気持ちが悪い思いをなさる方がおられます。アメリカの家には縁の下がないので、そもそも虫が入って来やすい構造なのです。侵入口さえふさげば済むはずなのですが、どこからか湧くように出てくるので最悪の場合はルートを特定できないことがあります。数日我慢していると、普通はピタッと消えてしまいますが…。 ミミズは、土と一緒に有機物や微生物・小動物を食べ、粒状の糞として排泄して、植物の生育に適した土壌作りに貢献する益虫です。そこで、他の虫のように植物に無害な駆除剤がないのです。つまり、庭のミミズを一掃するのは、あきらめましょう。 でも、ミミズの弱点は乾燥とお酢…ミミズは100%皮膚呼吸で、体表が乾くと呼吸できずに死んでしまいます。お酢には生物から水分を奪う作用があり、ミミズに対してはオーガニックな駆除剤です。ただし、お酢を庭に撒くと、草木や芝が枯れてしまいますからご注意ください。 知人のご家族が、裏庭に通じるドアのすき間からミミズが入って困っていましたが、このお宅の場合にミミズを屋内侵入禁止にするには、次のような対策が勧められます。 @ ドアの外側の乾燥…ドアの外側にバーベキュー用のコンクリートのタタキがあり、雨が降ると雨水を吸収して、晴れた後も周囲の湿り気を保つ元凶となっています。家庭用噴霧器(商品例)を使いコンクリート防水剤(商品例:Hydra-Guard)を噴きかければ、タタキが水をはじくようになって、屋外のミミズの発生が抑えられるでしょう。 A ドアの周囲にお酢…そこで、ドアのすき間に限らず、レンガの目地の割れ目など家の外壁の要所要所にお酢を塗ります。 B ドアの内側の乾燥…冷暖房の必要がない季節でもエアコンを送風に設定したり、屋内を除湿器や扇風機、除湿剤などで乾燥させたりするとよいでしょう。 その他の虫対策については、殺虫剤や防虫剤のタイプ別に説明してみましょう。ただし、シロアリ対策は、他の虫と比較にならない深刻な問題ですから、貸家ならすぐに大家さんに連絡してください。持ち家なら、すぐに「ペスト・コントロール(害虫駆除)」の専門業者を呼ばないと家がボロボロになってしまいます。新築時から数年は工務店の保障が付いているはずです。 衣料用防虫剤でリス撃退 アメリカにはじめじめした梅雨の季節がないので油断しがちですが、冬物をしまう衣装ケースには忘れずに防虫剤を入れておきましょう。アメリカ製のモスボールは臭いがきついので、日本製を使った方がよいかもしれません。 モスボールは、むしろ、リスなど家の周りに住み着く小動物の撃退用に有効です。リスが、ポーチの陰などに巣を作り始めたら、すかさず使い古しのストッキングを切り、中にモスボールを2~3個入れて結んだ玉をいくつか周囲に転がしておきましょう。臭いを嫌がって、すぐに逃げ出していきます。 (飛翔系昆虫=Flying Insects) 殺虫スプレーは、主に屋内の害虫駆除に使います。ハエ、蚊、蛾、ハチなど飛翔系の虫用とアリやコオロギ、甲虫類(コガネ虫やテントウ虫)、半肢目類(カメムシ)など徘徊系の虫用に分かれていることが多いようです。 ハチをハチの巣ごと駆除する専用の泡スプレー(Terro社 Wasp & Hornet Killer)もあります。射程距離は6〜7m、泡が巣を包み込んでハチの動きを封じてしまう仕組みです。小さな巣なら、必ず日が暮れてハチが戻って来てから使ってください。大きな巣なら、無理をしないで専門業者に任せましょう。 (徘徊系昆虫=Crawling Insects) アメリカにも「ごきぶりホイホイ」によく似た昆虫捕獲器があるにはあります。でも、私たちがここでご紹介したいのは昆虫誘引器…アリ退治によく効きます。アリを捕獲してその場で殺すのではなく、巣に毒を持ち帰らせて仲間を道連れにして死なせるという優れたワナです。アリの通り道に置いておくだけでよいのですが、幼児やペットにも危険ですから、台所の流し台の下や冷蔵庫の陰など手の届かない場所に仕掛けるといいそうです。 ===== アリの大量発生対策===== しかし、家の周りにアリが大量発生すると、ちっとやそっとの対策ではアリの屋内侵入を防げなくなります。そんな時は 殺蟻剤には、触れただけでアリが死ぬタイプと、毒の餌でアリを集団で殺すタイプがありますが、アリは賢く、殺蟻剤を避けて刻々と移動しますから、両タイプを併用し家の周囲を念入りにくまなく散布する対応が肝心です。 接触殺蟻剤にはスプレーとジェルがあり、家の外壁の下部とドアや窓の周囲にスプレーしたり、レンガの目地の割れ目などすき間ににジェルを塗ったりして、アリの屋内侵入ルートを断ちます。アリは接触殺蟻剤に触れるとほぼ即死しますが、しっかり撒いておけば殺蟻効果は3ヶ月継続します。 遅効殺蟻剤には、顆粒タイプが多いでしょう。家を取り巻くように(説明書の指示に従って)数フィート幅に撒いてください。アリがセッセと毒の餌を巣に運び、女王アリを退治してくれるはずです。薬効は9ヶ月から1年継続すると書いてある殺蟻剤が多いようです。 ===== 殺人アリに注意===== 尻尾の先に毒針を持ち、集団で狩りをして獲物の動きを止め、寄ってたかって食い尽くす残酷なアリです。 人間にとっても極めて危険で、アカヒアリの毒でアレルギー反応を起こし、アナフィラキシーショックで亡くなる方が後を絶ちません。 アカヒアリが家の中に侵入してくることは滅多になさそうですが、庭仕事中に刺される人もいるようですから気をつけてください。駆除は専門家に任せましょう。 正体不明のムシを特定!!
(ハンドスプレー・散水式スプレー・顆粒タイプ)
電気蚊取りは日本製が一番 (防虫スプレー・蚊取り) アメリカでは蚊がウェストナイルス熱を媒介しますから、ゴルフやハイキングばかりでなく、家の庭でバーべキューをするときにも蚊に刺されないよう気をつけなければなりません。ライム病などを運ぶチック(tick=ダニ)に噛まれたら、もちろん一大事です。
防虫スプレーは、アメリカでも何種類も売られています。日本製品に比べて香りがきついのが難点ですが、中には我慢できるレベルの製品もありますからお試しください。
左の写真の電気蚊取りは日本製です。もしも屋内に蚊がいっぱい入ってくるようなら、家の周囲でトイなどに水たまりがあったり何か原因があるはずです。調べて、元を断ってください。たまに1匹、2匹紛れ込む蚊を防ぐだけなら、やはり電気蚊取りがよさそうです。 OFF!の蚊取りもスーパーで見かけるようになってきましたが、お値段は、補充液が8時間で2ドル、線香も1巻き1ドルと、まだまだ日本製品にかないません。できれば、一時帰国の際に日本製品を持ち帰り、蚊に刺されないアウトドアライフをお楽しみください。 |