ディッシュウォッシャー(食器洗い機)と専用洗剤 ★上手な洗い方 ★粉末やジェル・タイプの食器洗い洗剤 ★リンスエイド ★タブレットやジェルパック・タイプの食器洗い洗剤 ★手入れ(庫内洗浄) ★ディッシュウォッシャーの選び方 ★使用上のヒントとメーカー別の特徴 ★気づきにくい故障 ★エアギャップ(逆流止め) 上手な洗い方 ディッシュウォッシャーは、機械の性能を信頼して積極的に使いましょう。慣れるまでは、軽い手洗いをしておかないと何となく心配になりますが、食べかすが排水口に詰まらないよう食器に残った固形物をざっと落とせば十分です。油ものでも、機械にかけるだけできれいになります。 ただし、ご飯粒などの炭水化物は、乾くと食器にこびりついて、ディッシュウォッシャーで洗っても落ちなくなってしまいますから気をつけましょう。ディッシュウォッシャーにかける直前まで、あらかじめ水を貯めた食器洗いシンクに(2〜3分で十分ですから)浸けておけば大丈夫です。 わが家では、木製のものや熱に弱いプラスチックのもの、プラスチックや木の柄が付いたフライパンや鍋、包丁は、ディッシュウォッシャーにかけずに手洗いしています。プラスチックのまな板は、熱で曲がることはありませんが、表面が化学変化を起こした形跡があり、以来、手洗いをすることにしました。手洗いした食器は、流し横の大きな水切り(Drain Tray)に置いて乾かしましょう。カゴ付きではない方が自由に使えます。 ディッシュウォッシャーの水は中央から外に向かって噴射されますから、大きな食器はできるだけ縁に寄せて、汚れた側を内向きに並べると、汚れがきれいに落ちやすくなります。 粉末やジェル・タイプの食器洗い洗剤
食器洗い洗剤には、粉末タイプとジェル(ゼリー状)タイプ、それに1回洗うごとに1錠のタブレット(固形錠剤)タイプやジェルパック・タイプの4種類があります。 消費財の比較評価で有名な雑誌コンシューマーレポートによれば、全般的に洗浄力では粉末タイプとタブレットタイプが勝りますが、お値段はジェルタイプの方が安めです。タブレットタイプにはいちいち計量する手間がかからない長所があり、粉末タイプには洗剤入れが汚れやすく手入れが面倒な短所があります。 一般的にディッシュウォッシャーの洗剤入れは、フタを開けるとメインウォッシュ用とプレウォッシュ用に仕切られていますが、プレウォッシュ用を使う必要があるかないかは、皆さんのディッシュウォッシャーの使い方次第…たとえば私の妻の満里の場合は、少し丁寧めに下洗いしてからディッシュウォッシャーにかける傾向があります。 メインウォッシュ用とプレウォッシュ用それぞれの洗剤の量については、次の表が参考になります。
リンスエイド 粉末やジェル・タイプの洗剤を使う場合は、リンスエイド( Rinse Aid)を併用しないと、被膜が残って食器がピカピカにはなりません。洗剤は毎回入れますが、リンスエイドは(使用頻度によるものの)1ヶ月に1回注ぎ足せば十分です。ただし、わが家では小まめに注ぎ足した方がきれいに仕上がるような気がして、数日に1回くらいの間隔で注ぎ足しています。また、ワイングラスのような食器棚に飾る食器は、洗浄後にペーパータオルで内側も外側もキュッキュッと磨いてからしまいます。 リンスエイドの主成分は、食器の表面に水滴が付着しないよう表面張力を弱める界面活性剤です…リンス(すすぎ)後の食器に水滴が付着していると、乾燥後にすすぎ残しのわずかな洗剤の痕がついてしまいます。リンス入れにはダイヤルが付いていて、目盛りでリンス剤の量を加減します。少なすぎると被膜が残ってしまいますが、余計に増やしてもメリットはありませんから、必要のない限り購入時の目盛りのままにしておくといいでしょう。 タブレットやジェルパック・タイプの食器洗い洗剤 タブレットやジェルパック・タイプの洗剤には、一般的に「オール・イン・ワン(All in 1)」などの表示があり、(超硬水の地域以外では)リンスエイド不要です。ただし、洗浄力や洗い上がりの比較ではタブレット・タイプに軍配が上がります。また、同一メーカーでも価格の異なる数種のタブレット・タイプの洗剤を売っていますから、ご注意ください。 下の表は、ディッシュウォッシャー洗剤メーカー「フィニッシュ(finish)」が販売している3種のタブレット・タイプ「パワーボール(Powerball)」について、同社の比較表を見やすく日本語訳したものです。
私が理解するところでは、3種のタブレット・タイプの比較で、洗浄効果自体には差がないようです。ただ、マックス(Max in 1)は洗浄後の食器の汚れ防止、さらに最高級のクァンタム・マックス(Quantum Max)は洗い上がりの食器の光沢について、追加効果があると説明しているようです。 ライバルのディッシュウォッシャー洗剤メーカー「カスケード(Cascade)」のタブレット・タイプ「アクションパックス(Actionpacs)」にも、より高価な「コンプリート(Complete)」と「プラティナム(Platinum)」がありますが、きっと同じような区別があるのではないでしょうか。 手入れ(庫内洗浄) しばらく使ううちに、洗剤や水道水に含まれるミネラルが蓄積して庫内が白く薄汚れてきます。ほっておけば故障の原因となるので、定期的に洗浄してあげましょう。手入れの間隔は、ディッシュウォッシャーのタイプや使用頻度、洗剤の種類や水質で変わります。手間はかかりませんから、少し薄汚れてきたら洗うくらいのつもりで頻繁に手入れしてあげるといつまでもきれいに使えます。 お酢で十分ですが、専用洗剤も売っています。食器洗い洗剤(Dishwasher Detergent)とディッシュウォッシャーの庫内洗浄洗剤(Dishwasher Cleaner…例えばFinishのDish Washer Cleaner)は英語名が似ていますから、混同しないよう気をつけましょう。 次の動画をごらんください。 @ フィルターとプロペラを外し、洗剤入りの温水に10分漬けて洗います。硬いブラシでこすったりすると傷ついてしまいますから、注意。 A (フィルターとプロペラを元に戻してから)1カップくらいのお酢を庫内に撒き、最強サイクルでディッシュウォッシャーを空回しします。 B それでも汚れが取れなかったり臭いが残っていたりする場合は、庫内にベーキングソーダを撒いて一晩待つと、一層きれいに洗浄されます。 ディッシュウォッシャーの選び方ディッシュウォッシャーは、どのメーカーの製品でも定価$500~600を境に性能が大きく違います。一つはセンサーで汚れ具合をチェックして湯量の調節する機能の有無。音の大きさは、中~高級機種なら50デシベル以下が標準です。 また、内装がプラスチックかステンレスかも大きなポイントです。低価格で内装がプラスチックの製品は、お湯を噴き出すプロペラなど個々の部品も粗雑に作られているケースが多いので、長くお使いになる方なら、内装がステンレスの中~高級機種をお選びになるようお勧めします。 中には$1000近いお高い機種もありますが、こうした機種の宣伝文句は「銀食器も洗えます」…その他の点では中級機種と性能に大差ありません。銀食器洗浄機能を使えば、普通の食器も一層きれいに洗えるようですが、$200~300余計に払う価値はないかもしれません。 使用上のヒントとメーカー別の特徴据付に来たホームセンターの契約業者が、ディッシュウォッシャーを使うコツを教えてくれました。 ◆キッチンには冷水と温水が配管されていますが、ディッシュウォッシャーは温水を給湯し、さらにヒーターで湯を洗浄に適した温度に高めています。ディッシュウォッシャーを使う前に、キッチンで湯を出して温水の温度を上げておくと、センサーの働きで効率よく短時間できれいに洗うことができます。 メーカーごとの製品の特徴を話してくれました。ホームセンターは、多数のメーカーの製品を取り揃えて売っていますから、これはオフレコの話です。業者個人の主観的な話として、お聞きください。 ◆ディッシュウォッシャーのお勧めメーカーは、ワールプール(Whirlpool)と系列のメイタグ(Maytag)・ジェンエア(Jenn-Air)・キッチンエイド(KitchenAid)およびフリジデア(Frigidaire)。 ◆ボッシュ(Bosch)とサムスン(Samsung)は、洗浄時の湯温が低めで粉末洗剤が溶けにくく、洗い上がりがよくない。特にボッシュの場合は、洗剤のカスが排水ホースに詰まりやすい。 ◆GEはプラスチック部品がヤワで、痛みやすい。 ◆オーブンもワールプール系がよい。冷蔵庫は、彼自身もサムスンで満足している。一般に、電化製品はシンプル・イズ・ベスト。余計な機能はついていない方がよい。 私から一部補足すると、最近のディッシュウォッシャーには湯温を上げる機能もあるので、湯温が低すぎれば設定を変え洗い上がりを改善することもできるはずです。逆に、湯温が低いことで、プラスチック製の食器を洗えるメリットもあります。また、タブレットやジェル状の食器洗い洗剤を使えば洗剤カスがホースに詰まる心配もありません。 気づきにくい故障ところで、わが家の先代ディッシュウォッシャーは、排水スイッチが機能しなくなって故障しました。いつの頃からか汚れ落ちが悪くなり、リンス補助剤の減り方も異常に早くなっていたのですが、今考えると、当時は既に洗剤入れの具合が悪くなり、洗剤やリンス補助剤の放出が正しく行われていなかったのでしょう。下の動画をごらんください。 本来なら、スイッチを入れるとまず湯をスプレーするプロペラが回り、食器に一通り湯がかかり表面の油がザッと落ちたところで、洗剤が投入されます。リンス補助剤は、洗浄が終わりリンスサイクルが始まる直前に、プロペラから適量が放出される仕組みです。 ディッシュウォッシャーは、動いているからといって、正常に機能しているとは限りません。当たり前のことですが、汚れ落ちが悪くなったら、故障を疑いましょう。 エアギャップ(逆流止め)次に、皆さんは、キッチンの水栓の隣にある突起物(写真)を、不思議に思われたことはありませんか? あれはエアギャップといって、ディッシュウォッシャーの排水に必要な器具です。詰まると、エアギャップから水が勢いよく噴き出したりすることがありますから、その時は、咄嗟にディッシュウォッシャーのスイッチを切り、一時的に排水を止めるといいでしょう。 ディッシュウォッシャーの排水は、通常、ディスポーザル(生ゴミ粉砕機)経由で、キッチンの排水管に流れるのですが、直接つなぐと、排水管やディスポーザルの不衛生なものがディッシュウォッシャーに逆流してしまいます。エアギャップは、その逆流を防ぐものです。 滅多にトラブルは起きないと思いますが、もし何かが詰まったら、下の動画をごらんください。普通は、キャップを取り、ペーパータオルの筒をストローのように使って思い切り吸い込めば、異物が取れるそうです。 それでも駄目なら、ディスポーザルにつながるゴムのパイプを外して調べるように勧めていますが、自信がなければ水道屋さん(Plumber)にご相談ください。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||