行きつけの薬局でリフィル


 アメリカで処方薬を買うには、スーパーやドラッグストアの薬局(Pharmacy)に行くのが普通です。薬局は、病院やクリニックの集合ビルディングなどにもあります。

 私のように血圧降下剤を飲み続けている場合などは特にそうですが、行きつけの薬局にあらかじめ自分の名前と主治医の名前を登録しておけば、1枚の処方箋で薬を何度でもリフィル(補充)してもらうことができます。

 処方箋の期限が切れても、代わりに主治医に電話して処方の延長許可を取ってくれて助かります…薬局のサービス競争も激しいようです。

 私たちの行きつけの薬局は、スーパーの店内にあります。薬を頼んでから用意できるまで待ち時間が15〜20分あるので、その間に必要な食材や日用品の買物をすることにしています。


ドライブスルーでピックアップ


 手早く済ませたいときには、前もってインターネットでスーパーのホームページから処方薬の照会番号(Referrence Number)を入力してオーダーし、車で出かけてドライブスルーの窓口で薬をピックアップします。

 さて、買い方は実に簡単ですが、お値段を安く買おうとするとたいへんです。同じ薬でも、薬局によって値段が違います。さらに、医療保険の契約条件によって値段も違うし同成分の無名ブランド薬を選べば安くなるし…よく勉強しておくかどうかで大きな違いになってきます。とにかくアメリカの薬は高くて、カナダからインターネットで薬を売るビジネスが成り立つほど。皆さんも、自己負担額を会社に請求できるなら結構ですが、そうでなければ少し勉強して医療費を節約してください。


ジェネリック(後発薬)全盛時代


 医療保険次第で処方薬の自己負担条件も様々ですが、典型的な例は薬を3つ〜4つのレベルに区分して、それぞれに応じたコーペイ(初診料や再診料と同じで1回に払う定額料金)を払う方式です。そもそも薬にはブランド物と無名ブランド物(ジェネリック=Generic)があります。

 ジェネリックとは最近は日本でも知られるようになった後発薬のことで、特許切れで他社でも生産できるようになった薬…成分に違いはありませんから、ブランドにこだわる理由はありません。アメリカでは既に8割以上の医薬品がジェネリックに変わりました。医師が処方箋に書くのはブランド品でも、薬局が気をきかせてジェネリックを探してくれます。

 下の表は薬を4レベルに区分した医療保険の例ですが、レベル3が標準のブランド物、レベル1は安価なジェネリック、レベル2は高価なジェネリックと安いブランド物、レベル4は特殊な高価な薬なのだそうです(詳細な薬名一覧表があります)。

アメリカの医療保険(処方薬)の例

処方薬の種類 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4
薬局販売 (1回 1ヶ月分) $10 $35 $55 正価の25%
保険会社自社通信販売(1回 3ヶ月分)  3ヶ月分の薬を、薬局2.5か月分の料金に割引
レベル4薬の自己負担限度額

年間$2,500

 具体的にいえば「ALTACE」という血圧降下剤はレベル3ですが、同じ効果のある「RAMIPRIL」というレベル2のジェネリックを選べば1ヶ月に付き$20節約できるというわけです。面白いことに、血圧降下剤には1錠2.5mgとか5mgとか主成分の量が異なる種類があり、処方にも1日1錠の場合も1日2錠の場合もあるのですが、1ヶ月分の薬を買うコーペイはとにかく薬の名前だけで一律に決められています。