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新車と中古車の選択

中古車相場が高くてびっくり ★個人売買なら履歴をチェック


中古車相場が高くてびっくり


 「アメリカの中古車は高いですよ」といくら言っても、程度はなかなか分かりません。ディーラーに行ってから、値札を見てびっくりなさる方が多いようです。次の表をごらんください。すっかり古くなってしまいましたが、2007年12月に新車や中古車の市場価格を調べる「kbb.com」というホームページを参照して作った資料です。車はトヨタ・カムリLE4シリンダー、場所はケンタッキー州レキシントンという想定です。例年、新モデルの切り替えは8〜9月で、'08年モデルが出て約3ヶ月経ったところでした。表にある'07年モデルの新車在庫も、実際には既に残っていなかったはずです。

 新車の「販売価格」はメーカー希望小売価格(MSRP=Manufacturer's Suggested Retail Price)で、中古車の「販売価格」もディーラーが最初につける値段ですから、表の「販売価格」より普通は千ドルくらい値切れると見ていいでしょう。中古車の状態は、ディーラーが売るケースでは4段階の「最高(Excellent)」、皆さんがディーラーに下取りに出す場合は、少し余裕を見て、上から2番目の「良(Good)」にしてみました。というのも、帰国のために売り切ってしまう場合には、下取りの値段より多少は不利になるかもしれないからです。

 さて、まず昨年度のモデルといえば、日本では「新古車」と呼ばれるお買い得車ですが、新モデルとたったの$100しか差がありません。実勢売買価格は、'08が$20,886で'07が$20,403ですが、それでも$500も違わないのです。

 中古車の走行距離には、リースの計算によく使われる年間12千マイル(2万km弱)を当てはめてみました。12千マイル走った車が売値で$700の差です。値切っても、せいぜい$1500程度の差しか付かないでしょう。3年前(6万km)のモデルが8割、5年前(10万km)のモデルに6割強の値段が付くのですから、日本人的感覚では買えないのではありませんか?反対に、売るときは最高です。3年で帰国したら購入価格の6割近く、5年でも4割以上が回収できますから、物入りな帰国後の生活に思いがけない助けになります(新車の購入時に払う税金と車両登録費用約$1500は計算外)。

 

'08新車

'07新車

'07中古車

'05中古車

'03中古車

走行距離

未走行

未走行

12千マイル

36千マイル

60千マイル

販売価格

$21,735

$21,635

$21,025

$17,315

$13,455

下取価格

NA

NA

$17,295

$12,775

$9,290

 これは、飽くまでも日本車の価格表で、アメ車の価格は日本の中古車並みに年々減価していきますから誤解なさらないでください。アメ車は一昔前に比べれば多少改善してきているようですが、5万マイルを超えるとあちこち故障してくるようですから慎重に検討してください。

 日本車なら最低でも3〜5万マイルくらい走った車でないと価格的に納得がいかないでしょう。中古車になさるなら、赴任期間中にどのくらい運転しそうか予測して、ちょうど乗りつぶして帰国するくらいのおつもりで買われてはいかがでしょう。


個人売買なら履歴をチェック


 価格以外の理由で中古車を買った方がよい場合もあります。私たちの娘が大学に通学するようになったときには、知り合いのセールスマンから、わざわざ中古車を買うように勧められました。大学の駐車場にピカピカの新車を置いておくと、いたずらをされる確率が高くなるのだそうです。このような場合には、メーカー認証中古車(Certified Used Car)を購入するのもいい選択です。ーカー認証中古車というのは、ディーラーが所定の他項目のチェックをした上でメーカーが追加期間(トヨタの場合は駆動部に限り、新車時から6年または10万マイル)を保証するものです。

 中古車の良し悪しは前オーナーのメンテ次第です。中古車を買うからには、ディーラーの話を鵜呑みにせずに、試乗運転でエンジンの調子を確認したり、ボンネットを開けてきれいに使っていたか全般をチェックすることが必要です。

 特に、新聞広告を通じて、知らない人から中古車を買う場合には、小切手を切る前に、事故や冠水の履歴がないかしっかり確認するのが鉄則です。「車両記録(Motor Vehicle Record)」は、州政府に申請して発行してもらうことができますが、この文書は主に所有権関係の記録。事故関係の記録を調べるならCARFAXというホームページを利用して「車両履歴(Vehicle History Record)」を取り寄せてください。ただし、警察に通報せずに示談で解決した事故までは分かりません。

 あれこれネットを検索しているうち「DMV(=Department of Mortor Vehicles)」という名前を使ったホームページがいくつもあるのに気がつきました。いかにも州政府の自動車局のページに見せかけていますが、実は民間のビジネスです。(有料で)運転履歴や車両履歴にとどまらず個人の信用履歴や犯罪歴ほかもろもろの個人情報を提供してくれると書いています。まどわされないでください。