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購入手続きと必要書類

★アメリカの車は吊るし売り ★お気に入りの装備 ★帰国時に高く売れる車


仮の自動車保険証


保険証明カードは、必ず車内にしまっておきましょう。いざという時に必要になります。

 州が違えば事情も異なりますが、私たちが住むケンタッキー州では、ソーシャルセキュリティー・ナンバーなしでも、アメリカの運転免許証がなくても(国際免許証があれば)、取敢えず車は購入できます。しかし、自動車ディーラーのセールスマンやマネージャーが、必ずしも外国人相手の車の売り方を知っているわけではありませんから、ろくに調べずに「売れないよ」と断られる可能性も大いにあります。あまり日本人が利用していないディーラーが相手なら、最初にその点を確認しておくことが大事です。

 アメリカで初めての車を買う方は、購入車が決まり次第、保険代理店に車両番号(VIN Number=Vehicle Identification Number)を連絡して保険手続きを進めてもらいましょう。具体的には、自動車ディーラーに行く前に、あらかじめ保険代理店に相談して「OK」をもらっておけば安心です。保険代理店は、仮保険証をファックスしてくれます。

 週末でなければ、ファックスをディーラー宛に送ってもらって、買ったばかりの車を運転して帰宅することも可能です。その場合は、ファックスが間違いなく届くようセールスマンの名前をしっかり書いておくようお願いしましょう。

 (ファイナンスせずに)車を小切手(現金)で買う場合、購入に必要な書類は、この仮保険証と運転免許証(国際免許証)だけです。車を下取りに出して買い替えるケースや2台目の車を購入するケース(=言い換えると、自動車保険の既契約者の場合)は、法律で保険代理店への報告は事後(一定期間内)でかまわないことに決まっていますから、急がなくて大丈夫です。

 あるホームページに、国際免許証で事故を起こした場合には補償が得られないと書いてありましたが、少なくとも日系保険代理店が国際免許証を承知で受託してくれた場合には問題は起きません。もっとも、私たちは責任が取れる立場ではありませんから、心配事は必ず保険代理店に納得いくまで確認してください。自動車保険とその他の損害保険の概要は「マネーと保険」のページで説明しています。


クレジットカードで支払うと損


 次は、お金の払い方。セールスマンに「キャッシュですか?」と聞かれて「いいえ、小切手ではいけませんか?」と返事すると、すれ違いの変な会話になってしまいます。質問を言い換えると「ローンやリースをせずに現金で購入しますか?」という趣旨で、キャッシュはイコール小切手のことですから念のため。

 しかし、意外にも、自動車ディーラーでは、クレジットカードがキャッシュのうちに入りません。まだ、アメリカにお金が届いていないから日本のクレジット・カードを利用したい?ご事情は分かりますが、あきらめてください。どうしてもカードで支払いたいお客様には、たいてい3%くらいの手数料がチャージされます。「なぜ?」…ご存知でないかもしれませんが、お客様がカードで支払うと、お店にはカード会社が手数料を天引きした金額が振り込まれるのです。自動車の購入代金は大金ですから、皆さんがカードで支払ったら、ディーラーは大損します。仕方ありませんね。


ペンディング事項の確認


 購入時には、多数の書類にサインさせられますが、「売買契約書」上のお名前やご住所のスペルや金額などは、きちんと確認しておかないと、後でトラブルになるかもしれません。パソコンで印刷するはずですから、契約書さえチェックしたら、後の書類にはザッと目を通すだけでよろしいでしょう。

 契約書以外にサインするのは、現金払いのケースなら、ディーラー経由で州に提出する「車両登録の申請書」、ディーラーに申請を代行してもらう「委任状」、購入時の「走行距離確認書」、それに、お客様が取引をよく理解したか総合的に確認する書類くらいです。

 ほかに、新車の装備の追加を依頼したり、中古車のキーが足りなくてディーラーが取り寄せを約束したり、購入時に何かペンディング事項がある場合には、「ペンディング事項の確認書」にきちんと記載されていることを確認しておかないと、後で泣き寝入りする羽目になりますから、気をつけましょう。

 「走行距離確認書」は、メーカー保証がスタートするマイレージを確認する上で重要です。車選びのポイントの記事にも書いた通り、遠方のディーラーからはるばる運転して取り寄せ、日本的には「新車」といえないほど走っている車も、中にはあります。それがいやなら、試乗時にしっかり走行距離を確認しておかないと、今さら断りにくい状況になります。


ナンバープレートの選択


全米各州のプレート・コレクション(⇒拡大)

 車の購入時に、特に指定しなければ、標準のナンバー・プレートになってしまいますが、少額の寄付で様々な図柄を選ぶことができます。あまり、セールスマンの方から気を利かせてたずねることはないので、ご希望の方は、忘れずに購入手続き前に自分から言い出すように心がけてください。

 競走馬の産地ケンタッキーでよく見るプレートの図柄は当然のことながら「ウマ」、それからケンタッキー大学のスポーツのシンボル山猫(Wildcat)同じくルイビル大学のカージナルなど。ほかには児童福祉関係の団体が寄付先になっているお日様が笑っている図案もポピュラーです。

  一般のナンバー・プレートは、数字3桁とアルファベット3文字の組み合わせですが、これをご自分の好きなナンバーにしてもらうこともできます。私たちが申請するなら、会社名が「KJBusiness」ですから「KJBIZ」とか「KJBIZ1」とかにするでしょう。もちろん、先に誰かが使用しているナンバーは駄目。それから、他人を不愉快にさせるような下品な言葉を連想させるナンバーもいけません。

 とわいえ、数字をたくみに使って遠回しに皮肉を言っているナンバー・プレートもありますから、道路が渋滞して退屈なときには、クイズを解くつもりで前の車のナンバー研究してみましょう。これまでに最も感心したのは、その昔にカナダのオンタリオ州で見た「IH8TAX」のナンバープレート。⇒「I H(eight) Tax」⇒「I hate tax(税金は嫌い)」と読んでください。これでは、州政府も拒絶することはできなかったようです。


権利証と登録証


Certificate of Registration(登録証)

Certificate of Title(権利証)

 購入時にディーラーでもらうナンバープレート(License Plate)は紙製の仮プレートです。2週間もすると、本物のプレートが登録証(Certificate of Registrationと一緒に送られてきますから、プレートは自分でねじ回しで取り付けて、登録証のカードは家に保管し、コピーを車内のダッシュボードに入れておくといいでしょう。

 仮プレートの有効期限は1ヶ月ですから、それまでに届かなければデイーラーに新しい仮プレートを発行してもらう必要があります。

 自動車税は、毎年、誕生月に合わせて納税しますが、その都度、登録証も更新されます。プレート自身は、原則、いつまでも交換されませんが、誕生月の数字が入った小さなステッカーが送られてきますから必ず貼り替えてください。場所はプレートの右下隅。毎年、ステッカーの色が変わりますから、ほったらかしにして運転していると警察に見つかりつかまってしまいます。

 ナンバー・プレートとは、別の便でタイトル(Certificate of Title=権利証)という証書が送られてきますが、これは車の所有権を示す書類です。車を売るときに見つからないと、再発行してもらわなければなりませんから大切に保管しておきましょう。