庫内の温度変化


 アメリカの家なら、一戸建てでもアパートでも、キッチンにはオーブンが当たり前のようについています。さほどお菓子作りが好きでない家庭でも、感謝祭やお誕生日など特別な日には、ターキー(七面鳥)やケーキを焼いたりするからです。

庫内温度計($3.50)

 日本でオーブンを選ぶ際には、電気オーブンは火力が弱く電気代もかかるという理由で、ガスオーブンの人気が高いようですが、アメリカの家では、コンロと一体型の電気オーブンが主流です。

 電気オーブンは、一部の高級品を除くと、ガスオーブンに比べて予熱に時間がかかリ、温度を一定に保つ能力も少し劣ります。特にデリケートなお菓子を焼く時には、温度調整に注意してください。

 わが家の電気オーブンを華氏350度(約175℃)に設定して調べてみると、庫内温度が設定温度まで上がるのに10分かかり、設定温度と実際の庫内温度の差は最大で華氏25度(12)もありました。温度計を置く場所によっても違いますが、庫内中央の温度変化をグラフにしてみましたのでごらんください。


オーブン掃除のスプレーは劇物


 ただし、オーブンの最大の欠点は、庫内に油がこびりついて焦げ、手入れがたいへんなこと…オーブン専門の清掃業者もいるほどです。

 つまり、オーブン掃除の基本は、調理の際にできるだけ汚さないことです。オーブンの底に、アルミフォイルを敷くだけで、後のお掃除の手間が一段と軽くなります。

=== ≪スプレー使用上の注意≫ ===

 オーブン・クリーナーはスプレータイプです。無臭(Fume-Free)と強力(Heavy Duty)がありますが、「無臭」は効き目が悪いとの書き込みも見かけますから、どうせ使うなら「強力」の方をご利用ください。イージー-オフ社製品が有名ですが、スーパーのPBブランドで変わりありません。

 臭いの正体は、理科の実験で使う苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などアルカリ性の劇物です。絶対に皮膚に触れたり、吸い込んだりしないように気をつけてください。スプレー時にマスクをするまでのことはなくても、スプレー後に庫内をぬぐう際にはゴム手袋をするくらいの注意は、必ず守ってください。

外見が似た殺虫スプレーなどと一緒にしておくと、家族が誤って使用するおそれもありますから、特にお子様の目には触れないところにしまっておきましょう。

 スプレーをかけると、しつこく焦げ付いた油汚れが溶け出して、ボロ布で拭き取れるようになりますが、スプレー効果は一瞬で現れるわけではありません。

 最低8時間、普通は一晩放置しておくのが基本。でも、時間を短縮するなら、オーブンを華氏200度(93℃)近くまで熱してからスプレーして5〜10分待つ方法があります。スプレーは、よく振りながら上から下に15〜25cmの距離をとって振りかけます。

 オーブンラックはあらかじめ外し、別途スプレーをかけます。新聞紙の上に置いてスプレーし、十分時間が経ってから、水で洗い流します。新聞紙が少し焦げて茶色になるのをごらんになれば、スプレー成分のこわさも一目瞭然です。