食器洗いシンクと調理用シンク
アメリカの家の台所には広く深いダブルシンク(Double Bowl Sink)の流し台がついていますが、使い方にはルールがありません。 そこで、私たちは、日本人の家庭に最適の流し台の使い方を考えました。工場で作業動線のカイゼンに努めるように、台所でも無駄の少ない動きを工夫しましょう。 台所仕事は、@調理(切る/混ぜる)、A調理(煮炊き)、B配膳、そしてお食事の後のC食器洗いの4工程に分かれます。 調理(煮炊き)はコンロ周り、配膳は(あれば)配膳台が作業の中心です。そこで、コンロに近い側のシンクを調理(切る/混ぜる)用に、反対側のシンクを食器洗いに使い分けると、台所仕事の流れがよくなります。 わが家では、ディスポーザー(Disposal=生ゴミ粉砕機)を滅多に使いませんから、ディスポーザーが左右どちらのシンクに付いていても作業効率には差し支えません。 ディスポーザー(生ゴミ粉砕機)は必ずしも不要 そもそも 「ディスポーザーは便利!! 」と思い込むと落とし穴にはまってしまいます。日本人の調理には故障の原因になる料理素材が多いので、ディスポーザーに向かないゴミを選別するだけでも余計な手間です。 左右シンクの排水口は、普段、ゴミ受け(Drain Stainer)をかぶせておきましょう。ディスポーザーがない側のシンクには、止栓付きで、水を流すことも止めることもできるゴミ受けが使えます。 ディスポーザーがある側のシンクの排水口は大きくて、網状のゴミ受け(Mesh Drain Stainer)でないとサイズが合いません。昔は東洋系のお店でないと売っていませんでしたが、最近は一般スーパーでも見かけるようになりました。水を貯めるときには、ゴム製の排水栓を使います。 調理用シンクは一時的な生ゴミ入れと割り切って考えてください。お野菜の皮は調理用シンクの上でむき、包丁で刻んで出た野菜クズもまな板を傾けて調理用のシンクに落としておきます。生ゴミが全て出尽くしたら、シャワーホースでクズを集めてゴミ箱に捨てます。 捨て方は、ペーパータオルで包むようにして手づかみで捨てたり、いったんスーパーのレジ袋に入れて捨てたり、生ゴミの量や皆さんの勝手によって工夫してください。ゴミ箱はステップ缶(Step Can)という足でステップを踏むとフタが開くタイプです。金属製の密閉性の高いものなら、生ゴミの臭いが周囲に漏れることはありません。中にゴミ袋を入れておいて、一杯になったら、まとめてゴミ出しします。 ディスポーザーの使用上の注意 日本ではディスポーザーと呼び習わされていますが、英語ではディスポーザル(Disposal)が一般的な呼び方です。「ディスポーザーは不要」と申し上げたのは、ちょっと油断して使うと故障を頻発するトラブル・メーカーだからです。私たち日本人が使う食材は、それだけ種類が豊富で、ディスポーザーに流していけない食材が多いのです。 とにかく、生ゴミを流す前から、たっぷり水を流しておかなければなりません。生ゴミを流し終わっても、5秒くらいは水を流し続けましょう。 流してたらいけないものはいっぱいあります。固いものと繊維質のものは厳禁です。 ◆ 固いもの 梅干の種、鳥などの骨、えびなどの殻、貝など ◆ 繊維質のもの とうもろこし、バナナ、たまねぎ、ごぼうなどの皮、ネギやニラ、キャベツ、白菜、お茶の葉など ごはんやうどんのようなものでも、一気に流すと、つまらせてしまうことがあります。 それでは「どこが便利なの?」と逆切れしたい気持ちにもなりますが、アメリカ人の家庭ではそれなりに便利なのでしょう。ディスポーザーは、生ゴミを出さずに済み環境に優しいという説がある一方で、逆に、生ゴミが下水に流れるので河川の富栄養化につながってよろしくないという説もあります。 ディスポーザーが故障したら
ディスポーザーがつまったら、どうしましょう?誰でも簡単にできる対策を2つご紹介しますので、大家さんに助けを求める前に、どちらかお試しください。 @ 水をたっぷり流しながら、プランジャー(写真左=和名シュッポン)のゴムの頭を排水溝にかぶせる。ギュッと押し付け、思いっ切り引き抜く。 A 氷を5〜6個入れてディスポーザーを回す。続けて、しばらく水を流す。製氷皿にお酢を入れて作った氷を使えば、消臭効果もあっていいそうです。 それでも駄目なら奥の手があります。ゴミがひっかかって動かなくなったといっても、必ずしもモーターが壊れるわけではありません。 @ディスポーザーの下にあるリセットボタンを押してA下から手を入れて、ヘックス・レンチ(Hex Wrench)という小道具でディスポーザーを左右に少し回転させて刃にひっかかったゴミを外します。Bこれで直ったはずですから、勢いよく水を流して、いつものように使って大丈夫です⇒それでも駄目なら修理を依頼しなければなりません。論より証拠…ビデオをごらんください。 ヘックス・レンチは、たいていの道具箱セットに入っています。わが家のディスポーザーには、一番太い1/4インチ・サイズのレンチが適合しました。 流しまわりのお掃除(ベーキングパウダーとお酢)
アメリカの家庭では、流し(シンク)まわりのお掃除に、ベーキングソーダ(重曹)やお酢を使う方法が広く普及しています。 少し話がそれますが、アメリカでは、冷蔵庫の消臭用に「キムコ」や「ノンスメル」のような活性炭系脱臭剤は売っていません。 その代わりに売られているのが脱臭用ベーキングソーダ(重曹)。お料理用のベーキングソーダと中身は同じようですが、箱の形がほんの少しだけ違います。 有効期間は1ヶ月で、流しまわりのお掃除には、その使い古しを再利用する仕組みですから、とても経済的です。 流し(シンク)の表面のお掃除は、下の動画のように、スポンジにベーキングソーダやお酢を付けて拭くだけで、きれいになります。 ディスポーザーと配水管の洗浄
ディスポーザーは、時折洗浄しないと故障が起こります。流しの配水管はU字型ですから、ディスポーザーを使わない家庭でも、食材のくずが残りやすく、夏にはディスポーザーや流しの配水管から臭いがするようになって来ます。 ディスポーザーの洗浄にはSpring-AgainのGarbage Disposal Cleane等の専用洗剤や、排水管が詰まったときにも使える多用途洗剤Mr.Muscleの5 in 1 Kitchen Cleanerなどがありますが、アメリカでは、流し(シンク)まわりのお掃除にも、ベーキングソーダ(重曹)やお酢が広く使われています。 次の動画をごらんください。 ディスポーザーの排水口にベーキングソーダとお酢を撒いて放置しておきます。30分後に、水を流しながらディスポーザーを動かせば、完了です。 流し(シンク)の排水管が詰まったときは、シャワーやバスの排水口の詰まりを解消するためのHair Clog Removerなどの強い薬剤を使ってはいけません。対策なら、こちらをごらんください。 |