★アメリカの車は吊るし売り ★お気に入りの装備 ★帰国時に高く売れる車 アメリカの車は吊るし売り 日本から来たばかりの人が「スノータイヤを付けてもらえますか?」と聞くと、アメリカの車のセールスマンはキョトンとするでしょう。北米では、一部地域を除き、ちっとやそっと冬の雪が深いところでもタイヤは換えません。ましてや「新車」ならどこの国でも買い方は同じだろう…と油断していけません。 日本の売り方が「イージー・オーダー」ならアメリカの売り方は「吊るし売り」です。土地が安いせいもあるでしょうが、広い敷地に新車がいっぱい展示してあって、 @在庫に気に入った車があれば、(ファイナンスや保険も済んでいたら)その日に乗って帰れます。 A在庫に気に入った車がなければ、入荷スケジュールを調べて、近いうちにご希望の車が届くようなら予約金を払って押さえます。 Bまたは、州の周辺の他ディーラーの在庫の中から、ご希望に近い車を選びます。 (注)ディーラーの社員が、自社の販売在庫の新車を運転して相手ディーラーに行って、お客様がほしい新車と交換してきますから、引渡し時には「新車なのに走行キロが数百マイル」ということもあります。 とはいっても、自動車が売れない時代になってからは各ディーラーには在庫が山積みですから、当分の間、希少車種以外はご希望の車が簡単に見つけられることでしょう。 お気に入りの装備 日本から来たばかりの方の中には、インターネットで綿密に調べ、これこれの装備がついたこの仕様の車がほしいと決めて買いに行く人がいますが、これがとんだ間違いです。インターネットの上では、あらゆる装備を取捨選択して自分だけのに理想の車を作れるのですが、これはあくまでも仮想空間のお話…現実の世界では、メーカーがたくさん生産している最大公約数の好みの車の中から選ばなければならないのです。例えば、一点豪華でレザー・シートにしたくても、他にいっぱい立派な装備が付いた高い車になってしまいます。あるいは、スポーティーで気に入った車のスポイラーを外してくれといわれても困ります。 アメリカでは「XX社製の○○に乗りたい」と、ディーラーに出向く前から車種(モデル)決定済みの方もおられますが、同一車種でも高価格車と低価格車では倍から値段が違うこともあります。いったい、車の値段は何で決まるのでしょう? 結論をはしょって言うと、車の値段は、グレード(トヨタ・カムリの例:スタンダード/LE/SE/XLE/ハイブリッド)と、トランスミッション(マニュアル/オートマ)、エンジン(4シリンダー/V6/V8)、駆動方式(2WD/4WD)の組合せで決まります。分かりやすい例をご紹介しましょう。 (例)2008年トヨタ4ランナー(全てオートマ標準仕様車)のメーカー希望小売価格 2WDと4WDの価格差が約2千ドル、V6エンジンとV8エンジンの価格差が約2千ドルです。最近は、トラクション・コントロールやスタビリティー・コントロールが付いた車も多いので雪道を運転するにも、必ずしも4WD車が必要というわけでもなくなってきました。V8エンジンは確かに強力ですが、アメリカ人並みにボートやキャンピングカーを引っ張るつもりでなければ、V6エンジンが物足りないなどということは絶対ありません。高いお買物ですから、不用な性能にお金をかけて後悔なさらぬよう慎重に考えてください。例に上げた4ランナーにはマニュアル車がありませんが、一般的にマニュアル車はオートマ車より千ドルくらい安いと見てよいでしょう。 帰国時に高く売れる車 次にグレードについて考えてみましょう。例えば、皆さんがサンルーフ付きで皮革シート仕様の4ランナーを買いたいとします。オプションでサンルーフと皮革シートが付いたSR5を買うのと、標準仕様にサンルーフと皮革シートが含まれたLimitedを買うのとどちらがお徳でしょう?私なら、迷わずLimitedを選びます。普及車でも、高価なオプションがいっぱい付いていれば、上級グレードの標準仕様車と価格があまり変わりません。それに対して、いずれ中古車として売るときの価格は、グレードと年式や走行距離、車の状態が決め手で、個別の装備はほとんど考慮されません。買うときには若干節約できても、売るときにはもったいない思いをすることになります。 ナビも同じです。小型車には標準装備で付いていない場合も多く、特注でメーカー品を付けたところで売るときには全く評価してもらえませんから、どうしても必要なら安い汎用のナビを買ってきてご利用ください。 |